議会活動

高齢者向けの住居支援施策を充実させて安心して住み続けられる老後を ~10月1日 横浜市会決算総合審査での一問一答 (その三)

高齢者向け住宅支援で生活保護に頼らない老後を

古谷議員:
続いて、高齢者の住まいのあり方について、特に低所得の高齢者が安心して住み続けられる横浜になるように、いくつかの提案をしていきたいと思います。特に、公営住宅の設置の重要性について主張していきます。
単身の方が今、高齢になって、働けなくなって、年金をもらう生活になったと。しかし、国民年金では今1か月最高でも6万5,000円しか支給されません。それでは、私はとてもじゃないですけど暮らせないというふうな感想を持ちますが、市長の所感、伺います。

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林市長:

国民年金は、現役時代に構築した生活基盤や老後の備えとあわせた生活を支えるものとされており、今お話があったように、現在満額で一人あたり月6万5,000円を支給されております。長年、自営業や農業を営んだ方などは国民年金を受給することになりますが、年金の支給水準は本人が支払った保険料や国庫負担、物価等のバランスを図りながら国が判断するものでございます。横浜市としても、他の指定都市とともに国民年金の支給額について国に対して要望を行っております。

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古谷議員:
今、市長、おっしゃられなかったですけど、国に対して要望しているということは、低いということを認識されているんだろうと思います。
今まで日本は、私が考えるに、持ち家に特化した施策に比重を置いてきたんじゃないかなというふうに思います。その証拠に、国民年金の水準が6万円程度ということでは、住まいにお金がかからないことが前提での制度設計としか、私、思えません。これでは、これから若者の非正規化が進む中で貧困になって、そして現役の働く世代がリタイアをした親の面倒をみることがますますできなくなります。そうすると、国民年金しか収入源のない持ち家でない人は、他に制度がなくて、生活保護に至るというケースが多くなるのもみています。その証拠に、生活保護受給者の受給理由のトップが「高齢になったため」ということです。
そこで、提案するんですが、生活保護とは別体系で、住居に対しての支援をぜひやるべきだというふうに考えます。そうすれば、結果的に、保護を受給している方でも、住居が安定的に確保されることで保護を受給しなくても何とか生活ができるという方も出てきます。結果、保護受給者も減らすことができると、総体として救える人も多くなるというふうに考えます。そういった住居への補助制度、こういうものとともに、住宅施策の要である低所得者向けの市営住宅の供給について増やす必要があると思いますが、どうか伺います。

 

坂和建築局長:

低所得者の高齢者向け世帯に向けて、民間賃貸住宅を活用し、整備費用や家賃の一部を補助する高齢者向け優良賃貸住宅を供給するとともに、国の補助を活用したサービス付き高齢者向け住宅の登録事業にも引き続き取り組んでまいります。  また、市営住宅の今後の役割と供給につきましては、高齢者向け住宅等のあり方とともに、現在、住宅政策審議会においてご審議いただいております。

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古谷議員:
ぜひ、市営住宅、ぜひ増やしていただきたいと思っています。
低所得の高齢者の住まいのあり方について、我が党として常々主張している特別養護老人ホームの増設について、対象の高齢者が増え、待機者もたくさんいるにもかかわらず、建設戸数のペースは増やしていません。結果、行き場を失った方が藁にもすがる思いで行った先が無届けの有料老人ホームだったという事態にもなっていると聞いています。
そこで、今の本市の無届け有料老人ホームが22施設200人以上の方がいらっしゃると聞いていますが、その実態について、健康福祉局・建築局・消防局それぞれから、査察の実態や法令順守のためにどう指導しているのか、伺います。

鯉渕健康福祉局長:
老人福祉法に基づく届け出を行わずに運営しております未届け有料老人ホームは、27年6月末時点で22施設となっております。この中で最も早く把握した施設は23年11月のものとなっております。これらの施設には立ち入り調査などにより状況を把握するとともに、法に基づく届け出を求めております。なお、届け出に際しましては十分協議を行い、介護などの入居者への処遇、ナースコールや手すりなどの設置、運営等について指導しております。  9月28日時点では2施設が届け出を行い、6施設と届け出に向け協議を開始しております。残りの施設についても、立ち入り調査などを行いつつ、引き続き届け出を提出するよう、粘り強く働きかけてまいります。
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坂和建築局長:
建築基準法に基づく防火避難に関する規定への適合状況について、6施設の調査を実施し、3施設に違反事項を確認いたしました。その内容は、廊下等の避難経路を照らす非常用照明が未設置であるものが2件、廊下等の避難経路の確保が不十分であるものが3件で、すでに是正指導を行っています。
また、残りの施設につきましては、所有者等とのこれまでの調整を踏まえ、来月11月までに立入検査を実施する予定となっております。

 

久保田消防局長:
22施設のうち15施設についてはすでに消防の立入検査を実施しました。そのうち9施設に不備がありました。9施設のうち、4施設は是正され、2施設は市外への移転を予定しており、残りの3施設は消防計画の未作成、消防用設備等の点検未実施などの違反事項があり、早期の是正を進めます。
また、立入検査を行っていない施設につきましては、早期に実施するとともに、今後もこれらの施設に対して適切な指導を進めてまいります。

 

 

古谷議員:

最後の消防局の説明が一番分かりやすかったかなと思うんですが、先ほど報告された建築局の方は、適合は22施設のうち1か所と。健康福祉局の方は22施設のうち2か所しかありません。ですから、そういう意味では監査体制が非常に厳しい中でやられているんだろうなというふうに想像します。
市長、先日の川崎市の事件でもあるように、また先ほどの未届け施設の問題でもあるように、高齢施設への監査体制、非常に現状では足りないというふうに認識しますが、見直すべきではないでしょうか。

 

林市長:

古谷先生、ご指摘のとおりだと思います。施設に入居される高齢者の方々の安心安全の確保について、十分に配慮しなくてはならないと考えています。他都市での事故や不祥事などを教訓といたしまして、施設運営等の指導、監査体制の見直しを行います。情報共有化など関係部局間の連携をいっそう進めて、高齢者施設への指導の強化を図ってまいります。


2015-10-04 | 2015年の議会活動ブログ議会活動

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