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[現場写真多数] 放射能に汚染された「指定廃棄物」を学校現場に置く必然性はありません! ~横浜市と国に対応の改善を求めます!

現在、横浜市内の43の小学校・中学校・特別支援学校で、放射性物質に汚染された汚泥が校内に保管されています。その量、2908.8㎏、ドラム缶で87本だとのこと。
放射性物質
その中には、8000ベクレルを超える「指定廃棄物」も含まれています。これは、放射性物質汚染対処特措法に基づいて横浜市が国に申請し国が指定しました。その国による指定廃棄物は、上記のうち、17の学校でその総量は3トンに及びます。
そのうち、もっとも多量の832㎏の指定廃棄物を保管している末吉小学校の現場がこちら。左側に並んでいるのが指定廃棄物の入ったドラム缶。
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この指定廃棄物は「消火ポンプ室」に、ドラム缶5本の中に保管されています。横浜市が立ち会い環境省が計測した数値は、11300ベクレル(2013年10月に公表したもの)。8000ベクレルをはるかに超えています。

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私が持参したHORIBA Radi PA-1000で空間線量を測ってみましたが、ポンプ室内では0.10~0.15マイクロシーベルト/h。ドラム缶に機械を置いても、大体変わらない数値。
(環境省で測定した結果の資料を現在請求しています。)

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もう一か所は、13200ベクレルで63.2㎏の指定廃棄物が保管されている下野谷小学校の現場を視察。「雨水ポンプ室 消火ポンプ室」に保管されています。その入り口には、雨水利用設備の説明版があります。皮肉にも、この仕組みを導入したために、横浜に降り注いだ放射性物質をわざわざ集積することになったんです。
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どちらの現場も、確かに基本的には子どもたちが立ち寄らない場所で保管されていることは確認できました。
しかし、やはりわざわざ子どもたちの日常生活を過ごすところに置き続ける意味はないと思います。また、いつ災害が起こるかもしれません。火事になるか、地震や水害が起こる可能性は、東日本大震災で私たちはもう経験しています。いつどんな災害が起こってもおかしくありません。そういう来たるべき大災害に備えて様々な備えをしている中で、わざわざリスクのあるものを避難所にもなる学校に置き続ける意味はありません。
「移動する場所がない」というのも、全くナンセンスで、場所はあります。残念ながら現在でも、北部と南部の汚泥資源化センターで放射能汚染された汚泥焼却灰が積み上げられています(2年前の視察の際の様子)。
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それらをそこの置き続けることが適切であるというつもりはありませんが、少なくとも子どもたちのいる小学校・中学校に今置いておくよりも、そこに指定廃棄物でないものも含めて全部合わせても3トン程度ですから、北部と南部の汚泥資源化センターで保管されている下水汚泥焼却灰と同様に保管するように、速やかに移動させるべきです。

しかし横浜市は「事故由来放射性物質により汚染された廃棄物の処理等についての対応」という文章の中で「廃棄物の保管については、引き続き施設管理者が施設内で適切に行うことを原則とする。また、調整後、指定申請を行った廃棄物についても、国に引き渡すまでの間、適切に保管する」として、学校に指定廃棄物を置き続けることの方針を変えていません。
旧上瀬谷通信施設 図面

教育現場をあずかる担当者もこんなお荷物を管理するのは本意であるはずがありません。

引き続き、横浜市に対して働きかけ続けるとともに、次は国に対して、指定廃棄物を引き取るように求めて、来週の金曜日に環境省へと行ってきます。
環境省のホームページには、「国による処理体制が整うまでの間、やむを得ず一時的な保管をお願いせざるを得ない状況が続いています」とあります。一時保管だと言いながら、5年も、そしてわざわざ子どもたちのいる学校に指定廃棄物を置き続けるのは、あり得ません。即刻改善を求めていきます。


2016-04-07 | ブログ視察・研修

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