日本共産党横浜市会議員
古谷やすひこ予算特別委員会 総務局(3月3日)
日本共産党 古谷やすひこです。
デジタル化の推進について伺います。
最先端の技術を国民生活向上のためにしっかり生かすべきであるし、市民生活がより豊かになるように活用するべきと思います。しかし残念ながら、今国で進められているのはデジタル化でとにかく形ばかり米中に追いつこうとするばかりで、目指す将来像や個人情報保護の議論については不十分なままです。そこでまず伺いますが、本市の行政のデジタル化は何を目指してどんな目的で行われるのか?市民にとって何のメリットがあるんですか?
いまマイナンバーカードの普及のために、健康保険証や運転免許証・銀行口座データなど、様々な個人情報を紐づけようと進められています。そしてビックデータとして情報が集積され、それをAIで分析・活用しようという流れに、少なくとも個人情報とプライバシーを守る仕組みを組み入れるべきだと思います。EUでは、2018年に施行された「一般データ保護規則」を定め、デジタル化に対応して個人情報保護の仕組みを抜本的に強化しました。企業が蓄積したデータを個人が消去させる権利、個人データの取り扱いに対し異議を述べる権利、プロファイリングだけにもとづいて重要な決定を下さない権利などを規定しています。アメリカでは、今までも情報開示と情報の過誤の訂正を求める権利を個人に認めてきました。それに加え、カリフォルニアではAIプロファイリングの結果も保護の対象にしたり、シアトルではアルゴリズムの透明性や公平性の確保の取り組みを始めています。デジタル化に対応した個人情報保護の強化は今や世界の流れです。デジタル化を進めようとしている本市は個人情報をどう守るかについてどんな議論が本市ではなされているのか伺います。
デジタル化の最先端だとして菅政権がスーパーシティーのお手本にしているのが中国の杭州市です。杭州市は街全体のデジタル化が世界で最も進んでいます。町中に監視カメラが張り巡らされ、当局は顔認証で個人を識別し、その個人データが即座に参照できると言われています。また中国では信用スコアが人々の暮らしに浸透しており、AIが様々なデータからその人の信用度を分析して点数化するのが信用スコアです。学歴・職業・年収・預金などの資産や消費を含めた様々な行動履歴がスコアに反映されます。ボランティアに参加すれば点数があがり、交通違反や街でのごみのポイ捨てをすれば減点されます。スコアが高ければ金融機関からの融資枠が広がり、様々な行政サービスが優先的に受けられるようになり、スコアが低ければ融資を拒否され行政サービスから排除されることもあります。信用スコアは企業の採用や結婚相手を選ぶ際にも使用されています。これは市民が望む横浜市の未来の姿でしょうか。私はこんな監視社会にしてはならないと思いますが横浜市も杭州市のような街を目指しているのか伺います。
デジタル化がいかに進もうと個人情報を含めた個人の尊厳がしっかり守られるべきと考えるが見解を伺います。
国が進めるからといって粛々と本市で具体化するのは間違っていると思いますがどうか伺います。
本市がデジタル化を進めるにあたって、データの利活用を進める前に、自分の情報をコントロールする権利など情報の主体である個人の権利を確立することを先に進めるべきだと強く要望して質問を終えます。
以上