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【資料付で全文公開します】新型コロナ・PCR検査 ”なかなか受けられない” 「直ちに抜本的改善が必要」~4月19日「新かながわ」誌に寄稿

4月19日付けの「新かながわ」誌に寄稿した文章を資料付きで公開します。
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日本共産党 横浜市会議員団 副団長 古谷やすひこ

 

医師が頼んでも頼んでも検査が受けられない・・・

新型コロナウイルス感染症の拡大が止まらない中、感染を確認できる検査が「受けられない」という苦情がたくさん寄せられています。

先日、A病院から「新型コロナウイルス疑いの患者さんがいるんだけど、保健所からPCR検査を拒否された」との相談が寄せられました。当初の感染流行地域ではない外国籍の日本在住のBさん。1月からその外国で滞在、3月末に日本に帰国しました。帰国前から頭痛・咳などの症状がとれず、息苦しさもあり、本人から横浜市の新型コロナウイルス感染症コールセンターに検査を受けたいと電話。コールセンターは「医師からの情報でなければ検査を受けられない」と病院での診察を案内。そこでBさんはA病院へ。
A病院の医師がBさんを診察。すぐに帰国者接触者相談センターに連絡。同センターから「PCR検査を受けるには他疾患を否定して入院を要する状態に準ずることが条件です。まず胸部レントゲン・インフルエンザ検査を行ってください」と指示を受けました。そこで医師は胸部レントゲン写真で肺炎症状を確認。インフルエンザ検査を実施しA型B型ともに陰性を確認しました。そこで、あらためて同センターに連絡、PCR検査を依頼。同センターは「是非について検討する」と。その後、「患者さんが行かれていた国が流行地域でなく」検査適用でないと。それでも医師が「呼吸苦もあり胸部レントゲンでも肺炎所見あり。それでもできないのか?」。同センターからは「PCR検査をこれ以上増やせない。患者さんには検査を受けられないことを伝えてください」と。再度健康福祉局に私から連絡。直接保健所長と医師でやり取りをしてもらいましたが結論は変わりませんでした。

後日、市の検査をする基準を確認すると、いくつもいくつも関門があり、最後には「重症化していない」と検査につながらないことも明らかになりました。ここを改善させなければなりません。(表1 センター相談フロー図)
表1 センター相談フロー図

検査を受けたいと電話しても、たった1%程度しか検査できない

PCR検査を受けるには、患者さんやその患者さんを診た医師が相談センターに電話をして、相談センターが認めれば、次に帰国者接触者外来で受診となります。そこで診察して医師が判断すれば、その場で検体をとり市の衛生研究所へ検体を送り結果を待つという流れです。つまり帰国者接触者外来にたどり着けなければPCR検査は受けられません。「PCR検査を受けたい」という電話が帰国者接触者相談センターに9923件(2/10~4/6まで)ありましたが、実際に帰国者接触者外来に紹介されたのが133件しかありません。わずか1.3%程度しか検査につながらない、PCR検査は本当に狭き門です。(表2 センターから外来につながった実績)

表2 センターから外来につながった実績

抜本的に変えなければ、感染拡大は止められない

新型コロナウイルス感染症の特徴は、「感染しても症状が現れるまで時間がかかる」「症状が出なくても感染する力をもつ」こと。少なくとも医師の判断で検査が必要だとなれば行うべきです。

4月10日時点での横浜の新型コロナウイルス感染症の陽性患者は120人。そのうち無症状・軽症の方が84人、 中等症重症の方が18人。 (表3 陽性患者の状況)
表3 陽性患者の状況 

無症状・軽症患者さんの施設が早く運用はじまれば、ぐっと既存病院の負担を減らせます。また、市中に広がっている無症状の感染者を見つけるにはもっともっと検査対象を広げるべきです。ここに何としてもメスを入れて一刻も早い感染爆発を防ぐよう改善を求めていきます。

 

 


2020-04-19 | ブログ医療・福祉

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