2011年の議会活動

平成22年度決算特別委員会 決算第一特別委員会局別審査(教育委員会関係)

(2011.10.13)

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政令市中2番目に少ない児童1人あたりの教育予算を増やせ

古谷議員:日本共産党、古谷靖彦でございます。党を代表して質問いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、本市の教育費について伺います。
平成22年度決算では769億円という決算額でしたが、ここ5年で教育費の決算額はどのように推移していますか、伺います。

内田担当理事兼総務部長:過去5年間の決算額につきましては、平成18年度が781億円、19年度約771億円、20年度約793億円、21年度約899億円、22年度が769億円となっております。このように概ね800億弱で推移してございますが、21年度だけが899億と突出しておるのは、国の緊急経済対策によるものでございます。

古谷議員:ということで、5年をみればだいたい少しずつ若干減っているというふうにみているんですが。では、平成22年度決算額における児童1人あたりにかかっている費用について、全国の政令指定都市と比較して、本市はどのような位置にいますか、伺います。

内田担当理事兼総務部長:政令市が公表しております22年度の決算額と文部科学省の学校基本調査における児童生徒数を用いて比較してみますと、最も高いのが神戸市で約65万円、最も低いのが浜松市で約26万円となっております。横浜市は浜松市に次いで19市中下から2番目、約29万円となってございます。

古谷議員:全国的にみても限りなく低い水準ということと、一番上位の神戸市では65万円ですから、本市と比べて児童1人当たりにかけている費用、これは神戸市は2.4倍ということですから、非常に低いという水準だと思います。
毎年、教育費が少しずつ減っていき、その水準が全国の政令指定都市の中では最低水準だということについて、教育長の見解を伺います。

山田教育長:ただいまご質問ございましたように、本市の教育費、全政令市でみてかなり低いわけですけれども、それぞれの政令市によって違いがございまして、どういった経費を入れるとか入れないということ含めて違いがございまして単純に比較はできませんけれども、児童1人当たりの経費が低いと、そういった状況であるということは認識してございます。今後ともそういったことから教育環境の充実に努めていきたいというふうに考えております。

古谷議員:今回の決算特別委員会の総合審査の際に、林市長は「教育環境を整えていくのは非常に大事だと思う」「心豊かな教育ができるようにかじを切り直していきたいという気持ちが率直にある」と述べられております。
そこで、この市長の決意について、実質的に教育予算の編成に責任をもつ教育長の見解、伺います。

山田教育長:市長、この前そういったようなご答弁申し上げたわけですけれども、我々としてもこれから次年度以降の予算編成にかかわってくるわけですから、ぜひそういった言葉を私なりに大切にしながら、予算編成に取り組んでいきたいというふうに考えております。

古谷議員:しっかりとかじを切り直していただき、本市の一人ひとりの子どもたちが心豊かな教育を提供できるように、予算増をぜひ図るようにしていただきたいと要望しておきます。

 

プレハブ校舎解消のためにマンション建設を規制する仕組みづくりを

続いて、市内の小中学校における仮設校舎について伺います。
近年、横浜市の北部地域を中心に人口が増え、それに伴い児童もたいへん増えています。これによって仮設校舎、いわゆるプレハブ校舎が設置されていますが、市内の仮設校舎の設置状況について伺います。

伊奈施設部長:23年9月現在、46校に設置しております。

古谷議員:この現状について、私は解消した方が、していく方向の方がいいと思いますが、どういう対策をとられておりますか。

伊奈施設部長:現在、仮設校舎につきましては、将来の子どもの出現数等を勘案しながら検討をしているところでございます。

古谷議員:少し具体的にお聞きします。
私の出身の鶴見区は人口増の区で、中でも中小の工場が撤退して、その跡地にマンションが建ち始め、児童数もたいへん増えています。その中である小学校では既にプレハブ校舎を使っていて、昼休みの校庭の使用も学年で曜日によって交代で使っているといった状況です。それだけ、児童の人数に比べて校庭が狭いという、そのうえに、さらにその状態から近隣にはマンション計画がいくつも出ているといったところです。
そこで、マンション業者が建築申請を行う際に教育委員会も書類を求めていると聞いていますが、子どもの教育環境を整備する役割をもっている教育委員会として、 そういう中でどういう役割を果たすべきか、局長の見解を伺います。

山田教育長:教育委員会がどういったような対応を行うべきかというご質問でございますけども、教育委員会はそのマンションの建設にあたって、事前に何らかの調整を行う、あるいは指導を行うといったことは非常に難しく思っております。委員会としては、関係部署からの情報提供あるいは現地調査等によって、マンション建設等の開発に関する早期の情報収集に努めていきたいというふうに考えております。

古谷議員:ご答弁していただいたとおり、今の仕組みではなかなかできないというふうに私も認識をしております。業者から申請されて書類上問題なければ、学校の事情やまちづくりの問題とは関係なく、マンションは建ってしまいます。ここは教育委員会ですから、児童の教育環境を整備する役割を持っている、その役割しっかり果たせるように、本市として、東京の江東区などでは何らかそういったマンション規制なども行っているようですが、何らかそういった仕組みで、ハンドリングをするような仕組みが本市としても必要だと思いますが、副市長、見解伺います。

山田副市長:建築や開発の手続きを所管する建築局をはじめ、市全体の関係部局が連携して、早期にマンション計画に関する情報を把握・共有しております。これらの情報に基づいて、対応を図っております。

古谷議員:こういうさまざまな制度の中で、わりをくうのは子どもたちであってはならないというふうに思います。ぜひ、教育委員会主導して、そういう仕組みもつくっていただきたいと要望しておきます。

 

通学路、修学旅行、林間学校などでも子どもを放射能汚染から守れ

最後に、学校現場での放射線対策について伺います。
昨日、世田谷で毎時2.7マイクロシーベルトと非常に高い道路が見つかり、そこがしかもスクールゾーンであったということがわかりました。そして、本日のニュースでも、世田谷でさらに高い値が出たというようなニュースが流れております。そこで、本市の児童が通う通学路についても早急に安全を確保すべきだと思いますが、これは通告しておりません、見解を伺います。

山田教育長:現在、すでに本市のおよそ500校にわたる学校の校庭の空間線量は測定終わっておりまして、現在、今月中に終わることを目途に学校のマイクロスポットといわれるようなところの一応測定、確認を行っているところでございますけれども、通学路等については、それぞれその道路を所管している局あるいはその公園を所管している局、それぞれのところで通学路の近辺の測定している場合もございますので、そういったものを参考にしながら、児童生徒の放射線からの安全に努めていきたいというふうに考えおります。

古谷議員:はい。今朝に世田谷はたいへん混乱をしているようです。13日の朝、本日の朝は、教育委員会など区の職員が子どもたちの通学路を変更し、迂回させるなどの対応に追われたと、区民からは原因を究明してほしい、早めに対応してほしいといった電話が殺到していると、こういった要望も出ているようです。ですので、スクールゾーンの安全の確保は大変重要だと感じておりますので、ぜひ強く改めて要望しておきます。
先日、健康福祉局の答弁の中には、本市の放射線対策について「できるだけ内部被爆をさせないこと」が対策の基本であると伺いました。そこで、今、学校の敷地そのものは測定が進んでいるところだと、いま教育長の答弁からも伺いましたが、児童は学校以外での課外活動をする場合において、その安全性をどう確保されているのか、伺います。

山田教育長:児童生徒が校外活動等で学校の敷地外に出る場合、市外に出る場合市内の場合いろいろあろうかと思いますけれども、まず各地元の自治体が測定をした放射線量の情報、あるいは市立小中学校500校以上での、先ほど申し上げましたような放射線量の測定の結果、あるいは文部科学省による航空機のモニタリング測定結果などから、通常の校外学習には現在は支障はないというふうに考えております。

古谷議員:わかりました。教育委員会から小中学校へ出している通知、10月6日付けですかね、見たんですが、それによると、課外活動についてはずいぶん踏み込んだ書かれ方をしていて、ずいぶん保護者の方の不安の声に寄り添う内容となっているなあとたいへん評価をしております。
その中で、「民有地を活動場所とする場合に」「所有者に相談したり、あるいは他の場所に変更するなど、必要な措置をとる」と書かれてありますが、あるいはたとえば日光の修学旅行や赤城の林間学校などの安全を確保するために本市がとっている「必要な措置」というのは何でしょうか。改めてお聞きします。

山田教育長:いまお話ございましたたとえば日光への修学旅行、これについては日光市が測定をしておりますデータをホームページ上で確認をまずいたしておりまして、修学旅行に行くことについては支障がないというふうに考えております。なお、その修学旅行の中で土や地面に直接触れるような活動は想定をいたしておりません。
また、赤城の林間学園につきましては、実際に本市の職員も立ち会いまして、昭和村の職員が放射線量を測定いたしておりまして、問題のない数字となってございます。今後本市としても必要に応じて、活動場所の放射線量の測定はしてまいりたいというふうに考えています。

古谷議員:たいへんこういうところでも心配されている保護者の方も多いと聞いておりますので、ぜひ必要な措置多くとっていただきたいというふうに強く要望しておきます。

 

学校給食の牛乳の安全対策を

次に、学校給食について伺います。
我が団として、9月の22日に放射能対策の緊急申し入れを行い、毎日1校ずつの全食品の測定が行われるようになったということは、すばらしいことだというふうに感じております。その中でお聞きします。
まず、ほぼ毎日出されている牛乳について、伺います。基準値はいくらでしょうか。

佐竹健康教育・人権教育担当部長:牛乳の食品衛生法の暫定規制値は放射性ヨウ素でキログラムあたり300ベクレル、放射性セシウムはキログラムあたり200ベクレルでございます。

古谷議員:ありがとうございます。それでは、基準値以下であれば、たとえばセシウムでいうと199ベクレルであれば出すということでよろしいでしょうか。確認です。

山田教育長:基本的には国が示しております暫定規制値を基準として考えておりますけれども、さまざまな状況を踏まえて、総合的に判断をしていきたいというふうに考えております。牛乳につきましては、いままでの検査では放射性ヨウ素およびセシウムともに1ベクレル未満というふうになってございます。なお、昨日検査した干しシイタケから暫定規制値、これは500ベクレルでございますけれども、これ未満でございましたが、350ベクレルの放射性セシウムが検出をされました。この検査結果をうけまして、現在産地や収穫時期等について調査をする必要があるということなどから、当面、念のために干しシイタケの使用を控えることといたしました。

古谷議員:はい、ありがとうございます。たとえ基準値以下であっても、いま私がいったような毎日摂取される牛乳については、基準値以下だからといって、毎日飲んでも大丈夫だというのではなくて、「できるだけ内部被曝を避ける」という立場で対応していただきたいというふうに思います。再度伺います。

山田教育長:まず出荷元の自治体において検査を行っておりますけれども、本市独自に12月まで毎日小学校1校を選定いたしまして、翌日学校給食で使用する十数種類にわたる食材をすべて検査してまいります。従いまして、牛乳についてもほぼ毎日検査を実施するということにもなります。今後検査結果について確認をし、必要な場合には放射線対策で協議し、適切に対応してまいります。

古谷議員:質問終えます。ありがとうございました。


2011-10-13 | 2011年の議会活動子育て・保育議会活動

平成22年度決算特別委員会 決算第一特別委員会局別審査(健康福祉局)

(2011.10.11)

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病気・失業・老齢が生活保護受給に至る3大要因

古谷議員:おはようございます。日本共産党、古谷靖彦でございます。党を代表して質問いたします。若干通告とは変わったところもありますが、どうぞよろしくお願いいたします。
はじめに、本市の生活保護行政を中心とした社会保障行政について伺います。
まず、生活保護の件数について、過去10年どのように推移してきたのか、また今後の件数の見通しについて、伺います。

立花健康福祉局長:過去10年の推移ですが、13年の4月が2万4943世帯であったのに対し、10年後の本年4月には4万7679世帯、約1.9倍となっております。生活保護の動向というのは、景気や雇用情勢と密接に関連しておりまして、いわゆるリーマンショック後の伸びが顕著でございますが、最近では失業率の改善に伴ってやや伸びが緩やかになってきております。
今後の保護動向につきましては、引き続き、景気や経済、雇用情勢に注視していく必要があるものと考えています。その一方で、生活保護世帯の約半数は、高齢世帯でございまして、今後も高齢化が進むために高齢者世帯の増加傾向は続くというふうに思っております。

古谷議員:ここ10年で1.9倍と、そしてこれからの見通しが増えるということだということですが。そこで、生活保護世帯が増え続けていることについて、本市がどのような取り組みを行っているのか、伺います。

立花健康福祉局長:生活保護世帯については、本市として独自に取り組める就労支援といったようなものは、自立を促す施策については積極的に取り組んでおります。一方で、現在の生活保護制度については、他の社会保障制度や施策の充実も含めまして抜本的な見直しが必要だというふうに考えておりまして、国に対して独自の要望行動を行っているところでございます。
今年の6月には3つの点について、国に要望しました。ひとつは、自立の可能性が低い高齢者については、生活保護制度でなくて、別の社会保障制度を創設して対応すること。それからふたつ目には、市民から信頼される制度とするために、不正を許さない制度へ転換をすること。それから生活保護に至る前の低所得者世帯に対する支援策を構築すること、というのを要望いたしました。

古谷議員:平成22年度に保護を開始された方が1万1337人ということですが、保護受給のきっかけとなった理由で一番多いものは何でしょうか?

青木生活福祉部長:22年度は世帯主の傷病によるものが4029件と最も多く、全体の35.5%を占めています。

古谷議員:傷病だということですが。私も資料いただいたんですが、続いて「手持ち金・預貯金の喪失」といった一般的な理由に引き続いて、失業が引き金になっていたり、あるいは老齢によるということが引き金になっています。つまり、病気・失業・老齢、これが生活保護受給に至る3大要因だというふうに考えます。

 

医療費支払い困難な人に医療費減免制度や無料低額診療事業などの周知を

本市として、就労支援に力を入れていたり、あるいは国の年金水準の低さを結果として保護制度が年金制度を補完するような役割になっていると、そのことを国に対して改善を求めていると要望しているのも、よくわかります。先ほど述べたように、生活保護受給に至る3大要因のうち、失業や老齢については対応していこうという姿勢はわかりました。また、不正受給を防止することへの対応についても積極的に進めるべきだと考えますが、保護受給の最大要因になっております傷病がきっかけで保護受給することについての対応も積極的に必要だと思いますが、いかがですか?

青木生活福祉部長:傷病等の事由によりまして、医療費が生活を圧迫するため、病院等の窓口で一部負担金を支払うことが困難な場合、国民健康保険ではその状況に応じて一部負担金の減額、免除または徴収猶予ができる制度があります。また、一部の医療機関では、生活に困窮している方に対して無料や低額で診療を行う無料低額診療事業を実施しています。

古谷議員:それらの施策、いろいろあるとは思うんですが、制度はあっても周知されなくては意味がありません。そこで、保険料の減免制度、あるいは窓口負担金の減免制度、無料低額診療事業など、病気になって収入が減ったときにも、医療にかかりやすくする、お金がないことで医療にかかれなくなる事態を回避するために、それらの制度を周知するために、どのようにしてきたのか、伺います。

青木生活福祉部長:国民健康保険の一部負担金減免制度については、これまでも国民健康保険パンフレットやホームページでの紹介に加えまして、この10月に市内の病院に制度案内チラシを送付しまして、医療費の支払いで困っている被保険者に対し、区役所へ相談していただけるよう周知を行いました。また、無料低額診療事業については、事業を実施している医療機関の一覧を本市のホームページに掲載し、事業の周知を図っております。

古谷議員:私、まだまだ周知が足りないというふうに思いますが。それでは、それらの制度が実際に活用されてきたのかということで、例えば窓口負担金の減免制度について、平成22年度の1年間かけて、どれだけ活用されてきていますか、伺います。

青木生活福祉部長:国民健康保険の一部負担金減免制度の22年度の延べ利用者数ですが、62人でございます。

古谷議員:1年間かけて62件ということですが、余りにも少ないと私は考えますが、これについて、局長、見解を伺います。

立花健康福祉局長:あんまり多くてもいけないんじゃないかというふうに思います。

古谷議員:無料低額診療事業をあらためて増やすために、医療機関への周知はどのようにしておりますか。

青木生活福祉部長:無料低額診療事業については、現状では医療機関に対する積極的な周知までは行っておりません。本事業については、現在国で事業のあり方の検討を進めているところでございますので、医療機関に対する周知方法についても、その結果を踏まえて検討していきます。

 

わかりづらい国保減免制度の説明

古谷議員:新しく国保のガイドブックができたと先日うかがいました。その中には「保険料納付にお困りの場合」というページの中で、制度概要が書かれています。しかし、実際自分がこの減額対象に当てはまるのかどうか、この制度が使えるのかどうか、大変私自身がわかりづらい書き方だなというふうに感じております。各医療機関の中でも、患者さん向けに周知の工夫をすること、あるいは国保の保険証の更新の際に、全ての方々に周知することとか、できるだけ制度を周知して制度をしっかり使ってもらうことが大切だと思いますし、そのことが生活保護制度へと使うことなく自立を助長することになると思いますが、局長、いかがですか?

立花健康福祉局長:そのように思います。

古谷議員:ぜひ積極的に周知していただきたいというふうに思います。今回は時間の関係で触れませんが、制度そのものの拡充もぜひ検討していただきたいというふうに思います。こういった制度が周知されずに、必要な方に活用されなかったりして、また国民健康保険証の取り上げ・資格証の発行によって生活困窮に陥った方が、結果的には、第二・第三のセーフティーネットでは救えずに、最後のセーフティーネットである生活保護に至ってしまう。小さな出費を削ることで大きな出費に至ってしまうことになっていないでしょうか。あらためて、低所得にあえぐ市民を助けるセーフティーネット網の2重にも3重にもしっかりと構築していただきたいと要望しておきます。

 

2025年には神奈川県で医師不足に、女性医師への支援策の拡充を

次に、本市で働く医師の確保施策について伺います。
先日発行された週刊誌のAERAによると、神奈川県全体では2025年には医師不足・医師の高齢化が深刻になるとでています。そこで、現在行っている本市で働く医師の確保施策について伺います。

増住医療政策室長:子育て中の医師などが安心して働き続けることができるように、24時間院内保育所を運営する病院ですとか、短時間勤務を希望する医師を雇用する病院に対しまして、助成を行っております。また、全国的に不足がいわれています産婦人科医師について、増員を図り、分娩取扱件数を増やした病院に対しまして、助成を行っているところでございます。

古谷議員:いまおっしゃられたように、女性医師の施策がいろいろ行われていというところなんですが、事前の調査でも、横浜市大のいま医学部生のうちに女子学生の占める割合、これは3割を超えて4割近いと聞いています。今後ますますこれらは必要な施策だというふうに考えますが、そこで、いま行われている以外にも、女性医師をさらに支援する施策、拡充していくことが医師確保に即効性のあるものだと考えますが、いかがですか。

増住医療政策室長:厚生労働省の調査によりますと、全国の医師数の男女別推移でございますが、女性の割合が高くなってきておりまして、国におきましても出産や育児による女性医師の離職防止あるいはその復職を促すための対策に力を入れております。本市といたしましても、女性医師に対する支援は重要と考えておりまして、先ほどお答えしたとおりでございますが、そうした取り組みについてさらに進めていきたいと考えております。

古谷議員:ぜひ積極的に進めていただきたいというふうに思います。

 

「体内被ばくを避けた方がいい」とは受け取れない「広報よこはま」

最後に、放射線対策について伺います。
低レベル放射性物質の体内被ばくについて、伺います。国による基準もいろいろ意見があるところだと思いますが、本市の考え方として、低レベルであってもできるだけ体内被ばくは避けたほうがいいという立場で方針を立てていられるのか、あるいは、基準値以内であれば体内被ばくはある程度仕方がない、問題はないという立場で対策をとられているのか、どちらか伺います。

豊澤担当理事兼保健所長:放射線対策は外部被ばくと内部被ばくを合わせた被曝量で計算いたしますが、年間の追加被ばく線量を1ミリシーベルト未満にするという国際放射線防護委員会ICRPと申しますが、こちらの勧告によって国の考えがこれに基づいて実施されております。低レベルの放射線量といえども、自然放射能以外の被ばくはなるべく少なく、放射線によるリスクをなるべく下げるということを基本的な考えとしております。

古谷議員:低レベルであっても体内被ばくを避けた方がいいという答弁でしたが、大場副市長も伺います。

大場福祉長:いま、保健所長、答弁したとおりでございます。

古谷議員:その今のご回答と、「広報よこはま」放射線特別号との関係では、私からみれば、見解の相違が大いにあるのではないか、齟齬があるように思いますが、その点いかがでしょうか。

豊澤担当理事兼保健所長:特集号を作成した趣旨は、放射線に関する一般的な基礎的な知識やこれまで本市の放射線測定の取り組みなどを市民のみなさまにわかりやすくお伝えすることを目的として作成したものでございます。紙面では、低線量被ばくについて明確なエビデンスが得られていないという井上先生の解説文も掲載しており、低レベルの放射線量であっても避けた方がよいという立場には変わりがございません。

古谷議員:ぜひ、誤解のないような表現でお願いをしたいというふうに思います。

 

マイクロスポット対応職員に万全な安全対策を

土壌汚染の問題について伺います。

港北でのマイクロスポットが見つかったことで、一気に土壌をはじめとするマイクロスポット対策が動き始めました。今後の全市域にわたるマイクロスポット対策についての展望とテンポについて伺います。

立花健康福祉局長:マイクロスポットの対応につきましては、原則として国が示したガイドラインに基づいて、子どもの健康を第一に考えまして、保育所、小学校、それから公園等から順次測定、清掃などの対応を行ってまいります。終了時期の展望ですが、現在所有する測定機器を最大限活用して対応しておりますけれども、なるべく早期に対応するため、新たな危機の調達など体制整備をいま急いでいるところでございます。

古谷議員:では、今まで見つかったマイクロスポットから除去した廃棄物などは、どのように保管しておりますか。

豊澤担当理事兼保健所長:マイクロスポットが確認され、除去されました堆積物等につきましては、子どもが立ち入らないようにするなどの方策を講じ、厚手のビニール等に入れて保管してございます。

古谷議員:ぜひ、厳重に対応していただきたいと思います。
対応されている職員の方も、もちろん放射線対策の専門家はいらっしゃらないと思いますので、健康上の問題も大変心配しています。そこで、港北をはじめ、見つかったマイクロスポットへの対応の際に、装備や健康管理上の注意点について、どのように行っているのか、伺います。

豊澤担当理事兼保健所長:マイクロスポット対応を行う職員の安全対応が重要であると考えております。清掃や除去の処理にあたっては、基本的には国が先ほど示しました市町村による除染ガイドラインに基づく、手袋、マスク等装着して作業を行うこととしております。また、終了後はうがい、手洗い等を行うよう指導しております。

古谷議員:ぜひ、対応される職員の方の健康の問題、大変心配しておりますので、そのように対応していただきたいと思うとところですが、港北での除去の様子、写真で拝見しました。マスクなどをしている人はかろうじて一人だけいましたが、それ以外の方についてはマスクなしで半袖で対応されているというふうにみえます。もちろん、その現場現場でさまざまな判断もあろうかと思いますので、一概にはいえませんが、先ほどの答弁の中でも、できるだけ体内被ばくは避けた方がいいという前提で対応しているといった答弁がありましたので、ぜひ装備なども再度徹底していただきたいというふうに思います。

 

民地のマイクロスポット対応の周知を進めよ

通告はしておりませんが、民地について伺います。市が所管する場所については対応が進んでいるものと思いますが、基本的に民地については個人の対応になると思いますが、だからこそ積極的に、市民に向けてもマイクロスポット対策についての注意などを周知する必要があると思いますが、見解を伺います。

立花健康福祉局長:民地については、基本的に所有者に対処していただくということになりますが、仮に電話でいろいろ相談がありました場合は、その除染の仕方、清掃の仕方、あるいはその時にどういう装備でやったらいいのかとか、そういうアドバイスはさせていただきます。

古谷議員:ぜひ、電話があった場合だけではなくて、たとえば広報よこはまを改めて発行するなど、周知を進めていただきたいというふうに思いますし、ぜひ要望しておきたいというふうに思います。
質問を終えます。ありがとうございました。


2011-10-11 | 2011年の議会活動医療・福祉議会活動

平成22年度決算特別委員会 決算第一特別委員会局別審査(病院経営局関係)

(2011.9.29)

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地域防災拠点として市民病院の役割は重要

古谷議員:日本共産党の古谷靖彦でございます。日本共産党を代表して、質問いたします。
まずはじめに、本市の防災計画の中での病院経営局の役割についてお伺いします。
3月11日の東日本大震災を受けて、横浜市では震災が起きたときの本市の対応について心配されている市民も大変多いと思います。また実際、首都圏直下型地震も高い確率で起こると予想されております。そんな中で、まず、本市の防災計画の中での病院経営局の役割についてお聞きします。2006年に策定された横浜市防災計画の震災対策編の中では、地域医療救護拠点の機能がいろいろ書かれてありますが、拠点となる市民病院では、災害に備えてどんな訓練されてますでしょうか。市民病院長、お願いいたします。

鬼頭市民病院長:市民病院では、16年度および17年度に大規模地震発生を想定したトリアージ訓練を実施し、20年度には新型インフルエンザへの対応訓練、昨年度は生物化学テロを想定した除染訓練を実施いたしました。引き続き、地震だけではなくさまざまな災害を想定し、災害拠点病院として求められる機能を果たせるよう、トリアージを含めた実践的な訓練を実施していく必要があると考えております。

古谷議員:いま、お答えになったトリアージっていうのは、大変緊急時には重要だというふうに考えます。押し寄せる患者さんを重症度に応じて対応を判断して、優先順位を決めるといったことでありますので。そこで、市民病院さんでは、トリアージできる医師や看護師がどの程度いらっしゃいますか。

堀病院経営局長:救命救急センターの6人の医師が中心になろうかというふうに考えております。

古谷議員:ありがとうございます。
続いて、防災計画の都市災害編の中では、今話題の放射性物質災害に関する事務分掌があり、その中での病院経営局の役割が書かれてあります。「被ばく者に対する救急医療に関すること」、そして「健康相談、健康診断の実施に関すること」とあります。今、港北区の土壌から高い濃度の放射線汚染が見つかり、全市的に今対応しているところだと思います。健康不安を感じていらっしゃる方もいらっしゃると聞いています。そこで、2008年に策定されたこの防災計画、3年たったいま、その放射性物質災害に関する病院経営局の取り組み状況について教えてください。

堀病院経営局長:この防災計画の中では、市立病院の役割ということで、他の災害拠点病院と同様でございます。被ばく者に対する救急医療ということで、仮設救護所でのスクリーニング、一次除染をおえた患者さんのうち、放射性物質による汚染がなく、重篤でない患者さんを受け入れるということになっております。従いまして、通常の救急医療の中で対応が可能というふうに考えています。
それから、健康相談、健康診断の実施については、被ばくのおそれがある住民、それから不安感をもっている住民の方、区役所を中心に開設される臨時相談室と連携しながら、病院の放射線医師等を中心に対応していくという計画の内容になっておりまして、先ほど市民病院長がお答えしましたトリアージ等の訓練等は行っておりますけれども、特別なそれに対する訓練ということはございません。

古谷議員:すいません。通告はしてないですが、放射能災害の治療に関する専門家は市内ではいらっしゃいますか。

堀病院経営局長:市立病院にはございませんで、北里大学病院、それから放射線医医学総合研究所、そこが専門病院ということになろうかと思います。

古谷議員:ありがとうございます。いま、大変、見えない放射能に対して市民のみなさんが大変大きな不安を抱いているといったところで、そんな中この防災計画は先んじて作られたものだというふうに感じております。その役割を果たすことは大変重要だということを申し述べて、次に移りたいと思います。

 

看護師増やして6床のNICUベッドをフルオープンせよ

次は、続いて、市民病院のNICUについて伺いたいと思います。
先ほどどなたかの答弁の中で、周産期医療の向上は大変重要な課題だというふうに答弁されておりました。都市部における公立病院の役割っていうのは、地域の医療供給体制の中で不足する政策的医療分野を担うことであることはいうまでもありません。その政策医療の重要な一つでもあります周産期医療について伺います。
まず、周産期医療についての今の横浜市の医療ニーズについての認識、あるいはその中での市民病院の役割についての見解を伺います。

鬼頭市民病院長:当院は、地域周産期母子医療センターおよび神奈川県周産期緊急医療システムの中核病院に位置付けられております。産婦人科、小児科などが協力して、24時間365日救急対応を含めた周産期にかかわる比較的高度な医療を提供しております。周産期医療については、運営方針にも掲げているとおり、当院が取りくむべき重要な項目のひとつと考えております。

古谷議員:中核病院だということですが、それでは具体的に市民病院のNICUの運用についてお聞きします。現状は、何床で、稼働率はどのようになっているのでしょうか

鬼頭市民病院長:今運用しておりますのは3床でございます。22年度の病床稼働率は97.4%、1日当たりの入院患者数は2.9人となっております。

古谷議員:大変高い稼働率で、ニーズも高いというとこだと思うんですが、実際にNICU用のベッドそのものはいくつありますか。また、何床置けるスペースがありますか。

鬼頭市民病院長:NICUとして整備した病室には6床のベッドがあります。このうち現在診療報酬上NICUとして届け出をしておる病床が3床です。その他の病床については一般の病床として運用しております。

古谷議員:6床のNICUベッドがあるということですが、この市民病院のNICUをフルオープンさせるにあたって、何が課題だと思いますか。

鬼頭市民病院長:一般病床として運用している3床を診療報酬上の施設基準を満たすNICUとして運用するためには、看護師をさらに手厚く配置する必要がございます。

古谷議員:看護師の問題だということだということがわかりました。いま、高齢者出産が増えて、ハイリスク出産、大変増えている中で、周産期医療の体制の中でも、市民病院さんの役割ていうのは大変大きいというふうに感じております。その市民病院のNICUが3床しか活用されていない。もっと正確にいうと、6床あるけれども看護師の体制が不足しているために、3床分しか算定できないといった状態は、公けの政策医療を担うべき市民病院の役割としては、なかなかまだ役割果たし切れていないんじゃないかというところだと思いますし、また、実際ベットを買っているわけですから、その機器の有効活用という点からも、問題じゃないかというふうに考えます。
また、お隣の川崎市では、積極的に周産期医療を政策的を打ち出している中で、本市の姿勢として、この問題どう対応していくのかということを、副市長に伺います。

大場副市長:周産期救急取り扱う医療機関や専用の病床が不足をしております。中期4か年計画でも、産科周産期救急医療の充実を図っていうこととしてございます。その中で、産科拠点病院の整備やNICUの整備を行う病院に対する病床の優先配分など、周産期救急患者の受け入れ態勢の強化に努めていきたいと考えています。

古谷議員:はい、ぜひ積極的に進めていただきたいと要望して、次に進みます。

 

ニーズ高い緩和ケア病棟20床すべてのオープンを

続いて、緩和ケア病棟についてお聞きします。
いま、がんに罹患する方が大変増えて、緩和ケア病棟の病床稼働率も高いというふうに聞いております。入りたいと待っている患者さんが大変多いというところですが、緩和ケア病棟のニーズについて、局長の見解、伺います。

堀病院経営局長:22年度の利用状況は、病床稼働率が97.2%、1日当たりの入院患者数が9.7人というふうになっております。こういったことから、緩和ケアに対する市民のニーズが非常に高いということで、早期に病棟を全床稼働する必要があるんではないかというふうに認識しております。

古谷議員:はい、少し重なるんですが、現状での市民病院の緩和ケア病棟の運営の実態について、教えてください。

鬼頭市民病院長:今、局長がいったとおり、病床の稼働率が97.2%、1日当たりの入院患者数が9.7人となっております。

古谷議員:20床のスペースがある状態の中で、大変ニーズも高い、病床稼働率も高いということですから、早くオープンしてほしいというところが準備されているところだと思うんですが、フルオープンできなかった理由は何でしょうか?

鬼頭市民病院長:緩和ケアの専門医や看護師の確保が課題となっていることから、確保に努めてきたところでございます。

古谷議員:ここでも看護師の不足といったところが大きな問題だということなんですが、その緩和ケア病棟をオープンするにあたって、20床オープンしてほしいという一方で、もうい一方はフルオープンとなると現状は10床で稼働していますから、運用しているわけですから、20床というわけになるわけですから、受け入れるスタッフにとっては対応する患者さんが倍というふうになるわけで、その患者さんにとって安心できる緩和ケア医療を提供するためにも、日中も夜間も安心できる万全の体制で患者さんを受け入れてほしいと思いますが、院長の決意をお願いいたします。

鬼頭市民病院長:まず専門の医師に関しましては、いまのところ3人が確保できております。それから看護師が一番問題なんですが、これは同規模の緩和ケア病棟を有する他の病院の体制等を参考に、適切な体制を整えていきたいと考えております。

古谷議員:わかりました。よろしくお願いいたします。
いま、毎月毎月、看護師確保にがんばっておられるのはよく存じております。毎月募集をかけているということも聞いております。21年から22年度には38人の看護師が増えて、救急医療センターをオープンさせているといった実績もあるということですから、がんばればできるといった課題かなというふうに常に思いますので、ぜひ優先順位を上げてこの問題解決していただきたいですし、この横浜市の市民病院として、政策医療に責任をもつ立場で、NICUと緩和ケア病棟、フルオープンさせていただき、市民の要望に応えていただきたいと要望いたしまして、質問を終えたいと思います。


2011-09-29 | 2011年の議会活動医療・福祉議会活動

平成23年第3回定例会 一般質問

(2011.9.7)

動画はこちら  

 

実際には、質問と答弁がそれぞれ一括して行われましたが、わかりやすいように、対応する質疑と答弁を交互に記載しました。

古谷議員:私は、日本共産党を代表して、3点にわたって質問いたします。

 

間違いだらけの自由社版歴史教科書を子どもたちに使わせるな

まず、中学校の教科書の問題です。
現在、市内8区の中学1・2年生が使っている自由社版歴史教科書は、教育関係者からは多くの間違いが指摘されていますが、同社は写真の裏焼き以外の間違いを認めていません。しかし、来年度使用の検定本では、指摘を受けた部分はほとんど削除・訂正されています。新版では訂正された部分を、市内8区の中学生は、現在もなお訂正もされておらず使わされ続けています。国の規則では、誤記など訂正は発行者が文科相の承認を受け必要な訂正をしなければならないとしており、発行者の善意を前提としております。横浜市の子どもたちが間違ったことを学ぶことは、絶対にさけなくてはなりません。
そこで、現行版で間違いと指摘されていた部分を検定本で修正したことについて、その理由を自由社に問いただすことが当然だと考えますが、いかがですか。
そして、間違いかどうかを教育委員会としても、独自に調査する必要があると思いますが、教育長の見解を伺います。
この問題について、間違いの訂正は教科書会社が行うものとして、国と教科書会社に対しても事実確認や調査依頼など一切主導的に動こうとしない教育委員会の態度は、あまりにも無責任だと考えます。異常な事態で、至急改善が求められていると思いますが、市長の見解を伺います。
同時に、自由社が他社からの盗作を認めた年表の歴史教科書はそのまま使用されております。道徳教育上からも子どもへの影響が心配です。教育委員会に対し、改善を要望しておきます。
次に、来年度採択の決まった育鵬社についてです。この会社の歴史教科書も自由社と同じように盗作の疑惑が指摘されています。教育委員会の盗作疑惑の問い合わせに対して、同社は「検定申請の際、原典・出典を明らかにしている。事実無根」と弁明したと聞いています。しかし、教育委員会独自には調査せずに、教科書会社の弁明だけを聞くだけの調査では、疑惑は晴れたとはいえません。いまからでも調査すべきだと思いますが、教育長の考えを伺います。
疑惑のあるまま育鵬社の歴史教科書を採択した教育委員会の責任は重大です。このままでは、疑惑のまま、4月には子どもたちに渡ってしまいます。疑惑の全容解明に市長としてなんらかの能動的関与が必要と思いますが、市長の見解を伺います。

林市長:古谷議員のご質問にお答え申し上げます。
教科書採択について、ご質問いただきました。
教科書に関する調査についてですが、教科書の取り扱いに関することについては教育委員会が判断するものと考えております。
育鵬社版教科書についてのご指摘の件ですが、採択につきまして教育委員会の権限と責任において適正に行われたものと考えています。

山田教育長:教科書採択についてご質問をいただきました。
自由社版教科書の新版についてのご指摘の件についてでございますが、教科書発行者は修正や訂正を含め、新学習指導要領に準拠したものになるように内容を検討した上で、新しい教科書の検定申請を行い、検定を通った教科書が採択の対象となります。検定の過程で、修正等の理由や内容の確認を行うのは、文部科学省であり、各自治体の教育委員会の権限ではございません。
現在使用している自由社版の歴史教科書に対するご指摘の件についてでございますが、自由社の教科書に限らず一般的に検定を経た教科書に誤記等があった場合は、発行者が文部科学大臣の承認を得て、必要な訂正を行っており、これらの手続きは検定を行う文部科学省と発行者との問題であります。
育鵬社版の歴史教科書に対するご指摘の件についてでございますが、育鵬社からは、盗用の可能性などとは事実無根であり、そのような事実はいっさいないとの文書をいただいております。また、他の発行者からもそのような話はうかがっておりませんし、教育委員会として調査を行うことはありません。

 

花月園競輪場跡地利用は地域住民の声をよくきいて行え

古谷議員:次に、鶴見区の花月園競輪場跡地利用についてです。
昨年12月、「花月園競輪場関係県有地などの利活用に係る検討結果の取りまとめについて」という報告書の中で、防災公園を整備するという方向性が出されました。それに基づき、横浜市から事業化要望が国土交通省に対して出され、国土交通省からUR都市機構に事業化要望が通知され、現在事業候補地区を決定する作業に入っています。
本市が国に提出した事業化要望書の中で、防災公園の予定面積は全体10ヘクタールのうち4ヘクタールとなっていますが、鶴見区の緑被率は18区中17番目の13.7%ときわめて低く、緑とオープンスペースを確保し、そして本市で始めての防災公園街区整備事業にふさわしいものにするために、もっと広げるべきだと思いますが、考えをお聞かせ下さい。
平塚の桜ケ丘公園や千葉県市川市の大洲防災公園などでは、住民と行政とのワークショップ方式で公園を作り上げてきています。また、本市都市整備局が発行している「住民合意形成ガイドライン」によると、「合意形成はプロセスを重視する」と出ています。この花月園競輪場跡地の防災公園整備についても、ただ住民意見をききおくというだけではなく、地域住民と行政が共同してワークショップ方式で一緒に作り上げていくべきだと思いますが、いかがですか。
また、公園以外の街区整備事業についても、同じように地域住民との共同で作り上げていただきたいと思います。地域住民からは大変多くの要望が寄せられています。もともと競輪事業の前は花月園遊園地として、子どもたちの施設として賑わっていました、競輪事業が始まり、地域住民にも多大な迷惑をかけてきた、こういった経緯もあります。住民ニーズを調査するために行政として市民アンケートを取る用意がありますか。また、地域住民の要望をきく機会を設けていただきたいと思いますが、いかがですか。

林市長:花月園競輪場跡地の活用について、ご質問いただきました。
防災公園としてふさわしい規模の整備を行うべきとのことですが、事業化検討の中で、道路や宅地の配置、事業全体の採算性、本市の財政負担などを考慮しながら、防災公園の規模について検討します。
防災公園の整備にあたって市民意見を取り入れることについてですが、現在都市再生機構において、本市とも調整を図りながら、防災公園街区整備事業の事業化に向けた検討を行っております。本市としては、その結果を踏まえて、事業化の可否を判断していくことになります、公園の施設・内容等については、事業化が決定した段階で、具体的な検討を行いますが、その時にはほかの公園整備と同様に、市民のみなさまのご意見をいただきながら検討を進めます。
住民の声を十分にきく機会を設けるべきとのことですが、これまでも地域のみなさまから広域避難場所機能の維持や公益施設整備などさまざまなご要望をいただいています。今後も地域のみなさまのご意見を伺いながら、防災公園街区整備事業の事業化に向けた検討を進めてまいります。

 

市は放射能汚染牛肉を給食に出した責任をとれ

古谷議員:最後に、放射能対策とエネルギー政策の転換についてです。
いま原発事故による放射能汚染の問題が広がっており、特に学校給食の汚染が、小さなお子さんをもつ保護者の方々を中心に大きな社会問題となってきています。成人より放射線の影響をより大きく受ける子どもたちをできうる限り守ること、そして外部被爆だけではなく内部被爆の原因を少しでも除去することを基本とするように、あらゆる施策を行うこと、その観点からいくつか質問します。
まず、横浜市が提供した学校給食を食べて内部被爆の原因を作ってしまった問題についてです。
先日、南部市場に検査体制の視察に伺うと、市場での放射線検査は1か月に2日間測定日を決め、野菜については6%、魚については3%程度のサンプル調査にすぎません。しかも、私が視察にいった9月1日の時点では、まだ機器の試験運用の段階ですということでした。さらに、産地の検査についても、横浜産の野菜や果物に関して、基本は1品毎に年に1回、出荷前に測るサンプル調査にすぎません。産地でも市場でもサンプル検査では、検査体制としては大きな穴が開いており、現に汚染牛肉が給食に使われてしまったわけです。
そこで。汚染食材が市場に流通する可能性がある、その前提で対応策を練るというのは当然だと思いますが、5月議会の中では「市場に流通しているものについて安全である」という市長の認識を変えるべきではありませんか。あらためて市長の見解を伺います。
「直ちに健康上に問題はない」とよく言われますが、低線量被爆の人体への影響についてお伺いします。食品に含まれる放射性物質の健康に与える影響を検討してきた内閣府の食品安全委員会が、7月26日に公表した「評価書案」によると、100ミリシーベルト未満の健康影響について言及することは「現在得られている知見からは困難」として、低線量被爆の問題に対する科学的検討を避けています。国が即答せずに検討を避けた低線量被爆の健康への影響について、本市が独自に「直ちに健康上問題はない」と言われるのは、どんな根拠に基づいているのですか。お答え下さい。
汚染牛肉が給食に使われた学校の子どもたち8万4000人とその保護者の方々は、とてもいま不安を抱いています。市長は9月2日の本会議で、「今回の摂取量では健康影響はないといえる線量であると複数の専門家の意見を聞いている」と繰り返し答弁されていますが、不安を訴える保護者や子どもたちへ、どう対応をするのですか。「直ちに心配ない」というだけではなく、健康不安を起した行政の責任として不安を払拭するために、市の責任で健康調査をすることは当然だと思いますが、考えを伺います。
いま行っている給食食材検査は、1日1検体のみです。牛肉も豚肉も魚も行い始めたと先ほど答弁されていましたが、1回ずつ測っただけときいています。先ほど述べたように、市場流通している食材が汚染されている可能性があると言う前提で検査をするべきだと考えます。1日1検体、外注して2万5千円の費用しかかからないわけですから、子どもたちの健康第一に考えて、給食食材の1日の主要食材を全て測定すべきだと考えますが、いかがですか。
そして、せっかく全学校に空間放射線量を測る測定器を導入するのであれば、食品まで測定できるようなシンチレーションカウンターも一緒に導入すべきではないですか。そして、その運用については保健所とも協力し、近隣住民が食品を持ち込んで測定できたり、市民への啓発活動もするような地域測定所のようにすべきだと提案しますが、いかがですか。
放射能対策をしなければならない状態になった最大の責任は原発事故をおこした東京電力にあり、それを監督してこなかった国にあるはずです。林市長は9月2日の本会議で「必要に応じ東京電力に求めることを検討する」とおっしゃっていましたが、369万市民の命と健康に責任を持つ市長が、給食食材の汚染をはじめ、子どもたちや横浜市民を放射能汚染にさらしてしまったことについて、横浜市民を代表して東京電力と国に抗議し、その責任の追及をすることと、本市が測定器購入など放射能対策に費やした費用を含めて、損害請求を行うべきだと思いますが、市長の見解を伺います。

林市長:エネルギー政策の転換と放射能対策について、ご質問いただきました。
市場に流通している食品は安全という認識についての見解ですが、食品の放射性物質に関する検査は、4月4日に国が定めた出荷制限等の考え方を踏まえ、農産物等では出荷前に検査を行い、食品衛生法に定められた暫定規制値を超えたものは出荷制限し、超えていないことを確認したものを出荷しています。
しかし、7月8日に残念なことに牛肉について飼育状況調査の不徹底から暫定規制値を超えるものが流通しました。このような状況を受け、本市では8月8日から全国に先駆けて、食肉市場でと畜する牛の全頭検査を開始し、その後出荷制限のかかった福島、宮城、岩手、栃木の4県で全頭検査を開始しました。流通している食品は本来安全でなければいけないと考えておりますので、それを確かなものとするために、継続した検査を行い、その結果を迅速・的確に公表し、市民のみなさまの不安を払拭するよう努めてまいります。
低線量被曝が健康上問題ないと判断する科学的根拠についてですが、放射線防護に関する国際的な見解の中では、低線量被曝とされている100ミリシーベルトより少ない線量では、がん発症への影響は報告されていないとのことです。ただ、発がんリスクはきわめて小さいということまでははっきりしていると、複数の専門家から伺っています。
汚染肉を接種した児童の健康調査を行うべきとのご意見ですが、放射性セシウムに汚染された牛肉を給食で食べたお子様について、保護者の方が心配になるお気持ちは本当によくわかります。しかし、今回の摂取量は食品からの自然放射線量と比較しても健康に影響を与えるものではないとの複数の専門家の見解も聞いておりまして、現時点では健康調査の必要はないと考えています。
食材検査など放射線対策に要する経費を東京電力や国に対して請求するべきとのお考えについてですが、九都県市合同で国に全額負担を求める国家要望を行っているほか、今後必要に応じて東京電力に対しても補償を求めることを検討してまいります。

山田教育長:エネルギー政策の転換と放射能対策についてご質問をいただきました。
1日の主要食材すべてを検査すべきとのことでございますが、48ブロック、約350校の主要食材をすべて検査することは、現在の検査機関の体制や費用の面からも難しく、また仮にすべての食材をミックスしたものを一度に検査しても、汚染された食材があったとしても、その特定には再度検査が必要なことになることから、現実的には困難だと考えております。
各学校に食品を検査できる放射線測定器を導入すべきとのことでございますが、給食食材については現在実施している民間検査機関による精密な各種分析検査を今後も実施してまいります。また、学校を地域測定所のように運用すべきとのことでございますが、食材については出荷元や本市の市場においても検査を行っておりますし、またただいま申し上げましたように、各学校へは精密な食品検査ができる放射線測定器を配布する考えはありませんので、学校を地域測定所として運用することは考えておりません。

 

市長ははっきりと脱原発・自然エネルギーへの転換の表明を

古谷議員:最後に、そもそもこれらの放射能汚染の原因を作り出した原発依存のエネルギー政策の転換は待ったなしです。どの世論調査を見ても、脱原発・自然エネルギーへの転換は7割以上を超えています。6月21日の定例記者会見で、市長は「原子力発電所についてはないほうがいいと思う」「自然エネルギーの活用を進めていかなければならないと思います」とおっしゃっています。最大の政令市の市長として、林市長にはもっとはっきり原発からの撤退と自然エネルギーの積極的活用に向けて横浜市として本腰を入れていく、このことをはっきり表明すべきだと思いますが、市長の考えをうかがい、私からの質問を終えます。
ありがとうございました。

林市長:脱原発、自然エネルギーへの転換を打ち出すべきとのことですが、今回の未曾有の事故により、原子力発電にまつわる課題が広く認識されたことを受け、国のエネルギー政策について国民的議論が必要となりました。本市としては、省エネ意識やライフスタイルの見直しなどの機運が高まっているなかで、地球温暖化対策とエネルギーの安定供給という観点から、再生可能エネルギーをいっそう普及・拡大してまいります。
残りの質問については教育長より答弁いたします。以上、お答え申し上げました。


2011-09-07 | 2011年の議会活動議会活動

平成23年第2回定例会 一般議案・請願の討論、採決など

(2011.5.31)

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私は、日本共産党を代表して、今定例会に提出された議案のうち、3件の議案及び不採択となった請願のうち2件について、反対の討論を行います。

 

利用者への負担増を押し付ける敬老パスの値上げ案は撤回を

まず、市第4号議案「横浜市敬老特別乗車証制度の一部改正」及び請願第13号「敬老特別乗車証制度見直し案の慎重審議について」です。
昨年2月の常任委員会で2011年10月実施というスケジュール案と書かれた資料を回収して当局側に差し戻したという経緯があるにもかかわらず、再びその差し戻したスケジュール案のゴールを変えないで提案したということは、委員会での結論も無視し、日頃から2元代表制を大事にすると言われてきた林市長の主張とは違う、議会軽視の態度だと言わざるを得ません。
また、取りまとめた市民アンケートについても、その中味についての検証もほとんどなく、市民への周知もホームページ上で公開するのみと、きわめて形式的なものにとどまっております。もし、本議会で議決してしまえば、利用者・市民への周知期間はわずか4か月足らずしかなく、この短期間で今回の値上げを利用者にお知らせするというのは、余りにも乱暴な進め方ではないでしょうか。
改定については、市長は「低所得者に十分配慮したものになっている」とおっしゃっております。しかし、今回の改正案で予測した金額をみますと、生活保護世帯の、そして所得150万円以下の世帯という低所得者層だけで増額分の半分以上を負担するというのが今回の改正案です。さらに、値上げ率が125%と一番高いのが、本人非課税で同一世帯に課税者がいる場合で、この敬老乗車証の交付者数が一番多い枠であります。これで、どこが低所得者に十分配慮したものとなっているのでしょうか。逆に低所得者にとっては一番負担の多い提案が、本改定案だと言わざるを得ません。
特に、今まで無料で支給されてこられた70歳以上の生活保護受給者について、負担を新設するのは大問題だと考えます。この世帯は、国の老齢加算が2006年に廃止され、それまでギリギリの生活をしていた中から2割もの生活費が減額され、その生活はきわめて厳しい実態です。
いま、老齢加算の復活を求めて全国各地で国を相手に裁判が行われております。その裁判の中でも、78歳のある女性の方はこう証言されております。「夫は病気のために、医者からほうれん草など野菜類を多く食べるようにと言われていますが、野菜も高いのでなんとか安い野菜を選んで買っている。普段は2人ともに具合が悪いので、家にいてテレビを見ていましたが、老齢加算が廃止され、これまで以上に節約しなければならなくなった。蛍光灯は普段から一つしかつけておらず、夜はまだ起きているにもかかわらず豆球のままにしている。病院が行う1回3000円ぐらいのバスハイクも行けなくなった。それまでのギリギリの生活から2割も減額されてはまともな生活が出来るはずがありません。裁判所には私たちの苦しみ、分かっていただけますようにお願いします」こう証言されております。
こういう厳しい生活実態の中で、突然70歳以上の生活保護世帯から3200円を新設で料金を徴収するというのは、生活困難にさらに追い討ちをかける非情な改正案だと言わざるを得ません。
また、「基礎年金を主な収入として生活するなどの比較的所得の低い方々にも一定の負担をお願いしている」ので、そことの均衡を図ると言っております。そもそも基礎年金ギリギリで生活されている方々というのは、生活保護水準で生活しているにもかかわらず、保護を受けられない、あるいは保護を受けずにがまんされている方々です。貯金を取り崩しながら病院をも我慢して、生活されている方々です。ですから、「低所得者に配慮している」と言われるなら、そういう厳しい生活実態の方からも、負担を求めるべきではないと考えます。
本市の敬老特別乗車制度は、他都市に比べても優れた誇るべき制度であります。そして、本市を支えてこられた方々への今までの労に報いる、「敬老」という名に値する制度です。
その誇るべき制度を、この間無料から有料化し、値上げを実施してきたことで、ここ10年で交付率は右肩下がりに下がり続けてきました。そして、さらに今回の提案でも交付率は下がる見込みだということは、「大切な制度だ」と口では言いながら、制度の存在そのものを否定するようなものではないでしょうか。
さらに、民主党議員のみなさん。先のいっせい地方選挙では、敬老パスについて「利用者の負担増にならないように制度を存続」と「私たちの約束2011 未来への責任ある提言」とかかれた届出ビラ第2号を有権者の方々に配布しております。それにも関わらず、委員会の議論の中では「苦渋の決断だ」とされ、利用者負担増の今改正案に賛成をされました。このことについて、少なくとも有権者の方々への説明責任、果たすべきであると考えます。また、そうしなければ、中央政界での様々な政治不信もつのり、議会のあり方が問われているご時勢、政治家としての矜持が問われるものではないでしょうか。
わが党としては、あらためて利用者への負担増を押し付ける原案の撤回、求めます。

 

受験勉強の低年齢化を促進させる中高一貫校は公立校としてふさわしくない

次に、市第5号議案「横浜市立学校条例の一部改正」及び市第6号議案「横浜市立高等学校の授業料等に関する条例の一部改正」についてです。これは、横浜市立中高一貫教育校として2012年4月に港南区にある横浜市立南高等学校に南高等学校付属中学校を設置し、入学選考手数料を定めるものであります。
計画案が示された当初から、南高校PTA・生徒会・OB会・地元住民などから反対の声が上がる中、基本計画が策定され、具体化されてきました。学区は、市内全域に加え市外も一定認めるほど広域で、付属中学校4学級160人定員を選考します。その選考方法は、「適性検査及び調査書などにより」とされていますが、適性検査とはいいながら、国語的読解力や数理的・自然科学的な分野まで問われる問題で、とても普通の小学校の勉強をしているだけでは難しく、塾などの特別の指導を受けなければならないような難問であります。全国的に実施されている抽選や面接はありません。昨年行われた学校説明会には、小学校と保護者を合わせて、約1万2000人が参加したということですから、選考が大激戦になることは必至です。
学校教育法改定で、1994年から設置できるようになった公立の中高一貫教育校の設置数は、平成22年度で全国で176校。当初国会では「偏差値による学校間格差を助長させない」と付帯決議され、学校教育法施行規則でも「選抜で学力検査は行わない」と定められておりました。しかし、2008年12月に行われた政府の規制改革会議の中では、「適性検査の名のもと、実際その内容において学力を問うている公立の中高一貫校が全体の8割に上り、教育委員会による違法措置が蔓延している」と警告を出しております。これを受けて、2009年文部科学省が中教審で、適性検査・教育内容・目標理念など検証がはじまり、現在も作業中であります。
現在でさえ、小学生のお子さんを持つ家庭では私立中学校受験のために、子どもの塾の送り迎えのために母親がパートをやめたり、小学生の子どもが日曜日の朝からバスに乗って塾に行ったり、家庭の団欒や子どもの健全な成長発達をすることへの悪影響を及ぼすことが容易に予想されています。ましてや、まだ義務教育の範疇である中学校で、受験勉強の低年齢化をさらに促進させるような内容であり、市民のみなさんの税金を使った公立学校のあり方としては、ふさわしくないものと考えます。よって、本市が中高一貫校を設置し、制度化することは、賛成できません。

 

議会の総意として中学校給食実施に向けて前向きな意思表示を

次に、請願第5号「横浜市立中学校における給食等の実施について」です。中学校の完全給食は、全国の8割を超える公立中学校で実施されております。神奈川県での実施率は16%と全国46番目です。最下位の大阪府内の各自治体では、大阪市をはじめ今年度から順次実施され始めておりますから、神奈川県が最下位に転落するのは時間の問題です。県内でもすでに8市8町1村で実施されており、お隣の川崎市では市議会で中学校給食の実施を求める決議が全会一致であがり、座間市でも伊勢原市でも実施検討が進んでいます。
中学校給食を実施することについては、今まで議論を重ねてきたところでありますが、本市の未来を担う子どもたちに対して、教育の一環としても食育も進め、そして成長期に必須の栄養摂取を公に保障する学校給食は大きな役割を果たすものだと考えます。
また、単に子どもたちのためだけにとどまりません。給食施設建設のための建設関係の仕事起しにもつながる、食材に地場産物をつかうことによって地域農業の振興もできる、調理員などの雇用の創出もできる、こういったことで落ち込んでいる地域経済の活性化の起爆剤ともなりえます。
また、先の東日本大震災で実際体験したように、多くの公立学校は避難所となります。本市の防災計画でも「震災対策編」の中に、「学校に整備されている次のような施設は有効に活用する」とあり、「給食室は、被災市民の援助に有効に活用する」と定められております。しかし、今のままでは、大規模災害が発生し、公立中学校が地域防災拠点となっているところは、自前の給食設備がなく炊き出しができません。
また2009年市民生活白書によると、2020年には横浜市も人口減少に転じると予測されています。本市の成長戦略としても、若い世代の定住戦略をもたなければ発展はありえません。本市が近隣の他市と比べて、子育て環境・条件がよくならなければ、さらに若い世代の流出が進みかねません。さまざまある子育て環境の要素の中でも、中学校給食は全国の8割の自治体で実施されているわけですから、必要不可欠な要素であると考えます。
この際、今回のいっせい地方選挙で、ほとんどの政党が公約でこれについては言及しているわけですから、議会の総意として、中学校給食実施に向けて前向きな意思を示すべきときではありませんか。請願の趣旨に沿い、採択を求め、私の討論、終わります。


2011-05-31 | 2011年の議会活動議会活動

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