日本共産党横浜市会議員
古谷やすひこ(2013.12.3)
まず、消費税関連17議案について質問をいたします。
わが党は、国政では「今後の消費税のあり方、社会保障のあり方、財政危機打開の方途で、意見の違いがあっても国民の暮らしと経済を守るために、来年4月からの増税を中止する一点で、各党に共同を呼びかけている」ところです。今回の消費税引き上げについて、第3回定例議会のわが党の大貫団長の「市長は消費税増税に反対すべきだ」と迫ったことに対して、市長は「安倍総理がご判断するものと考えています」と直接答弁を避けられましたが、今回の17事業にもおける消費税転嫁・市民への値上げで、総額で57億円もの増税を押し付けることについて、まさに林市長ご自身が決断されて今回の議案が出されているわけありますが、なぜこんなにも、簡単に右から左へと提案されているのでしょうか。市民生活や市内の景気はそのことによってどう変わるのか、その認識、伺います。
私たちはもちろん消費税増税には反対ですが、4月からすぐに転嫁をするということを決めてしまうのではなく、市民のみなさんの暮らし向きや経済動向を見極めることも必要だと考えます。例えば、前回の消費税5%へ引き上げられたときに、交通局はそのまま4月には料金転嫁はしませんでした。今回も、この交通局の対応に、拙速に判断せずに、実際の4月からの景気動向がどうなるのかをまずは見極めることをなぜしないのか、伺います。
第3回定例会で市長は、「社会保障改革はもはや待ったなしの状況なので、厳しい環境にある中小企業や社会的に弱い立場の皆様などへの十分な配慮を行った上で、消費税を引き上げることは必要」と答弁をされておられました。また10月1日付の記者会見の中でも、市長は「本当にぜひ国には弱い立場の方に目を向けていただきたい」と話されていました。税金の取り方一つで、人の生き死にが決まります。そんな中で、国に対して低所得者向けの配慮を求めていることは大変いいことだと思います。しかし、林市長が本心でそう考えられているのであれば、国に求めるだけではなく、市として「弱い立場の方に目を向けた施策」を具体化するべきと思いますが、市長の考え、伺います。
特に低所得者については、消費税増税で暮らし全般にわたって苦しくなるわけでありますから、引き上げないだけではなく料金引き下げをするくらいのことを検討しなければ、市長のいう「配慮」にはあたらないと考えますが、いかがでしょうか。
林市長:古谷議員のご質問にご答弁申し上げます。
消費税率等の改正に伴う条例の一部改正と関連議案についてご質問いただきました。
増税分を転嫁することが市民生活や市内景気に与える影響についてですが、今回の税率引き上げにより、市民のみなさまにとって負担が増加することは確かであり、厳しい経営環境にある中小企業にとっても増税による駆け込み需要の反動などマイナスの影響は当然発生すると考えます。従って、経済対策などにより景気の下支えや、簡素な給付措置などによる社会的に弱い立場のみなさまへの配慮などさまざまな角度からの取り組みを着実に実施していくことが必要だと考えています。
消費税転嫁に時期ですが、消費税は最終消費者が負担することを予定した税であり、また国からも公共料金の改定については税負担の円滑かつ適正な転嫁を基本として対処するという方針が示されています。こうしたことを踏まえて、4月からの料金改正を今回お願いするものです。
弱い立場の方に向けた施策の具体化についてですが、今回の政府の経済対策に中小企業への支援の強化や住民税が非課税の方に対しての現金給付などが盛り込まれましたので、本市としてもこれらの実施に向けて着実に準備を進めていきます。
料金の引き下げなど低所得者への配慮についてですが、消費税は最終消費者が負担することを予定した税であり、また今回の消費税引き上げは今後の社会保障制度を安定的に支えていくために必要なものであることから、ご理解をいただきたいと考えています。
(第二質問)
古谷議員:市長、答弁ありがとうございました。ただいま市長の答弁いただきましたが、市民生活の実態がなかなか見えていないのではないかなあという感想をもちました。
消費税関係について再度伺います。総務省の家計調査を見ると、勤労者世帯の可処分所得は前年同期比で1.5%の実質減少、二期連続で減っています。そして、賃金も所定内給与は16か月連続して減少し続けている最中です。そんな中で、賃金は増えていない、賃金が増えていない中で、市長は消費税転嫁を早々となぜ決めてしまうのか。これでは市長が市民生活を本当に苦境に追い込むことになるというふうに思います。転嫁はやめるべきと思いますが、市長の考え、再度伺います。
次に、私は、消費税はただ負担が増えるからといって反対しているという単純な議論をしているわけではありません。税金の大原則である、応能負担・生計費非課税という税の大原則に反している、最も不公平な、最も不公正な税金であって、その税率を上げることに対して、私たちは反対をしています。結果、富裕層には軽い負担、低所得者には重い負担になってしまうのは明らかであり、格差社会を広げてしまうことになります。その精神が不正義だと言っております。いろいろ言われましたが、結局市長は、本市としては何も手を打っていません。市長は格差が広がっていくことをよしとするのか、それが市長の政治信条なんでしょうか、伺います。
林市長:古谷議員のただいまのご質問にお答え申し上げます。
賃金が増えていないなかで、なぜ消費税を転嫁するのかということについてですが、消費税率の引き上げ分は、その全額を社会保障経費に当てることとされておりまして、年金、医療、介護、少子化対策などの充実、安定化に使われることとなります。しかしながら、消費税引き上げ時の景気の腰折れに配慮する必要がありますので、たとえば本年度の税収の上増分など消費税引き上げ分以外の財源を使って今回の政府の経済対策が実施されるものと理解をしています。
次に、格差が広がることを市長はよしとするのかというご質問でございますが、将来の日本の社会保障制度を安定的に支えていくための財源として、世代間の公平性や税収の安定性、経済活動への影響度などを総合的に考慮した結果、消費税が変革されたものと認識をしています。
古谷議員:次に、市第64議案「横浜みどり税条例の一部改正」についてです。
年金が引き下げられ、医療費負担も増え、来年には消費税増税が待っていたり、そんな中ですべての市民や企業に対して超過課税の継続を今回の議案で強いているわけですが、市民生活の実態がどうなっているかという視点での分析が税制調査会の報告には触れられていません。市財政の観点からの分析に大きく偏って書かれた税制調査会のあり方に問題があると考えますが、市長の所感、伺います。
本条例は、市民の担税能力を無視して、均等割りで一律に税をかけてしまう「税の応能負担の原則」を無視しております。また、今まで欠損法人課税免除によって一定企業の担税能力に応じて対応していた制度も、今回なくなる提案であります。例えば、神奈川県の超過課税であります水源環境保全税は、一律の均等割り分、所得割分があり、担税能力に応じて支払う仕組みになっています。本市のみどり税は、担税能力を無視して一律に税金をかけてしまうやり方について、市長の見解を伺います。
そもそも、市内の緑が減っているのは、買い取り資金などの財政的な問題の制約だけが、緑を保全できなかった原因だとお考えになっているのかどうか、市長の考え、います。
現状で、横浜の緑を減っているのは、地下室マンションにみられたように、不動産・宅地・マンション建設など開発業者が行った大規模な宅地開発を進めたことと、そのことに対して本市が緑を減らさないような有効な手立てを打ちきれなかったことが原因だと思います。一般市民や法人から均等負担をさせるということは、それらの開発業者の責任をあいまいにして、一般市民・法人への負担転嫁としか言えないものであります。開発業者への負担金の導入や建築・開発行政への規制強化などの対策が必要だと考えますが、市長の考え、伺います。
2009年から2012年の4年間で、みどりアップ計画で買い取った105.9ヘクタールの樹林地のうち、43%にも当たる45.5ヘクタールが企業から取得されたた土地であります。その土地が、もし企業の塩漬け状態の土地で実質事業化できないような土地だったとしたら、市がその事業化できないような土地を買い上げて、結果的に企業を救済したことになってしまいます。この間のみどりアップ計画で企業から本市が取得した45ヘクタールはどういう土地であったのか、伺います。
林市長:市第64号議案についてご質問いただきました。
税制調査会のあり方については、税制調査会では市財政の観点からの分析にとどまらず、課税自主権活用の前提条件として、施策の重要性と財政状況、行財政改革の取り組み状況の検証や評価が行われました。また、みどり税の課税手法、納税義務者、市と税率等の税制案について、さらに市民の理解と納得に向けた行財政改革の継続した取り組み、市民が直接参画する市民推進会議についての検討が行われました。このように、税制調査会ではさまざまな観点からの議論を踏まえ、答申を取りまとめていただきました。
納税者に一律に税を課すことの見解については、みどりの保全、創造による受益は市民である個人・法人に広く及んでいることから、みどり税は市民税均等割の超過課税を採用しています。均等割は地域社会の費用を住民が広く負担するという性格を持っているものであり、一定の所得以下の方などを除き、所得の額に如何にかかわらずすべて均等の額によって税の負担を求めるものとされています。
市内のみどりが減っている原因についてですが、本市では都市の発展や市民生活の向上のために、計画的なまちづくりを進めています。みどりの保全にも力をいれ、バランスをはかりながら取り組んできましたが、みどりは減少してきました。みどりの保全については、土地をお持ちのみなさまにご協力をいただき、緑地保全制度の指定により持ち続けていただくことを基本として、不測の事態での買い取り希望に対応して市が買い取ることにしています。こうした中で、財政的な裏付けのある安心感を土地所有者のみなさまにもっていただくことが重要であり、安定的な財源であるみどり税は大きな役割を果たしています。
開発業者への負担金の導入や規制強化についてですが、みどり豊かで住みよいまちづくりを進めるため、一定の開発の際には公園の設置や緑化の義務付けに加え、大規模な樹林地については事業者と協定を結ぶなどにより保全に努めてきました。現行のみどり税導入時には、開発事業者等への法定外税課税の可能性について、法的な側面や課税技術の面などさまざまな観点から検討しましたが、多くの課題があり、導入は困難としました。引き続き、都市に潤いを与えるみどりの十大拠点や身近なみどりの保全・創造と都市の活力につながる魅力ある市街地形成を目指してバランスあるまちづくりに取り組んでいきます。
企業からの樹林地の取得に関するご質問ですが、企業が所有する樹林地で保全の対象となるものにつきましては、すべて働きかけを行い、緑地保全の主旨にご賛同いただきながら、規定の指定による緑地保全を進めてきました。指定地において、転売などによりみどりが失われる恐れがあるような不測の事態が発生した場合や、法律に基づく開発の申し入れに対して、買い取りを行うことで永続的に緑地を補填しています。みどり税も活用しながら、緑地保全制度による指定や買い取りを進めてきたことにより、樹林地の減少傾向が鈍化しており、みどりアップ計画の取り組みは大きな効果があったと考えています。
(第二質問)
古谷議員:次に、みどり税について再度伺います。「緑はみんなが享受するから、みんなで等しく負担をするんだ」という理屈が成り立てば、行政サービスなどを含めて全て応益負担がふさわしいということになりかねません。なぜ、みどり税は市民法人の担税能力を無視するのか、明確にお答えください。
みどりアップ計画で買い取った企業の土地についてであります。現在、市街化調整区域などでは特別養護老人ホームなどの規制を行っております。墓地開発のさらなる規制をすれば、調整区域の買い手が実質的にはなくなり、結果的に緑は保全されるはずであります。こういった手立てを講じて調整区域の保全を進めるべきであります。さらに、調整区域の企業用地の買い取りは原則禁止とすべきと思いますが、どうか伺います。以上4問、お願いします。
林市長:なぜみどり税は担税能力を無視するのかということでございますけれども、市民税の均等割は地域社会の費用を住民が広く負担するという性格をもっております。しかし、全く担税力がない方や担税力が著しく薄弱である方について負担を求めることは適当ではないとされ、一定の所得以下の方への非課税制度が設けられておりまして、みどり税も非課税となっております。
最後に、企業の土地の買い取りはやめるべきというお話でございますが、本市では総合的なまちづくりの観点から、みずとみどりの基本計画や都市計画、マスタープランなどを策定しております。開発に対しましてもこのような総合的な方針との整合性を図るとともに、さまざまな制度も活用しながら、適切な土地利用を誘導してまいります。
以上、ご質問にお答え申し上げました。
古谷議員:次に、市第75号議案「横浜市動物園条例の一部改正」についてです。
本議案で出されている今回の動物園をはじめ図書館など高度に専門性・継続性が要求される分野については、指定管理期間があることや公募制では仕事の蓄積ができません。また、指定管理期間が定まっているため、有期雇用の労働者を雇い入れざるをえず、せっかく育てた人材でも5年で出て行ってしまうという事例があると聞いています。現行の指定管理制度の中でも、最長で30年と期間を当初の想定より大きく伸ばしたり、また今回のように公募をしないようにするなど対応はされていますが、この際小手先の対応だけでなく、現行の指定管理者制度のあり方を専門性・継続性が担保される方向で、抜本的に見直す必要があると考えますが、市長に見解、伺います。
さらに、本議案については、非公募にはするものの指定期間はあるので、結局同じ問題が先送りになるだけであります。今回の議案の対応では不十分なので、動物園については直営にすべきと思いますが、どうか伺って一回目の質問を終えます。
林市長:市第75号議案についてご質問いただきました。
指定管理者制度を見直すべきとのご意見ですが、特に高度な専門性が求められる施設では優れた人材を確保し、育成していくことが重要です。このため、これまでも指定期間を長期間の指定とするなど、各施設の特性に応じて適切に対応しています。今後も引き続きよりよいサービスが継続的に市民のみなさまに提供されるよう、円滑な制度の運用に努めてまいります。
動物園は直営に戻すべきとのことですが、本市動物園は指定管理者の創意工夫による各種イベントの実施等による利用者サービスの向上や経営努力による経費削減など、民間の能力を活用した指定管理者制度により、効果的、本質的な運営をしています。動物園は専門性が高い施設であり、飼育技術の継承や飼育の継続性、安定性を確保することが重要であり、指定期間や選定方法の工夫などにより、対応しています。なお、国の動向を踏まえ、よりよい管理運営方法について検討してまいります。
以上、古谷議員のご質問にご答弁申し上げました。
(2013.10.9)
先の東日本大震災の際にも、本市も、東京電力一社にエネルギーを過剰に依存していたために、計画停電など大きな市民生活における制約を受けました。今後起こりうる大規模災害が発災した際に、電力の危機管理について創エネを統括する統括本部長の見解を伺います。
浜野温暖化対策統括本部長:災害時の、いわゆる非常時ですね、ここで最低限の事業活動や市民生活の継続を図る、先ほども申し上げましたBLCP対応、このために、系統電力を自立分散型のエネルギー供給システム、これを両立させる、そういうことで再生可能エネルギーの導入を進めていく、そういうことが必要だろうと思っております。なお、平常時においても、従来の電力供給システムのもとでは、火力発電の比率が高まることによる温室効果ガスの増加や、あるいは電気料金の引き上げによる市民生活や地域経済の影響など、さまざまな課題がございます。あわせて解決すべき重要な事項と考えています。
古谷議員:いま、全国各地でエネルギーの地産地消という考え方でいろいろ進められています。本市も、エネルギーの危機管理からも、そういった視点、進めるべきと思いますが。どうか伺います。
浜野温暖化対策統括本部長:エネルギーの地産地消ですが、再生可能エネルギーなどを活用するということでございますが、温暖化対策やBLCP対応に有効であり、地域における自立分散型のエネルギー対策として重要な視点であるというふうに考えます。しかし、電力需要の大きい大都市地域においては、系統電力を活用しつつ、自立分散型エネルギー供給システムを相互に有効に活用するということが望ましいと考えております。
古谷議員:だからこそ、工夫が必要だというふうに思うんです。創エネが、いま温暖化対策の実行計画の目標どおりいま進んでいないという状況があるんですが、その理由について伺います。
浜野温暖化対策統括本部長:厳しい進捗状況というふうに受け止めております。一方で、3・11以降の本市の住宅用太陽光発電システムの補助金の申し込みや普及状況でございますが、国の固定価格買取制度と相まって非常に大きな伸びを示すなど、市民のみなさまの関心も高まっているというように感じております。こうした動向を的確に捉え、市民のみなさまの普及啓発に努めていきたいというふうに思っております。
古谷議員:その厳しい進捗状況を、どう打開されようとしているのか、伺います。
浜野温暖化対策統括本部長:補助金を続けるという考え方もあるかもしれませんが、やはり市民の方への普及啓発、非常にその有効なんだということをいろいろな資料を使ってご説明し、ご理解を得ていくということが重要だというように思っております。
古谷議員:この問題で、市長がよくPDCAのサイクル回していくんだと、よく言われます。このための創エネのための具体化のプラン、実行計画、ありますか。
浜野温暖化対策統括本部長:いま、先ほどもご質問いただいております、HEMSであるとか、BEMSとか、いろいろなエネルギー管理システムというのをやって、補助をして進めておるわけですが、こういった事例をもとに、どういう点が有効であり、どういう点が改善すべき点かというようなことを今後考えていく必要があるというふうに思っております。
古谷議員:実行計画、あるかないか、聞いたんですが。
浜野温暖化対策統括本部長:実行計画については、いま環境創造審議会の部会でご議論いただいておりまして、その中で一定の考え方が出されるかというふうに思っております。
古谷議員:何年、ご議論いただいているんでしょうか。
浜野温暖化対策統括本部長:今年、今年度に始まった部会でございます。
古谷議員:これはぜひ市長に対して進言もしてほしいというふうに思っているんです。この計画はもっと本市の施策の中心になるようにというように、ぜひ統括本部長からも進言していただきたいというふうに思います。どうか伺います。
浜野温暖化対策統括本部長:この部会への諮問・答申というかたちでお諮りしているものでございます。
古谷議員:いまの答弁では、本当に熱意が感じられないというふうに指摘しておきます。
具体的に聞きます。一昨年と比較して昨年度に行った創エネ推進のための施策、そのためのそれによる効果はどうだったか、伺います。
浜野温暖化対策統括本部長:住宅用太陽光、それから太陽熱利用システムの補助を行っているわけですが、特に太陽光システムは23年度に約3400件、24年度に3700件と、3・11以前と比較して大幅に補助件数が増加しております。また、24年度に家庭用燃料電池に対する補助制度も作ったわけでございますが、約500件の補助実績をあげました。また、本市施設でも、引き続き太陽光発電や廃棄物発電を行うとともに、23年度に水道局においても小水力発電を開始しております。
古谷議員:メニューを述べられたんですが、本当にメニューが少ないというふうに思います。
では、それを踏まえて、昨年度と比較して今年度新たな施策として何をされたか、伺います。
浜野温暖化対策統括本部長:今年度は、昨年度の補助制度を引き続き拡充するかたちのものもございますが、やっております。HEMS等でやっております。それから、啓発事業ですね、そういうものについてもいろいろな機会を昨年以上に取り組んで進めておるところでございます。
古谷議員:昨年以上にどう進めたのか、伺います。
浜野温暖化対策統括本部長:たとえば、HEMSの例で言いますと、各家庭の普及ということになるわけでございますけれども、だんだんそれがいろんな民間の業者の理解も得て、新築物件では標準装備といったようなかたちで進行していますし、その際に進めて、たとえば集合住宅などで創エネ設備の導入といったようなことも働きかけて、徐々に実際の事例が出てきているという状況でございます。
古谷議員:温暖化の計画の中には、戸建て住宅50%ということで、太陽光パネルを設置するという非常に高い目標を掲げておられます。先ほどから聞いているとおり、非常に具体化に欠けるというふうに思っております。先ほどいまHEMSの話をされていたんですが、ぜひ新築住宅の建築の際に、創エネの設備を導入させるようなインセンティブ、ぜひ、これは検討すべきというふうに思いますが、どうか伺います。
浜野温暖化対策統括本部長:先ほど言いましたように、要するに補助金の制度だけでもなかなか進捗しないということも一方で感じておりまして、要するに市民の方のいろんな相談に応じていくと、本当に自分の屋根に太陽光がつけられるかのどうか、つけられる場合どういう問題があるのかといったような個々具体の事例に応じていくというような観点も重要かなというふうに思っておりまして、そういう意味でいろいろ関係部局とも連携してやっていきたいと思っております。なお、今年度、既存住宅の環境性能や利便性の向上など住宅の価値を高める改修、既存住宅の改修ですね、これを行うエコリノベーションという企画提案を実施しておりまして、2つの事例が決まってきております。こういう事例を使って、鋭意いっそう普及啓発に努めていきたいというふうに思っております。
古谷議員:同じように、集合住宅の30%に太陽光パネルを設置するという目標を掲げられておりますが、創エネ設備、これもまた導入させるようなインセンティブ、ぜひ検討すべきと思いますが、どうか伺います。
浜野温暖化対策統括本部長:集合住宅は新規の中で6割以上の世帯の方がお住まいでございます。先ほど言いましたように、既存住宅の改修、これによってより断熱性の高い住宅を作っていく、合わせて創エネ設備を導入していくということで、先ほど言いましたエコリノベーションの企画提案をやってきております。
古谷議員:では、今年度、その戸建ての住宅、あるいは集合住宅、その施策によってどこまでのパーセントまでいこうというふうに考えていますか。
浜野温暖化対策統括本部長:いまの実行計画ございますけれども、具体的な目標ということで掲げているということではなくて、この事例をまず検証すると、やって検証するということでございます。
古谷議員:では、50%、30%という目標はもうやらないということなんでしょうか。
浜野温暖化対策統括本部長:その達成に向けてがんばっているということでございます。
古谷議員:非常にがんばりがやっぱり見えないと、具体的にされてないというところが非常に大きな欠点だというふうに指摘しておきます。
あと、民間に求めるだけではなくて、本市施設にも積極的に創エネの設備導入してほしいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
浜野温暖化対策統括本部長:先ほども言いましたけど、いろんな水道局ほか資源循環局等の施設でやっております。ご存知のとおり、学校や庁舎の屋上で太陽光発電もやっておりますし、再生可能エネルギーの導入に努めてきております。このところ、投資改修効率あるいは耐震性の確保、あるいは施設運営上の安全確保などのかかえる課題を緩和しつつ、施設整備の改修、タイミングを捉えて創エネ設備の導入等の検討を行ってきたと思っております。
古谷議員:ぜひこの問題は、まだアクションプラン作られていないことが最大の問題だというふうに言っておきますので、ぜひ具体化を厳選にやっていただきたいと思います。
注:BLCP:Business and Living Continuity Plan、業務・生活継続計画
HEMS:home energy management system、家庭内エネルギー管理システム
BEMS:Building Energy Management System、ビル管理システム
次に、下水汚泥焼却灰の保管について伺います。
日々発生する下水汚泥を完全リサイクルをされていた本市のシステムって、本当に素晴らしい仕組みだったと、他都市に誇るべき仕組みだったというふうに思っております。しかし、そのリサイクルの輪が途切れてしまいました。その原因は、下水汚泥焼却灰に放射性物質が混入しているためですが、その原因者は誰か伺います。
荻島環境創造局長:よろしくお願いします。東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故が原因でございますので、この放射性物質が下水汚泥焼却灰に含まれるようになった、これが原因だというふうに思います。
古谷議員:その原因者である東電には、もう断固とした態度で挑んでいただきたいというふうに思います。本市環境創造局として東電に請求した金額とそのうちの未払い金はいくらか、伺います。
荻島環境創造局長:年度に分けて申し上げます。平成23年度の請求額が、5億2100万余円、それから同じく請求額、平成24年が13億2600万余円、入金が23年度に6400万円ほどございます。従いまして、未収額は平成23年度が4億5700余円、平成24年度はまだ入金がございませんので、請求額の13億2600余円が未収になってございます。
古谷議員:原因者である東電には、未払金の延滞金、請求すべきだと思いますが、どうか伺います。
荻島環境創造局長:東京電力は下水道事業に対する賠償基準に基づきまして、賠償を行うということにしております。未払分につきましては、引き続き放射線対策にかかる損害額の全額が速やかに賠償されるように、強く求めてまいります。また、損害賠償における遅延損害金につきましては、東京電力の賠償基準では示されておりませんが、法などに照らしまして、対処してまいりたいと思います。
古谷議員:ぜひ、断固とした態度、取っていただきたいと思います。仮に支払いが遅れ続けるとなった時には、東電に対して賠償の請求について法的措置も含めた断固とした態度をとっていただきたいというふうに思いますが、どうでしょうか。
荻島環境創造局長:東京電力より支払いが行われない場合は、他都市との情報交換・連携を図るとともに、国に対して必要に応じて働きかけを行いながら、法的対応なども含めたさまざまな対応方法について検討進める必要があるというふうに考えております。
古谷議員:今の電力料金の仕組みだと、総括原価方式で、本市が請求しても賠償されても、価格に転嫁をされてしまいます。これについて局長の見解、伺います。
荻島環境創造局長:まさにその通りでございます。まずは、私どもは先ほど申し上げましたように、第一原因者の東電にきちんと請求するのが第一だと思っております。従いまして、東京電力に速やかに私どもには損害額の全額を賠償するよう強く求めていただく。そのために国にもきちんと働きかけて、場合によっては法的措置も考えてやっていく。まずは第一は、原因者から取るというのが第一われわれの務めだと思っています。
古谷議員:実際、総括原価方式だと、まわりまわって横浜市民に負担がかかるようという理不尽な仕組みです。ですから、これ国に対して、総括原価方式の見直しをするように求めることと、あと東電の資産を切り崩してでも請求に応じるように、国に対して要望するべきだと思いますが、どうか伺います。
荻島環境創造局長:私どもは、いま申しましたように、まずは第一原因者の東電に早く請求、支払いしていただくように請求するということと、いまいろいろ努力しています現在の状況、なるべく早く解決するように努める、この2点にがんばっていきたいと思っております。
古谷議員:ぜひ断固とした態度をとっていただきたいというふうに思います。
下水汚泥の放射線濃度は雨の日に高くなる
いま、本市の下水汚泥焼却灰の放射線濃度について、西日本などの濃度で比較して、本市の現状、いまどうなっているんでしょうか。伺います。
小浜下水道施設部長:9月末現在の放射性物質濃度は、北部汚泥資源化センターで、1キログラムあたり690ベクレル、南部で590ベクレルとなっております。西日本の状況に比べて高い状況になっております。
古谷議員:どの程度高いか伺います。
荻島環境創造局長:いま、手持ちのデータございませんので、あとでご報告いたします。
古谷議員:そしたらどうやってその高いということを示されたんでしょうか。
荻島環境創造局長:もともと原発当時のデータを見ると、西日本のデータが非常に低い値ということでございますので、それを根拠に申し上げました。
古谷議員:ですから、その数値をお願いしますということです。
荻島環境創造局長:その当時のデータですと、5から10というふうに聞いております。
古谷議員:ということは、その当時の数値からくらべても、いま100倍200倍という数値になるというふうに思います。
あと、本市の下水汚泥焼却灰の放射線濃度について、晴天の日と雨天の日で、濃度に違いはありますか。伺います。
荻島環境創造局長:あくまでも試算でございますけれども、晴天の時よりも雨天の時に集まってくる放射性物質の方が高いという傾向がございます。数字につきましては、中部水再生センターの最初沈殿池の汚泥で比較いたしますと、雨天時の放射性物質濃度が、これは濃縮したもので換算しておりますけれども、47.6に対して、晴天時は4.51という例がございます。
古谷議員:非常にいまも濃度がそれくらい違うということで、横浜市内からそういった放射性物質が集まってきているという状況だというふうに思います。
南本牧の最終処分場の陸上部分に、今回埋めてしまうという案について、大きなステークホルダーである港運協会、この提案に対して、どうおっしゃっているか、伺います。
荻島環境創造局長:港湾関係の関係者の方には、今回の内容のご説明をいたしました。今後、この内容について引き続き意見を交換するという状況でございます。
古谷議員:国ではいままで100ベクレル以下が安全だと言ってきたんです。それが、汚染対策特措法によって福島原発以後安全基準を緩和して、8000ベクレル以下の放射性汚染物の処理は、国から地方自治体に押し付けられたかたちになっています。本市が誇るべき横浜港、なぜそのリスクを負わなきゃならないのかというふうに思っています。本市は、今まで8000ベクレル以下の焼却灰もコンテナで保管してきました。だからこそ、市民に対しても国の受け売りで8000ベクレル以下は安全だというのではなく、本来の責任者である国と東電に対してその責任果たしてもらうように、さらに強く求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
荻島環境創造局長:先ほど申しました今回の問題の第一原因者は東電でございます。しかしながら、下水汚泥の焼却灰につきましては、現在の法律、先ほど特措法と申しました、特措法の中では自治体がきちんと処分するということになっておりますので、私どもとしては市民の今後の生活をきちんと守るために、いまの法の定め、それからわれわれの義務の中で、きちんと市民のみなさまですとか関係者の方々に安心していただくような方策をきちんとお話して、回答してまいりたい。安全基準、先ほど国の安全基準ありました、安全基準は安全で、従来も安全だということでご説明しておりますが、さらに安心していただくために、今回こういう対応策をご提案したところでございますので、引き続き安心していただけるように、意見を交わしながら、ご意見もいただきながら早急に解決するように進めてまいりたいと思います。
古谷議員:低レベル放射線の影響については、しきい値がないということが一般的に言われていますが、8000ベクレル以下の焼却灰を本市で処理していることが、本当に安全であるというふうに、局長、言い切れますか。
荻島環境創造局長:繰り返しになりますけれども、人体に与える低レベルの放射能の影響は、年間1ミリシーベルト以下というのが国際的な考えでございます。それにそって国の方で定められた基準、それが安全基準だと思っております。今回私どもが対応案としてお話したのは、国の基準が安全ではあるけれども、さらに安心ということで、今回の提案をさせていただいたということで、市民の方にご説明してまいりたいと思います。
古谷議員:続いて、緊急避難的にも、私は南本牧に埋めるべきではないというふうに考えております。緊急避難的にも、原因者である東電に対して、北部と南部の近隣施設に保管場所求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか?
荻島環境創造局長:従来からも東京電力の方にはそういう要望いたしました。ただ、個別には対応することができないというご返事をいただいておりますので、先ほど申しましたように、現在のわれわれの責務の中で対応するということで、検討してます。
古谷議員:この問題、市から、上から決まった提案を今回のようにするのではなくて、ぜひ住民参加型でこの問題、対応する必要があると思いますが、どうか伺います。
荻島環境創造局長:今回につきましても私どもはこういう考え方で対応したいということを示しているわけでございます。今後、先ほど申しました説明する中で、ご意見ですとかご提案をいただきながら、今後さらにどういうかたちで安心していただけるかということを求めながら、最終的に解決に臨みたいというふうに思っております。
古谷議員:この問題では、本市はあくまでも被害者です。原因者である東電や国と一緒になって市民を説得する側に回るんじゃなくて、それこそ、市民と協同して、この解決図るのが筋だというふうに申し上げて、質問を終えます。
(2013.10.9)
古谷議員:日本共産党、古谷やすひこです。放課後施策について伺ってまいります。
小学校入学とともに保護者が仕事を辞めざるを得ない、いわゆる『小一の壁』、これは取り除く施策をぜひ進めるべきだと思いますが、局長の見解、伺います。
鯉渕こども青少年局長:小学校就学後の学齢期や子どもが生きる力を育み、調和のとれた発達を図る重要な時期です。小一の壁の打開に向けて、できるだけの対策をとってまいりたいというふうに考えております。
古谷議員:今回、子ども・子育て事業計画案では、放課後事業の量の見込み、2万4,000人とされていますが、これで小一の壁は打開できると思っていますか。
鯉渕こども青少年局長:子ども・子育て支援事業計画案で算定しております放課後児童健全育成事業の量の見込みは、25年度に未就学および小学生の保護者に実施した利用ニーズ把握のための調査の結果に基づいております。なお、未就学期と異なり、小学就学後は、習い事や塾等に通ったり、友人同士で過ごすなど、子どもと保護者の選択により、さまざまな放課後の過ごし方があることが、保育所の利用者に比べると少なくみえる理由のひとつではないかというふうに考えております。
古谷議員:今議会の白井議員の質疑の中で、キッズクラブが17時以降の平均10人しか受け入れていないということについて、市長は「児童が高学年になると習い事をしたりひとりで留守番ができたりすることから、利用頻度が減少する傾向にある」と回答されています。これは実態調査をされた結果なのかどうか、伺います。
鯉渕こども青少年局長:ただいま申し上げたとおり、25年度に実施した子ども・子育て支援事業計画の策定に向けた利用ニーズ把握のための調査において、放課後事業を利用していない小学生の保護者の方に放課後の過ごし方を確認したところ、習い事や学習塾、放課後短時間なら子どもだけで過ごしても大丈夫、祖父母宅や知人・友人宅で過ごせるというような結論が出ております。そうした過ごし方も一定程度あるということで、こうしたニーズが2万4,000という数字になっております。
古谷議員:1年生のキッズの登録数が7,499人と聞いています。17時以降の受け入れが559人ということですから、つまり7,000人近い1年生が17時以降、どういう状況になっているのかというのは把握されていますか。
鯉渕こども青少年局長:何らかのかたちでご自宅にいらっしゃる、または塾等に出かけている、そういったことではないかというふうに思っております。
古谷議員:把握されていないということだと思うんですが。
キッズを全校展開するのであれば、本当に留守家庭対策として機能しているのかどうか検証することが必要だと思います。キッズの登録児童がいま2万6,873人います。17時以降になると、約2万6,000人が帰ってしまう。つまり、97%が17時以降には利用していないということですから、何らかの分析であったり、あ
るいはニーズ調査、これ必要だと思いますが、どうでしょうか。
鯉渕こども青少年局長:現在の計画を立てる上にあたり、ニーズ調査はしております。
古谷議員:細かな実態はつかんでらっしゃらないというふうに思います。
キッズクラブについて、もうひとつ問題があります。全校展開するというのであれば、障害児の対応というのは、これはもう必須だと考えます。個別支援学級に入っている児童だけもいま3,845人います。キッズクラブに登録している障害児数は665人。17時以降の登録数は58人と、がくっと減ってしまいます。この原因について伺います。
鯉渕こども青少年局長:放課後キッズクラブの利用は、障害児を含むすべての子どもの利用状況として、25年度実績では1か所一人あたり平均参加児童数57.4人なんですが、17時以降になりますと平均参加児童数は10.3人となっております。17時以降の利用児童が昼間に比べて少ないという傾向は、障害児のみにみられる傾向ではなく、全般的な傾向となっております。
古谷議員:これは、ぜひ実態つかんでいただきたいと思うんです。キッズの全校展開にあたっては、障害児の受け入れもいま以上の充実強化、必ず必要だと思いますが、いかがでしょうか。
鯉渕こども青少年局長:障害児のいまの動向として、増えている、増加傾向にございまして、すべての対応の中で、障害児の受け入れは推進していく必要があると考えております。
古谷議員:キッズクラブの運営指針の中には人材の確保と養成というふうにありますが、この問題についての課題、どう認識されていますか。
鯉渕こども青少年局長:現在は、新制度への移行の時期でございますので、有資格のある方、研修等でも資格を取ることができるようなかたちになっておりますが、そうした人の確保が重要ではないかというふうに考えております。
古谷議員:キッズが本当に、真に留守家庭児童の放課後の生活の場所となれるように、改めて対策を求めます。
古谷議員:次に、放課後児童クラブ、いわゆる学童クラブについて伺います。法制化されて基準ができたことは本当に大歓迎します。しかし、それだけでは学童クラブを運営する側にとっては負担が増えるだけというふうになります。面積基準や耐震性の問題で、移転したりあるいは分割しなければならないクラブはどのくらいあって、今後どのように解消しようとしているのか、伺います。
鯉渕こども青少年局長:25年夏に実施した施設実態調査をもとに、その後の状況調査をしておりますが、対象児童を6年生までで算定いたしますと、面積基準を満たしていないクラブは91、それから旧耐震の建物または建築年がわからない耐震化不明のクラブが83ございます。両方とも重複してクラブが36ございますので、合わせて138か所が分割移転が必要というふうに考えています。
古谷議員:今後、どのように解消されようと思っていますか。
鯉渕こども青少年局長:現在も分割移転につきましては整備助成をしておりますが、区と局とが一体になりまして、そうした対応をしてまいりたいというふうに考えております。
古谷議員:いまの制度でなかなか解消できていないというふうに思うんですが、そこ、なぜ進んでいないと思いますか。
鯉渕こども青少年局長:面積を満たす場所を見出すということも必要なことでございますし、さらに放課後児童クラブとなりますと子どもたちが元気ですから、そうしたことを受け入れていただける周辺というんでしょうか、そういったことも重要ではないかというふうに考えております。
古谷議員:自助努力ではどうにもならない学童クラブもあるというふうに思います。それに対して、行政としての支援も必ず必要だと思いますが、どうでしょうか。
鯉渕こども青少年局長:現在、物件の確保策といたしまして、不動産関係団体と協力して物件情報を市ホームページ上で公開するとともに、新聞広告等も活用して空き物件の募集情報掲載なども行ってきておりますが、今後地域情報に詳しい区とともに、関係局と協力しながら、物件の確保に努めてまいりたいと考えております。
古谷議員:実際、学童の現場で、いまのキッズの全校展開の問題、あるいは金銭的な問題、あるいは指導員の確保の問題、こういった問題で、なかなか分割移転に踏み切れないというのが現場の状況だというふうに思っています。もっと踏み込んだ支援を、ぜひ現場に近い区役所にもしっかり担当者をおいて、増員して対応すべきだと思いますが、どうでしょうか。
鯉渕こども青少年局長:おっしゃる趣旨もわかりますので、保育所待機児童対策のノウハウなども生かしながら、地域情報が得やすい区と協力してまいりたいというふうに考えております。
古谷議員:キッズの利用料金5,000円と比べると、いまだいたい学童クラブは約3倍の利用料金が必要です。同じ放課後児童対策であるのに、あまりにも格差が大きく、これは是正するなり、市の助成金を増やすなり、何らかの対応が必要だと思いますがどうでしょうか。
鯉渕こども青少年局長:放課後キッズクラブは保護者の就労にかかわらず、すべての子どもたちの遊びの場としての役割がございます。その役割である17時まで時間帯につきまして、国の考え方として、実費を除き利用者負担を求めないということになっております。一方、放課後児童クラブは留守家庭の子どものための事業でして、国の補助金交付上の考えとしても、運営費の2分の1は保護者負担ということが示されております。こうした考え方をもとに利用者負担が設定されております結果ということでございます。
古谷議員:ひとり親であるとか多子減免、いまはそれぞれの学童クラブで自主努力の範疇でやっていますが、本来は、市民税非課税と同様に公的減免とするべきだと思いますが、どうでしょうか。
鯉渕こども青少年局長:ひとり親家庭、多子減免につきましては、いま今回の放課後事業につきましては新しい制度の中で動きがあるタイミングでございます。国の動向をみながら検討してまいりたいと思います。
古谷議員:これから、先ほど述べられておる138か所の学童クラブの分割移転をするためには、指導員の確保をしなければならないとしたときに、現状の指導員の処遇、必ず改善することは待ったなしの課題だと思いますが、どうでしょうか。
鯉渕こども青少年局長:現在でも、本市は国の補助基準額を上回る運営補助をしております。今後の助成の内容につきましては、消費税が10%になるという前提での国の方の検討内容でございますが、新制度移行の中で、処遇改善的な質の改善を検討するということになっております。そうした動向を見極めてまいりたいと考えております。
古谷議員:キッズクラブがさらに質を高めることと、学童クラブが法制化されたことで、今まで学童が要望し続けてきた一歩踏み込んだ公的支援、ぜひ行うことを、本市の留守家庭児童対策を先進的なものに、ぜひ、していただくよう要望して、質問を終えます。
(2013.10.7)
古谷議員:古谷やすひこです。消防団で質問させていただきたいと思います。
日本共産党を代表して、消防団に限って質問をしたいと思います。
私自身、鶴見の消防団第九分団の団員として、厳しいスケジュールの訓練に参加させていただいて、先日行われた小型ポンプ操法の鶴見区の大会にも選手として出場させていただきました。成績をいうのは差し控えますが、練習一つするにも本当に一人ではできないですし、みなさん仕事が終わってから夜に集まって、練習のための準備をしてくれ支えてくれいただきました。また、最寄りの消防署長も毎回練習に参加していただいて、指導をいただきました。本当に自分たちのまちを守ろうと頑張っていらっしゃる団の仲間の方と一緒になって、私自身本当に得難い経験をさせていただいているというふうに思っています。そういう頑張っている消防団員の方々を全面的に支えるという立場で、順次質問していきます。局長、この質問、ぜひ消防団員の方にみなさん見せますので、ぜひ誠実にご回答いただきたいというふうに思います。
まず、被服の問題です。被服の問題、必ずこの消防団の質問の際には出てくるんですが、今回は夏に使用する半袖活動服について伺います。半袖の活動服っていうは、貸与が開始して以来3年が経過しているんですが、いまだに全員にはいきわたっていません。私自身ももらっていません。その結果、この9月の行われた私の地元の地域の防災訓練で何が起こったかというと、集まった消防団員は半分は古いグレーの活動服、半分は新しいブルーの活動服で整列をしておりました。日頃から、規律正しくと活動をすることを訓練し、また周りからも求められる伝統ある横浜の消防団が、制服がそろっていないという現状について、局長の所感、まず伺います。
荒井消防局長:ただいまご指摘の半袖の作業服、活動服が十分整備されてないということにつきましては、重々承知しております。新しい制服を導入する際もいろいろ頭を悩ましながら検討した経緯がございまして、いかんせんいろいろ制約がございますものですから、私どもとしましても、何通りかの方法をもって整備しようということでやっております。既存の被服とは違いまして新しい服ですから、それなりの別枠の予算を確保する、それから新入団員にはきちんとこれは配付していく、それから既存の被服の更新の際に使用するポイント、こういったものも合わせて実施していく、いわゆる3通りの手法で合わせながら、できるだけ早く更新をしていこうということで、団長会も含めてそういう結論に達したもので、いまやっているところでございまして、もう少しで整備が完了するのではないかというふうに思っております。
古谷議員:じゃあ、私のところにも届くかと思いますが。そもそも、半袖活動服を導入しよういうふうに決めたわけですから、導入の際にやっぱりポイント制ではなくて、速やかに全員に支給するということが当たり前だったんだと思いますが、なぜそうしなかったのか伺います。
荒井消防局長:先ほども申し上げましたように、一括で購入するにはいろいろ予算上制約等ございまして、こういうかたちをとったということものでございます。
古谷議員:そうすると、もう今衣替えしておりますから、半袖は扱っていないのですが、少なくとも来年の夏までは全員が同じ活動服を着て活動すべきだというふうに思いますが、局長もういちどお願いします。
荒井消防局長:なんとかそういう状態を実現するようにがんばってまいります。
古谷議員:ぜひしっかりと予算措置をしていただきたいというふうに思います。
続いて、大規模災害時に、消防団の消防力に対する期待というところが非常に大きいというふうに思いますが、先ほど器具置き場の話があったんですが、今どの消防団の器具置き場も老朽化しているというのが非常に目につきます。まず、器具置き場の設置は誰の責任でというふうに整備するのかということ、まず伺います。
荒井消防局長:見直しを行った結果、現在は横浜市が責任をもって整備するということになっております。
古谷議員:横浜市が責任をもって行うということですから、今よく団員の人から聞くのは、震災時に老朽化した器具置き場から資機材が出せないんじゃないかという声がよく聞きます。耐震化されていない器具置き場はどのくらいあるのか、伺います。
島田副局長:消防団置き場452棟ございますが、このうち昭和56年以前新耐震設計基準制定以降に建設されたものが298棟ございます。それ以前に建設されたものは154棟あります。従いまして私どもといたしましては昭和56年以降に建設された298棟につきましては、建物の建築確認をもって新耐震基準を満たしているものと考えております。
古谷議員:器具置き場の耐震化って非常に重要だと思うんです。それについて早急に進める必要があると思いますが、先ほど器具置き場の更新の予算でいうと、3棟ずつし更新しないよということだったんですが、局長の考え、もう一度伺います。
荒井消防局長:器具置き場、既存のものの耐震化についてでございますけども、19年度までは自治会町内会で整備したということがございまして、本市がその消防団施設として今は借り上げている状態でございます。その借り上げの取り組みの中で、本旨が行う施設の維持管理につきましては、小規模な修理や大急修理というふうに限定しておりまして、大規模な耐震改修は所有者にやっていただくことというふうにしております。今後の対応としましては、できるだけ修繕ではなくて建替を推進してまいりたいというふうに思っておりますが、先ほどの答弁の中にもありましたように、実施できる棟数が限られておりますが、できるだけそれを早めに前倒しで出来ないかということで考えていきたいというふうに思っています。
古谷議員:旧耐震が154棟あって、先ほど民有地で立退き等がせまられているのが32棟もあるわけなんです。毎年の予算は3棟ずつしかついていないということですから、これでは全く間尺に合わないというふうに思いますが、至急、どういったいまの器具置き場の状況だがどういった状況にあって、どうやって更新すべきだというアクションプランつくるべきだと思いますが、局長いかがでしょうか。
荒井消防局長:それだけ必要とされる建て替え数があるというということもございまして、その辺の優先順位を決める必要もあると思います。そうったことから、全体的な掌握をした上で、考えてまいりたいというふうに思っています。
古谷議員:消防団に期待するというお答えを聞くんですが、それに伴う実際予算を実際つけていただきたいというふうに思います。
続いて、消防団の車両について伺います。その更新の考え方について、まず伺います。
荒井消防局長:消防団の車両は概ね15年を経過して老朽化している車両の中から計画的に更新をして整備をしております。
古谷議員:年数は決まっていないんですか。
荒井消防局長:概ね15年を経ってからということで、15年がひとつの更新ルールの目安になっています。
古谷議員:ではそれに従って15年を経過した車両は何台あるのか、伺います。
島田副局長:消防団に積載車は現在395台ありまして、配置から15年を超えている車両は195台ございます。
古谷議員:なぜ基準通り更新しないのか、局長お答えください。
荒井消防局長:15年超えたものからということでございますけれども、車両の維持管理を徹底しながら、その中で年数を超過した積載車の中で老朽化が激しいもの、こういったものをいま現在計画的に更新を整備しているというところでございます。
古谷議員:計画的にされていないので15年超えているのが190台以上あるということですから、ぜひこれはしっかり計画的にこれはやられないとまずいというふうに思います。ちなみに昨年度の予算では車両更新予算は何台分つけてらっしゃいますか。
島田副局長:4台でございます。
古谷議員:これでは何年かかるかわかりません。ですから、これは基準通りやるというのが当たり前だというふうに思うんです。ですから、むやみに先延ばしすることなく、基準通りきちんと更新していくべきではないかというふうに思いますが、局長、考え方お願いします。
荒井消防局長:現下の情勢を踏まえながらできるだけ早めに達成できるように頑張ってまいります。
古谷議員:ぜひ、これ消防団員がみてますから、ぜひしっかりとお答えいただきたいというふうに思います。
次に、団員の確保策について伺います。
東日本大震災では、本当に横浜市民にも大きな教訓を残しました。私自身もそうでしたが、大規模災害が起こった時に、何か自分にできることはないかと、あるいは自分も地域に貢献したいと思っていらっしゃる方、大変多いというふうに思います。消防団も、そういった思いを持たれている方の受け皿になりうるというふうに思います。そのための団員確保の広報は非常に大事だと思います。
しかし、いま出初式やあるいは操法大会などで本当にしつこいくらいアナウンスされているのは様子はみかけるんですが、そういういわば内部イベントではいくら告知をしても、効果は薄いというふうに思います。より広範な方々に効果的に呼び掛ける工夫が必要だというふうに思います。
前段で西消防署の団員の確保がうまくいっている経過いただきましたので、別に企業に対するインセンティブっていうのはもちろんわかっているんですが、それよりももっと企業に対して働きかけをしても、実際は入る団員は個人が入るわけですから、個人がもっと消防団員に入ろうというようなインセンティブを働かせることが必要だというふうに思うんです。
たとえば、団活動の中でさまざまな研修がされています。指導者になるという研修であるとかいろんな研修がありますが、そういったものに対して公的資格を付与したり、あるいは他都市ではヘルパーの研修を受講するという団もあるというふうに聞いています。そういうふうな個人のインセンティブ働かせる、こういったことは非常に魅力になりうると思うんですが、如何でしょうか。
荒井消防局長:消防団員の資格取得に関してはインセンティブについては確かに魅力あることだと思いますが、一定のいま実施していることを申しますと、一定の経験よりも防火管理者資格というのがありますので、そういったものになれること、あるいは応急手当指導員や防災ライセンスリーダーなどを取得する機会があるということを市民のみなさんに積極的にアピールする必要がこれからもあるのかなあというふうに思っています。
古谷議員:ぜひよろしくお願いいたします。
団員の定数を確保するためには、団と消防署が一体となって知恵も力も出して取り組むといったことが必要なんですが、具体的に数値目標などをあげて、本気になって取り組むべきだというふうに思いますが、局長いかがでしょうか。
荒井消防局長:横浜市の地震防災戦略では34年度までに消防団員の定員数を充足したいというふうに考えております。一方で24年度の消防団員確保検討委員会では、分団、班ごとに団員募集の目標人数を設定し、団員一人ひとりが自覚をもって消防団員確保
に取り組むということの提案もだされておりますので、こういた手法も取り入れながら、消防団・消防署が連携して確保に努めてまいりたいというふうに思っています。
古谷議員:それでは押し付けあっているように聞こえますので、ぜひ数値目標を決めて、署は何をする、あるいは団は何をするということをしっかり決めていただきたいというふうに思います。
次に伺います。団員の多くは、いま報酬のことなんですが、報酬の増を求めているわけではありません。しかし、他都市と比べて横浜市というのは著しく低い処遇だということは問題だというふうに思うんですが、その報酬に対する現状の評価とそしてなぜ改善しないのか、伺います。
荒井消防局長:20年度に近隣の政令市を参考に報酬の支給を開始しましたが、当時の年額報酬につきましては確かに国の基準や他の政令市の平均額と比べると低いものでした。そこで、段階的に3回の引き上げを行いまして、今年度の報酬額改定によって、国の基準の8割程度まで改善をしております。年額報酬の引き上げについては今後とも関係部局との調整をしてまいります。また、年額の報酬につきましては、消防団を適切に運営していくという観点からもぜひ、真剣に考える必要があるということで、効率上の面からも検討進めてまいりたいというふうに思っています。
古谷議員:被服の問題にせよ、器具置き場にせよ、車両にせよ、報酬にせよ、いずれも消防団に関する予算の枠で本当に規定されているために、必要な予算が取れていないというふうに思います。これから消防団に期待して様々な役割を課すとあるいはお願いするというのであれば、それに見合った処遇をすべきだし予算をつけるべきだというふうに思います。局としても、その枠、広げる必要があると思いますが、局長、考え伺います。
荒井消防局長:必要な予算の確保につきましては、消防団活動を適切に推進していくため、各事業の優先度を勘案しながら、取り組んでまいります。
古谷議員:がんばろうとしている消防団員の思いをしっかりサポートして、応援していただきたいですし、局として担っている責任、ぜひ果たしていただきたいというふうに思います。以上です。
(2013.10.3)
古谷議員:日本共産党を代表して、質問いたします。
5月の第二回定例議会に続き、本市の待機児童対策の弊害について順次質問をしてまいります。
市長は、5月25日の記者会見の中で、「民間が営利中心になることは決してありません。保育の収入に関しては保育にきちんと投資して使ってくださいという考え方です」と述べておられています。私は、本市の保育施策で民間の力を全面的に否定するものではありません。しかし、市長がおっしゃる通りになっていないことについて、順次伺います。
保育園の運営費について、本市の運営費要綱によれば、当年分の運営費の3か月以内であれば、弾力運用と称して決算前の事前協議の対象から外れます。例として、日本保育サービスでは2010年度2011年度で市内にある園が弾力運用として計上した総額とその使途について、まず局長、お答えください。
鯉渕こども青少年局長:日本保育サービスの収支決算上の経理区分繰入金支出のうち、運営費の弾力運用分の合計額ですが、22年度は約1億1600万、23年度は約1億4700万です。なお、24年度分につきましては、今後監査を予定しているため、現在資料収集中であり、現時点では総額を把握しておりません。
使途については、弾力運用で認められております同一法人が設置する他の保育所に係る費用であることを確認しております。
古谷議員:確認しておりますというのは多分監査で確認しているということであろうと思うんですが、監査をするなんてことはもちろん当たり前のことなんです。しかも、監査は毎年行われているものではありません。監査に加えて公金を目的外使用する場合には事前協議を普通しているが普通じゃないのでしょうか。この弾力運用分だけ、なぜ事前協議から外しているのか、伺います。
鯉渕こども青少年局長:弾力運用につきましては、事前協議をするものと不要とされているものがございまして、その国の方の取り扱いにそってこの取り扱いはしております。
古谷議員:では伺いますが、ここの日本保育サービスの弾力運用分がこういう使途で使われているということが、その裏付け資料も含めて、市民に対して示すことができるような仕組みが今あるでしょうか。
鯉渕こども青少年局長:監査で内容を確認しておりますので、また監査結果については本市として公表しております。また、情報公開を求められればその監査数字というものを出すことが出来るかと思います。
古谷議員:市長、結局一園当たりの運営費の3か月分以内の金額であれば、決算書の中で弾力運用分というふうに書けば、計上すれば、今は何も使途が問われないという状況になっています。その額が、さっきの法人全体でいうと毎年1億数千万円の莫大な金額になっています。使われているのは実際公金ですから、弾力運用についても事前協議の対象として、使途も内訳もしっかり示すなどして、きちんと透明性を図るべきだと思いますが、なぜやらないのか、市長の考えを伺います。
林市長:保育所運営費は一定の要件を満たしている場合、同一法人が設置する他の保育所整備費用について弾力運用が認められています。前期別支払い資金残高の取り崩しと積立金の目的外使用による弾力運用は事前協議が必要です。しかし、運営費の3か月以内であれば事前協議を行わないで保育所整備費用に当てることが出来ます。事前協議の有無にかかわらず、弾力運用した保育所運営費については指導監査において施設会計の決算資料を確認しています。不適切な処理があった場合には是正を求め、適正な保育所運営費に含めるように指導しています。
古谷議員:監査がやるのは当たり前だということと、透明性を図るために、事前協議の対象に、改めてやるべきだというふうに主張しておきます。
あと、法人の本社の税金を傘下の保育園が分担して支払っているケースも見受けられます。株式会社こどもの森では、法人本社の法人税を各園の運営費等から按分して支払っています。その額は1園当たり7000万円前後の運営費の中から2割を超える額が出されています。本来、子どものために使われるべき保育運営費が、本社の法人税などに使われてしまうことは、いくら合法とはいえ、明確な運営費の目的外支出ではないかと思われます。到底、市民理解が得られるはずがないと思いますが、市長の見解、伺います。
林市長:株式会社など営利法人立の保育所の場合は運営法人に対して法人税等が課せられます。そのため、国の保育所運営費等の経理に関する通知や本市の要項等では保育所運営費の弾力運営により法人税等を含む租税効果にあてることが認められていますので、これは問題ないと考えます。
古谷議員:同じそのこどもの森の各園では、運営費の3か月以内という弾力運用枠をオーバーして、積立預金を取り崩してまで、オーバーした分を補てんしています。こんなことを常態化しています。その額は2010年度で6園で4960万円、2011年度で9園で4700万円。税負担のために将来の子どもたちの積立金が使われてしまっているという状況になっていますが、現行ルールの3か月以内という規定を守らないで、いわば帳尻合わせをして市が主導してやっている。これでは規定なんか意味がないというふうに思いますが、どうか伺います。
鯉渕こども青少年局長:保育所の運営につきましては、法人税法また厚生労働省からの指導通知のなかで運営されております。問題ないと考えております。
古谷議員:問題はないんですが、市が主導して問題のないようなかたちに帳尻合わせているというところに問題あるというふうに思っています。
株式会社子どもの森は、次々といま市内に園をつくっています。問題は、既設園の会計から多額のお金を上納させて、新たな園をつくる際の建設費にあてています。そうやって、法人としては傘下の施設を増やし続けている。事務取扱要領ではもちろん認められていることですが、結果として、市からの公金を使って民間会社が私の資産形成を行ってしまっているということについて、市長、これは市民理解が得られると思いますか?
林市長:繰り返しでございます。国の通知および本市の要項等において、一定の範囲内で保育所運営費の弾力運用により同一法人が運営する他の保育所の施設の整備費用に当てることを認めています。保育所の整備は児童の福祉に資するものであり、市民の理解は得られているものと私は考えています。
古谷議員:では伺います。仮に閉園するとなった場合には、どうやって資金を回収をするのか。そのためにも何らかの担保をする必要だと思いますが、市長の考え伺います
林市長:ただいまのご質問は、こども青少年局長に答弁させます。
鯉渕こども青少年局長:廃園になった場合にその資金を回収するという考え方に立ちました場合、事業譲渡するということが考えられます。
古谷議員:では伺いますが、株式会社サクセスアカデミーの件でききます。サクセスアカデミー系列の市内の保育園が、東京都内の保育園整備のために、いくら出したのか、2010年と2011年、それぞれ何園でいくらなのか、伺います。
鯉渕こども青少年局長:サクセスアカデミーが運営する市内認可保育所の運営費の弾力運用で、都内の新規保育所整備やった費用のうち、事前協議で承認した額といたしましては、22年では市内6園から約1億4000万円で対象となった園は4園でございます。23年度は、市内9園から約1億位8000万円でございまして、対象となった園は6園でございます。24年度は、市内8園から約1億2000万円で、対象は2園となっております。
古谷議員:市長、一般的な市民感覚からいうと、横浜の子どもたちのためにと出されている保育運営費の中から、公金が結果東京の認可保育園をつくるために使われてしまったということについて、横浜市民の理解が得られると思いますか。また、東京都民のために施設に市費を使っているということについて、市長は看過していいのでしょうか、伺います。
林市長:一定の要件を満たせば保育所運営費の弾力運用により、市内市外にかかわらず、新規保育所も含め施設の整備費用に当てることができます。こうしたことは事業展開において必要であるということ、そして本市内において新規保育所を整備する場合に他都市の保育所運営費が充当されるっていうことも考えられます。そして、保育所運営費は国費も含まれていることでございますから、問題がないと考えています。
古谷議員:市長、国基準に従っておりますという先ほどからのご回答は、私にはご自分の頭で考えるのはやめるというふうに聞こえます。市長ご自身が、東京の認可保育園をつくるために横浜市の公金が使われてしまっているということについて、市長の言葉でお答えください。
林市長:重ねて申し上げますけれども、こうした手法というのは事業展開にとって必要だと思いますし、この横浜市に新規保育所を整備する場合も逆に他都市の保育運営しが充当されるっていうこともあると私は思いますので、それは問題はないと考えます。
古谷議員:福岡市なんかでは、他自治体に運営費が使われてしまっていると確認された場合には、市の助成金をカットされています。これが当たり前の対応だというふうに思いますが、本市も同じように対応すべきだと思いますが、市長の考え、伺います。
林市長:本日、古谷先生のご意見は受けたまりましたけど、いまのところは問題はないと私は考えております。
古谷議員:今まで指摘してきたように、いまの仕組みでは、確かに株式会社の本部経費であるとか弾力運用の問題、こういったことがチェックしきれないという状況になっているんです。国の仕組みにこれは問題がそもそもあるというふうに思っています。私たちも、国会議員団等に要請をして、公金が正しく使われるようにしっかり働きかけていきたいというふうに思いますが、市長も市民の血税が最後までしっかりとチェックができない、あるいはきちんと納税している市民に対して申し訳が立たないというふうに、このままでは思いますが、改善すべきと思いますが、市長の考え、伺います。
林市長:古谷委員、先ほどお答えしたとおりでございますけれどもね、先生のご意見も私としてはきちっと受け止めます。ただ、いま現在の状況では、私はこれは許されることだというふうに思っております。
古谷議員:この際、大場筆頭副市長にも伺いたいと思います。今指摘してきたような問題点というのは、改善をぜひ市長に対して進言すべきじゃなかったのかというふうに思います。市長を支える行政のプロとして、見解を伺います。
大場副市長:市長がお答えしたとおり、問題がないということで確認をしております。
古谷議員:ぜひ、この公金の使途が透明化されないという問題については改めて追及していきたいというふうに思います。
次に、園庭の緩和をする代わりに、児童の足で5分以内に代替公園等があるということが要綱には規定されています。園庭の面積緩和をしているすべての園について、申請された代替公園と園との距離を調べていただきました。例えば、馬車道にあるアスク馬車道保育園では、代替公園は運河パーク公園というふうになっていますが、その歩く距離は560メートル。一般的に不動産屋さんが掲示する時間距離は1分80メートルから計算すれば7分かかります。ましてや「児童の足で5分以内」と規定しているにもかかわらず、これは明らかに超えている例だと思われますが、これは守らなくてもいい規定なのかどうか、伺います。
鯉渕こども青少年局長:保育所の設置に当たりましては、設置時点の基準を満たしているものを認可しております。アスク馬車道保育園が設置された当時は、代替公園につきましては保育所の付近にあることとされておりまして、明確な距離を定めておりました。現在、安全に配慮しながら、こうした公園、運河パークも利用しながら 、児童を連れて行って、屋外遊戯をやっております。
古谷議員:基準に合っていないということを改めて申し上げます。
本市の認可保育園の設置基準は、環境について非常にあいまいな表現でしかありません。そのために鉄道や道路の高架下など、いくら二重サッシなどで防音対策をしているとしても、結局騒音で窓も開けられないようなところにまで保育園を設置してしまっています。これでは保育環境として、最適といえません。
それに比べて、幼稚園の設置基準は、環境基準が極めて明確に示されています。例えば「騒音は窓を閉めて50デシベル以下、窓を開けても55デシベル以下」となっています。私も騒音計を持って、大きな国道が交差するところにある園やJR高架下の保育園で測らせてもらいましたが、窓を開けたり外の園庭では大体70~80デシベルでしたから、これだけでみても幼稚園の環境基準は満たしていません。そのほか、気温や換気、まぶしさなど、じつに細かく数値が示されています。市長、幼稚園も建てられないようなところに、幼稚園より長時間すごして、またより環境に配慮しなければならない乳児がいる保育園を立ててしまった。この際、幼稚園のような明確な環境基準を保育園の設置要綱にも定めるべきだと思いますが、市長の考え、伺います。
林市長:騒音に関する数値基準はありませんが、幼稚園と違いまして、保育園は基本的に空調設備がありますので、適宜窓を閉めて対応するなど、保育上は特に支障が認められず、運営上の問題はないと考えております。そして、建築基準法の中で、法令の中で、換気、採光、ホルムアルデヒドに関する基準が規定されておりまして、その基準は順守してまいります。これとは別に独自の基準を定める予定はございません。
古谷議員:ぜひ、子どもたちを守る立場で、ぜひ立っていただきたいというふうに思います。
本市認可保育園のすべての決算資料を2年分調査した結果、社会福祉法人立の保育園の人件費率は2010年度で71.9%、2011年度で70.7%、株式会社立の保育園の人件費率は2010年度で53.0%、2011年度で53.2%となり、総体的に見て、株式会社立は社会福祉法人立の保育園の6割程度しか人件費が使われていないということが明らかになりました。この弊害が具体的に表れているのが、経験年数のバランスの問題であります。
例えば、2010年度では株式会社日本保育サービスの14園で平均在職年月が1年から長くて2年9か月という短さです。さらに2年間で半分以上の保育士が移動してしまっています。主要な社会福祉法人ではこの在職年月の短さは考えられません。いま保育士が足りないといっても定着率がこんなに悪ければ、横浜市がいくら確保策を講じても、ざるで水をすくうようなものです。横浜の保育園で保育士さんにしっかり働き続けてもらい、認可保育園の保育の質を担保するために、経験年数の基準も定め、保育環境としても働く環境としてもしっかり市として定めるべきだと思いますが、市長の考えを伺います。
林市長:新設の保育所の職員配置については、円滑に園を運営するために、民間の移管園ほどではありませんけれども、認可保育所に進む経験者を一定程度配置し、バランスがとれた配置とすることを求められています。保育の質の向上のためには、保育士が長く働き、専門性を高めることが必要ですから、市としても保育士が長く働き続けられるよう、職員の処遇改善に努めてまいります。また、保育所独自の研修実施とともに、横浜市もまた保育士向けの研修等を行って保育の質の向上のための取り組みを実施しています。
古谷議員:実際、働き続けられていない現状がいまあります。そのなかを、ぜひ実態をみていただきたいというふうに思うんです。その上で、しっかりと対策を取っていただきたいというふうに要望して、質問を終えます。