日本共産党横浜市会議員
古谷やすひこ
11月16~17日 の二日間、横浜市会の基地対策特別委員会の会派別の視察で、山口県の岩国基地等に、同じ委員会のかわじ議員と行ってきました。
視察の目的は、だんだん強化されつつある岩国基地の現状と基地被害について、その実態を見てくること。また、その被害を受けている住民の声を聞いてくること。懇談先は、岩国の基地問題のスペシャリスト・岩国平和委員会や、岩国市の基地対策課、また行政視察とは別ですが今まで基地問題で議会論戦の先頭に立ってきた日本共産党岩国市会議員団との懇談などなど。
岩国市へ行くには、新幹線で行くのか、岩国錦帯橋空港という軍民共用空港を使うのかがありますが、今回は空港を使った方が近くで自衛隊や米軍基地の共用の様子がよく分かるということで、飛行機で岩国まで。
着陸した瞬間から、戦闘機がずらり並んでいます(飛行機の窓越しに撮影したもの)。
空港についてすぐに、岩国平和委員会の吉岡さん、松田さんに案内していただいて、基地周辺の様子を見せていただきました。
軍民共用と言っても、海沿いの広いスペースが米軍基地と自衛隊基地で占められていて、奥の方に民間の岩国錦帯橋空港があります。そこからは、米軍基地や自衛隊基地は全く見えません。その空港の滑走路先にある場所に移動。
戦闘機の飛び交う様子をしばらく見ていると、まあ飛び立つ米軍戦闘機の多いこと。着陸態勢に入ってからそのまままた飛び立つ「タッチアンドゴー」の訓練や、2機が一緒に飛び立つ「編隊飛行」訓練。体の芯まで震えるような低騒音と轟音。
その後、基地周辺の様子を視察。
これは周辺にある米軍住宅。
午後からは、岩国市役所に移動して、市の基地対策担当からレクチャーを受けました。
岩国市の総合政策部基地対策課の山中課長、基地対策班の岡原班長から、今までの岩国市の基地問題の歴史や現状についてのレクチャーを受けました。
「岩国市は『基地との共存』を掲げている。しかしその一方でこれ以上の基地負担は認められない。」
「地形的に見て、岩国市は平地に農業・工業・基地、住宅は高台にあるようになっている。その中でも最もいい場所の三角州の場所を基地に占められている。」
「基地問題は国の専権事項であり、米軍基地があるという状態を活かして、いかに交付金を受けるのは大事なこと。」
などなど。比較すれば、横浜市の市是は、「早期の米軍基地返還」と比べれば、基地の存在を是認している岩国市の姿勢は疑問をもつ。市は、岩国が観光の町であり工業の町であるという割には、そのどちらにも弊害が出ている米軍基地の存在を認めるようなやり方は問題があると思う。そして結局、基地がらみの交付金に頼る市財政となってしまっている。
岩国の平和委員会からは、戦後の早い時期に「帝人」の工場が岩国にあったが、その場所が空港の滑走路の延長線上にあったため、煙突を切ることを求められ、またその他にも爆音被害を受けて、工場そのものが松山に移転してしまったとのこと。当時の市の経済部長の答弁によれば、約5000億円の損失になったと回答したとのこと。
(続く)