日本共産党横浜市会議員
古谷やすひこ(2013.10.1)
古谷議員:日本共産党、古谷やすひこです。中学校給食の実施を求めて、質問してまいります。スライドの許可、願います。早速スライドをご覧ください。
文科省のホームページの中で、学校給食の実施状況等調査では、給食の実施率は94.1%、中学校給食の実施率は85.4%と、中学校給食未実施の約15%の中に横浜の中学生は置かれているという状況です。また、大阪の堺市で今年の6月、中学校給食実施の方向を示して、とうとう20政令市の中で唯一、本市が中学校給食実施の方向すら出していない政令市となってしまったことについて、教育長の所管、伺います。
岡田教育長:給食法にこだわらず、横浜の中学生のための昼食の充実を考えていきたいというふうに思っています。
古谷議員:いま、給食法にこだわらずとおっしゃられたが、ちなみに中学校昼食と給食の違いは何ですか。
岡田教育長:まず、アンケートにもありますように、たくさんの方がいろいろなかたちでお弁当を持ってこれない、あるいは用意できない時に使いたいというようなこともありますので、注文のシステムの多様化っていうのはとても重要で、それはいまの給食法ではなかなか難しいっていうふうに考えています。それから、やはり何といっても家庭弁当の良さというのは、これまで横浜市が給食を実施してこなかったその成果というのも多分にありまして、やはり家庭弁当の良さの尊重ということもしっかりと考えていくという意味で、給食法によらない昼食というふうにお答えをいたしました。
古谷議員:あんまり聞いてないことにまで答えないでください。
この間、教育長とですね、この中学校給食について聞いてまいりましたが、残念ながら、まともなやりとりになかなかなってこなかったなというふうに思います。重なる部分もありますが、順次伺ってまいります。
古谷議員:国が食育基本法に基づいて定めた食育基本大綱、この中に、「学校給食の一層の普及を促進する」と、方向性が示されています。本市の中学校は、食育基本大綱に従おうとしているのか、あるいは大綱に従わないという立場なのか、どちらなんでしょうか。
岡田教育長:食育推進基本計画の趣旨を十分に尊重して、中学生が食に関する正しい知識や望ましい食生活を身につけることは、家庭からの弁当の持参を基本とする中でも十分に指導できると考えておりますので、しっかりやっていきたいと思います。
古谷議員:次のスライドを見ていただきたいと思います。すいません、ちいさくて。
これは、中学校の学習指導要領であります。一番下のところで「食育の観点を踏まえた学校給食」とあります。このように、もはや中学校給食を実施している前提で書かれています。中学校給食をやらないということは、学習指導要領からみても齟齬があるというふうに思いませんか。
岡田教育長:齟齬があるとは思っておりません。
古谷議員:理由を述べて下さい。
岡田教育長:きちんと食育はやっておりますので、給食を使ってということだけではありませんので、齟齬はないというふうにお答えをいたしました。
古谷議員:この学習指導要領というのは、守ってもいいし、守らなくてもいいというものなんでしょうか。
岡田教育長:そこに書かれておりますのは、学校給食の実施について定めたものではございません。それは、ご理解をいただきたいと思います。
古谷議員:質問に答えていません。指導要領は守らなくてもいいものなんでしょうか。
岡田教育長:学習指導要領はきちんと守っております。学習指導要領の解説に、食育の観点を踏まえて、学校給食と望ましい食習慣の形成とありますけれども、ここに書かれている内容は、給食を実施しなさいということではございません。
古谷議員:そんなこと、言っていません。前提として書かれているというふうに言っているんです。
古谷議員:少し質問を変えます。今年の5月の第2回定例議会の一般質問で、就学援助を使っている中学生に対して、給食がないがために昼食に対する援助がなく、市は関知しないというのが本市の方針ですかというふうに質問しました。これ、再度確認します。
岡田教育長:先生には答えてないって言われるかもしれませんけれども、就学援助制度と給食の関係ですけれども、給食を実施していないので、当然に含まれておりません。中学校の場合は。
古谷議員:前回答えたこととまったく違うんですが。給食がないがために昼食に対する、いま、援助はありません。市はそれに対してまったく関知しないというのが本市の方針なのかというふうに尋ねました。
岡田教育長:ですから、横浜型の昼食のあり方をしっかり検討して、中学生の昼食の充実のために、今回いろいろご提案をさせていただき、アンケートをし、いま検討をしているところです。
古谷議員:昨年の6月に「子どもの貧困対策の推進に関する法律」、これ、国会で全会一致で成立をしました。それに基づいて、今年の8月に閣議決定された子どもの貧困対策に関する大綱、この中で「貧困は子どもたちの生活や成長にさまざまな影響を及ぼすが、その責任は子どもたちにはない。子どもの将来がその生まれ育った環境に左右されることのないよう、また、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、必要な環境整備と教育の機会均等を図る子どもの貧困対策は極めて重要である。」と述べられています。貧困状態にある家庭に対して、いくら食の尊さあるいは食育だけをやっても、それだけでは足りません。給食を実施している小学生では就学援助でみていたわけですから、それと同様に、現時点でも緊急対策として、就学援助を受けている家庭に対して、業者弁当の公費負担、これは必要だと思いますが。また、子どもの貧困対策の法の精神にも合致するというように思いますが、いかがでしょうか。
岡田教育長:繰り返しの答弁で申し訳ありませんが、前回の時にもお答えいたしましたが、生徒が経済的な理由だけで弁当を持参していないという報告は受けておりません。何らかの家庭の事情によりまして、弁当を持参できない場合には、業者弁当などが購入できるようにするとともに、各学校で教職員や地域の方々のご協力もいただきながら支援していると認識をしております。また、横浜らしい中学校昼食のあり方について、年内を目途にまとめてまいります。
古谷議員:実態がわかってないということだと思うんです。そのことについて、政府の発表では、わが国の貧困率、子どもの貧困率というのは16.3%というふうにいわれています。つまり6人に一人が貧困状態にあるというふうな計算です。本市の中学生は8万1,512人であります。これで換算すれば、1万3,286人が貧困状態にあるという計算になります。昨年度で就学援助を受けている中学生はだいたい1万3,624人というふうに聞いてますから、だいたいこれは近似値だというふうに思います。本市の中学生の児童がいる家庭の状況について、今までこうした実態についてつかんでいないというのであれば、せめて就学援助を受けている中学生に対して、食費や弁当についてどう対応しているのか、あるいは対応できていないのか、実態把握をすべきではないでしょうか。
岡田教育長:生徒指導上の関係もありまして、学校からはきちんと指導していることや、それからやはり何らかの事情でなかなか充実したお弁当を持参できないとか、あるいは買ってこれないとか、あるいはお金を他のことに使ってしまうとか、いろいろなさまざまな課題は指摘されておりまして、そういうことに対する現場での指導は認識をしております。
古谷議員:就学援助を受けなければならないっていう家庭の事情っていうのは、子どもの責任だと思いますか。
岡田教育長:就学援助は家庭に出しているものですので、それは子どもの責任だとは思っておりません。
古谷議員:先ほど紹介した子どもの貧困対策の大綱、この中には、「子どもの食事・栄養状態の確保」として、学校給食法に基づいて学校給食の普及・充実を図るんだと定めています。国の食育基本大綱にも学校給食が位置付けられています。他にも国の施策では、「学校給食を活きた教材として活用する」という文言があちこちから出てきます。つまり、もはや中学校給食自体はやっていることが前提の施策だということであります。このままでは、横浜の中学生だけがどんどん遅れた状態になってしまう。政令市の中で中学校給食をやっていない都市は、横浜だけであります。もはや、それはもう決断するしかないというふうに考えます。あらためて中学校給食の実施を求めて、質問を終えます。
(2013.5.23)
古谷議員:私は、日本共産党を代表して、林市政4年間での最大のセールスポイントであります保育所待機児童対策について、順次質問してまいります。
先日、記者会見が行われ、マスコミにこぞって報道され、一躍脚光があびました。しかし待機児童ゼロといっても、入所保留児童数は1,746人もいて、実際は希望された方が全員保育園に預けられたわけではないことは、先日の記者会見の中でも市長自身も認めておられました
今回は、いわば数字のマジックともいうべき待機児童の数え方の問題については触れません。市長自らが、これからの課題だと述べられた保育の質の問題で、順次質問してまいります。
施設を整備したという点では、一定の評価ができると思います。しかしその一方で、国の緩和措置を忠実に実行し、駅の高架下やビルの高層階など環境面では決していいとは言えない場所でも開設される等、保育の質の面を犠牲にしてきたのではないでしょうか。
林市政でつくられた保育園は144園、そのうち株式会社が81園。うち園庭の面積緩和の要件を受けている園は、じつに46園にものぼります。面積緩和の措置は、あくまでも例外措置のはずであります。それが株式会社の保育園では珍しくないというのは、異常な事態ではないでしょうか。子どもは荷物ではありません。倉庫に荷物を入れるかのように、とにかく預けられる所があればいいというのが市長のお考えな のか、伺います。
園庭の面積を緩和している保育園は、代替措置として、近くに公園などがあることが条件となっており、おおむね子どもたちの足で5分以内と本市保育所整備指針には書かれています。しかし市長、子どもたちにとって、毎日近くの公園まで公道を歩いて行くということがどういうことなのか、想像していただきたいと思います。よちよち歩いている子どもたちが毎日、車の危険にさらされ、子どもたちはもちろん引率の保育士にも大きな負担が強いられ、往復の時間は実質的に外遊び時間が削られてしまうことになります。市長はこれでいいとお考えなのかどうか、伺います。
林市長:古谷議員のご質問にお答え申し上げます。
保育所待機児童対策について、ご質問いただきました。園庭面積の緩和と保育の質についてですが、保育の質の維持・向上は重要なことと考えています。
保育所の設置基準は、運営法人の種別によらず同じで、株式会社立の保育所は内装整備助成の仕組みを使い、駅の近郊に立地することが多いことから、園庭の面積緩和の適用は結果的に多くなっています。本市では、児童福祉施設の設備および運営の基準に関する条例で、独自の上乗せ基準として、保育室や園庭の面積基準、第三者評価等の義務化の規定を盛り込み、保育の質の維持・向上を測っています。
園庭の代替措置として公園を利用することに伴う危険性や屋外遊戯時間についてですが、公園の利用については移動にあたって安全が確保されていること、公園に危険な場所がないこと、公園への移動は複数で行うことなどを要件としています。また、屋外遊戯の時間が削られることのないよう、保育所から子どもがあるいて5分程度の範囲内に限って園庭の代替措置としての公園利用を認めることとしています。
古谷議員:横浜市は、全国的に見て、保育事業への株式会社の参入率が群を抜いて高くなっています。2013年4月時点では、株式会社運営の認可保育所は全国で376園。うち横浜市は全国最多の106園にのぼります。さらに今年4月1日時点では142園に増え、市の認可保育所の実に4分の1を占めております。
そもそも株式会社の目的は、利益を出して株主配当をすることであります。利益を出して株主に配当することが目的の株式会社と、利益を出してはならない社会福祉法人に、同じ金額の保育運営費が渡ったときに、果たして同じ金額がこどもたちのために使われることになるでしょうか。
人で成り立つ保育で利益をあげようとしたら、削られるのは人件費です。
この質問にあたって、いくつかの株式会社運営の保育園の決算資料を調べてみました。ある保育園では、保育士の給与は平均して年収200万円足らずと低く抑えられ、人件費率は約40%です。政府の外郭団体「独立行政法人 福祉医療機構」の2009年の調べによれば、保育園の人件費率の平均は71.9%ですから、この保育園の人件費の水準がいかに低いのかは明らかです。
保育の質を担保する大きな要素である保育士さんの条件があまりにも違いすぎれば、そのしわ寄せは必ず子どもたちにいってしまうということは容易に想像できます。至急、横浜市の認可保育園で働く保育士さんたちの給与や待遇の実態調査をすることが必要だと思いますが、市長の考え、伺います。
2011年度の本市の施設指導監査結果情報によれば、日本保育サービス主体のアスク藤が丘保育園では、一年で全ての保育士さんがやめてしまい入れ替わってしまい、保護者から不安の声があがっており、「子どもや保護者との信頼関係にもとづく保育の継続性の確保」などの対応することを市が指摘していた事例もあります。営利企業の経営の元で、あまりにも安い給与体系で保育士さんたちを強いることで、結果子どもたちが大きな不利益をこうむるような条件を広げてしまったことについて反省はないのか、市長の見解を伺います。
林市長:保育士の待遇等の実態調査についてですが、保育所の人件費率については決算資料の中でおおよその傾向は把握していますが、27年4月移行導入予定の子ども子育て支援制度に向けて25年度に実施する経営実態調査の中で、人件費について調査することを考えています。
保育士の給与体系についてですが、保育士は平均年収が、全産業平均473万円に比べると314万円と低く、平均勤続年数も短い状況にあります。保育の質の向上のためには、保育士が長く働き、専門性を高めることが必要です。そのためにも保育士の処遇改善を図ることが重要だと考えております。今回補正予算に、保育士等処遇改善臨時特例事業を提案しました。
古谷議員:保育業界の中で最も大きな企業がJPホールディングスであります。同社は、子育て事業関係6社を傘下にもち、2012年度決算では、売上高138億円、経常利益14億円、当期純利益は7億5000万円で、そのうち株主配当に2億5000万円、内部留保35億円の持株会社であります。その売上げの大半は、全国115園の認可保育所運営からの収入と思われます。その収入のもとは、もちろん自治体から交付される運営費補助金であります。横浜市内では、中核会社の株式会社日本保育サービスが20園の保育園を運営しております。
横浜市内の20園に通う子どもたちのために出された公的資金が、いくつかのルートを通じて、JPホールディングスの収益となり、株配当に充当されております。
まず本部経費であります。その額は2011年度で1億2,985万237円です。当局から提供された2園の決算書類では、11年度は、A園で849万円、B園で1,179万円、10年度ではA園290万円、B園では1,023万円。当該の保育園運営に関する法人本部の人件費、事務費と、その使途は限られているはずであります。両方とも同規模の園にもかかわらず、園によって、その年によってその額に違いがあるのはあまりにも不自然です。実費以上に園からの本部への繰り入れをされていると推察せざるをえません。
つぎに、「会計区分間繰入金」であります。本来子どもために支出されている保育運営費の使い残し、剰余金を、同一法人の別の保育所などの運営、整備等に支出できるという弾力運用規定を使って、公的資金を流出させています。2年間でA園2,900万円、B園1,841万円です。この分、とうぜん法人本部の資金が浮くことになり、JPホールディングスへの収益拡大に寄与することとなっております。
こういう本部経費や会計区分間繰入金は、横浜市との事前協議の上認められているということですが、公金の使われ方として、妥当であるということをどう担保されているのか、本当に株主配当には使われていないという保証はあるのか、伺います。
株主への配当は、法的には禁止されていませんが、厚労省の局長通達では、配当すると、運営費補助金への上乗せである民改費(民間施設給与等改善費加算措置)が適用されないとしています。しかし、本市は、営利会社が運営する園に対しても、民改費加算を行っております。
その他にも、JPホールディングは、給食調理会社、人材派遣会社、物品販売会社を有し、先にあげたA園では2011年度でこの3社に対して2,700万円余りの事業を発注し、収益を上げています。
こういういくつかのルートを通じて、本来子どもの保育のためにと公金から支出されている保育運営費が、結果、株式会社の利益・株主配当へと変わってしまっています。市長、これは、税の目的外使用とは言えないでしょうか。市長の所感を伺います。
また、営利企業については、内部留保や株主配当を制限するなど、子どものためにのみ保育運営費を使うような仕組みをぜひ作るべきだと思いますが、どうか伺います。
林市長:実費以上に本部会計に繰り入れているのではないかというご質問ですが、JPホールディングの繰入額は特に問題となる水準とは考えていません。園ごとの差異は、各園の事情によるものと思われます。
保育所運営費が、株主配当金に使われてないことの保証についての考え方ですが、保育所においては、保育所の施設会計と運営事業者の本部会計と経理区分を分けることになっています。保育所の施設会計から直接配当をすることは認められておらず、監査において配当がないことを確認しています。また、各会計間の資金の移動は、原則として認められていませんが、社会福祉法人以外は市に事前協議し、承認された場合に限り前期末支払い資金残高を取り崩し、本部会計に繰り入れた上で、保育所の運営に関連する人件費や事務費に当てることができます。
関連会社との契約による支払いが株式配当金に回ることについてですが、保育所運営費の執行にあたり、請負会社と適切な契約手続きがなされているかについては監査で確認しています。問題があれば、是正を求めています。一般的には保育所の運営事業者と関連会社との取り引きについて法的に制限されているものではありません。関連会社の利益から配当を行うことについても当然あり得るものと考えます。
内部留保や株式配当を制限する仕組みをつくるべきとのお考えについてですが、当期末支払い資金残高については当該年度の運営費収入の30%を限度に安定した経営を確保するために将来発生が見込まれる経費として計画的に積み立てることが認められています。また、保育所の運営費の使途は、保育所の人件費、管理費、児童の保育などのために必要な費用に限られているため、運営費からの配当は認められていません。
第二質問
古谷議員:お答えありがとうございましたといいたいところですが、なかなか回答がまっすぐ返ってこないというふうに思います。
市長、1点だけお伺いします。民改費について指摘をさせていただきました。保育園の運営の中では運営費と並んで、保育園収入の多くを占める民改費について、横浜市では、社会福祉法人であろうと株式会社であろうと、法人の形態を問わず支給されているということになっています。しかし、国の局長通達によれば、事実上、配当を行っている株式会社に対しては、民改費は削るべきであると指摘されています。なぜ、本市は国通達を無視してまで、株主配当を行っている保育園に対して民改費加算を支給し続けるのでしょうか、配当を出しているのは明らかですから返還を求めるべきではないでしょうか。市長の考え、伺います。
林市長:古谷議員のただいまのご質問にお答え申し上げます。
民間施設給与費、改善費、民改費は、施設会計から配当をされた場合はどうなるかというご質問でございました。施設会計から配当された場合は資金に余剰があるとみなされて、民間施設給与改善費は停止されます。しかしながら、横浜市ではこうした例はありません。監査の中で確認をしております。以上、ご答弁申し上げました。
古谷議員:保育の質を担保するためには、監査をしっかり行うということも一つのポイントとなります。しかし、林市政のこの4年間の中で、監査対象の園が大幅に増えているにも関わらず、監査の体制はほとんど強化されていません。逆に、体制が弱いため、監査回数も緩められてしまい、もともと1年に1回行われていた監査が2年に1回程度に後退しています。保育の質を担保するのに重要な監査体制をなぜ緩めたのか、市長の考え、伺います。
社会福祉法人と株式会社を比べた場合、監査の対象が明らかに違います。社会福祉法人は法人に対する監査がありますが、株式会社には親会社への監査はありません。横浜市の公金が注ぎ込まれた会社に対して、所管が違うからといって監査を行わないというのは、おかしいのではありませんか。公金が入っているわけでありますから、その使途について、親会社に対しても監査ができるように、制度や法整備を国に対して求めるべきではないでしょうか。市長の考えを伺って、一回目の質問を終えます。
林市長:保育の質の担保に必要な監査体制についてですが、監査対象施設の増加に対しては、23年度に監査課の担当課長1名、事務職1名を増員し、監査体制を強化しました。現在は、監査課の担当係長、事務職、保育士および保育運営課の栄養士の計4人で1班を編成し、4班体制で監査を実施しています。新設園は全園を監査対象としていますが、運営に問題のない良好な施設は実施監査を2年に1回とし、監査対象外の施設についても必要な報告を求めるなど、効率的な監査を実施してまいります。
株市会社の本社・親会社も監査対象とするよう国に法整備・制度づくりを働きかけることについてですが、株式会社が運営する認可保育園については、監査を実施しております。一方、園を運営する株式会社の本社については、会社法などの法令に基づいた監査がなされており、本市には監査権限がなく、監査は実施しておりません。
以上、古谷議員のご質問にご答弁申し上げました。
(2013.3.12)
まず、少人数学級について伺います。 国では、全学年への35人学級の導入は事実上見送られました。しかし、横浜よりも厳しい財政状態にある地方自治体でも自治体単独での少人数学級に踏み出している地方自治体がいくつも出ている中、本市では国・県の枠内でとどまり、本市としての上乗せしての少人数学級に踏み出そうという面が全く見られないわけでありますが、踏み出さない理由は何でしょうか、教育長の見解、伺います。 山田教育長:おはようございます。教育委員会です。よろしくお願いしたします。 本市独自の予算による35人以下学級の編成については、人件費の財源の確保などの点から様々な課題がございます。本市としては35人以下学級の実施について、小・中学校全学年で実施するよう、国には要望をいたしているところでございます。 古谷議員:少人数学級について文科省が検討会議などでまとめた「少人数学級のさらなる推進等によるきめ細やかで質の高い学びの実現に向けて」という文書によれば、教育現場の実情は「かつてないほど、学級担任の負担が増大している」と指摘されています。教育現場における学級担任の現状について、教育長の認識を伺います。 山田教育長:教育現場における学級担任は、やはり基本的には学級経営を任されている第一義的な責任者であるというふうには認識をいたしております。 古谷議員:役割ではなくて、現状の仕事の認識はどうですか。 山田教育長:一義的には、小学校と中学校で若干担任の役割は違おうかと思いますけども、たとえば小学校でいえば、一義的には先ほど申し上げましたように、学級経営を行う第一義的な責任者であるというふうに思っておりますけれども、学校全体で子どもの教育を見とっていくという意味では、学校の組織の一員としてその責任をしっかりと果たしていただきたいというふうには考えております。 古谷議員:かみ合わないですけど。学級担任の負担が増加しているという指摘をされていることに対して、教育長の見解、伺います。 山田教育長:最近、教員の多忙化等々様々言われておりますけども、その原因は様々あろうかというふうに思います。特に、学校の子どもの実情がかなり以前とは違ってきているとか、あるいは保護者の方の様々な意識の多様化といったこともございましょうし、そういった意味で従前に比して忙しいというふうな声を聞いているといったようなことはございます。 古谷議員:その声を聞いていることに対して対策されていることはありますか。 山田教育長:たとえば、小学校であれば、児童支援専任教諭の配置ですとか、非常勤の活用ですとか、そういったことでいわゆる多忙化といったものを若干でも解消できるように、そういった工夫はいたしているところでございます。 古谷議員:教育長も参加されております指定都市教育委員・教育長協議会の名で、2012年11月に「平成25年度文教予算に関する重点要望」を出されています。その際、少人数学級の要望は出されていますか、教育長に伺います。 山田教育長:昨年の11月に指定都市教育委員・教育長協議会で重点要望として、小・中学校すべての学年での35人以下の実現といったことについて要望をいたしております。 古谷議員:もちろん、この要望については、教育長も認識されていると思いますが、なぜ要望されたのか、伺います。 山田教育長:この要望書、指定都市全体でまとめたわけでございますけれども、いじめ問題あるいはインクルーシブな教育など個別の教育課題に対応するために、あるいは様々な新たなそれぞれの学校で起きてる様々な事由に対応するためというふうに認識をいたしております。
古谷議員:国に要望しているということはいいことだと思うんですが、本市でも独自に進めていけばいいと思うんですが、なぜやらないのか伺います。 山田教育長:これは最初にご答弁申し上げましたように、本市としても35人以下学級の実施について小・中学校全年で実施するよう国には要望いたしているところでございます。 古谷議員:国には要望しているのはいいということは認識しているんですが、本市でも推進していけばいいと思いますが、なぜやらないのか伺います。 山田教育長:先ほど申し上げましたように、ひとつは財源の問題も大きな問題としてございます。 古谷議員:この少人数学級の問題は、本市の教育予算を配分する中で優先順位が高くないということで、教育長の認識、伺います。 山田教育長:先ほど申し上げましたように、35人以下学級のことについては、きめ細かな教育の推進といった意味では意味があることかというふうに思いますけれども、数が少なくなる分、いわゆる子どもの社会的な関係というのはどうしても40人と比べると少なくなる、そういった諸々の長短あろうかというふうに考えております。
古谷議員:少し視点を変えて、質問します。新年度予算案の中で、「9年間一貫した英語教育の推進」ための予算が計上されています。その予算額と、仮に一学年少人数学級を拡充した場合の予算額、それぞれ教えてください。 山田教育長:ちょっとお答えに合うかどうかわかりませんけど、「9年間一貫した英語教育」これは25年度予算案では11億750万円余を予定してございます。それで、ちなみに本市独自に小・中学校全学年で35人学級を実施した場合の総経費額・・・(中断)・・・先にご質問いただけなかったものですから、ちょっと数字がいろいろ動いておりますけども、35人以下学級実施時の必要人件費でございます。改めて申し上げます。独自に小・中学校全学年で35人学級を実施した場合ですね、約62億4680万円でございます。 古谷議員:1学年というふうに言ったんですが。 山田教育長:小学校3年生、小学校1・2年生は35人以下学級実施してございますんで、3年生で35人以下学級を実施した場合に1学年で約9億6000万円でございます。 古谷議員:私は何も英語の教育について、さっきの9年間一貫した英語教育の推進ということを全く否定するものではりませんし、むしろやれるならやったほうがいいというふうに思っています。しかし、優先順位が少し間違っているのではないかというふうに思ってます。今回、結果的に、少人数学級を一歩でも進めるよりも、英語教育を優先させる判断をされているわけなんですが、そう判断された理由について、伺います。 山田教育長:どちらが優先ということではございませんけれども、35人以下学級も大切でございます。9年間通した英語教育、これも最近のグローバルな社会のことを考えれば、横浜の子どもにしっかりと英語力をつけていく、そういった必要性から必要なものであろうというふうに考えております。 古谷議員:本市の子ども一人あたり教育予算の低さについて、かつて私の質問に対して教育長は、「児童1人当たりの経費が低いと、そういった状況であるということは認識してございます」と答えられていますが、その認識には変わりませんか、伺います。 山田教育長:子どもに1人あたりに要する教育費というのは、他都市比較の場合でも様々な含め方がございますので、一概に比較はできないというふうに考えておりますけれども、児童1人あたりの教育費については、真ん中よりは下だというふうには認識いたしております。 古谷議員:教育予算が低いということも認識されていて、少人数学級についても国にも要望されている、なのに市としては主体的には足を踏み出そうとしないのは、ちょっと私には理解できないんですが、足を踏み出せない何が第一の要因なのか、もう一度伺います。 山田教育長:これも冒頭に申し上げましたように、人件費の財源の確保などの点から様々な課題があるというふうに考えております。
古谷議員:少し別の角度からまた伺います。大津市でのいじめ自殺事件で大きな問題となった滋賀県では、いじめをなくしていく対策として、どんな手立てを打たれようとしているのか、教育長、伺います。 山田教育長:大津市に私が連絡をしたわけではございませんけれども、報道によるその情報によりますと、35人以下学級をやるといったことは、報道があるといったことは承知をいたしております。 古谷議員:先ほどあげた「平成25年度文教予算に関する重点要望」の中でも、少人数学級の実現といじめ問題への対応について言及してあったというふうに思いますが、教育長の見解を、その点で伺います。 山田教育長:いじめの問題は様々な要因が絡んでいるかと思いますけれども、本市の場合には基本的にはいじめの早期発見、早期対応が重要であるというふうな認識をまずいたしております。そのために、本市ではいじめは許さないという強い信念のもとで学校のチーム力の評価をするといったこと、あるいは地域との連携を強化することなどによって、いじめ問題の対策に取り組んでいきたいというふうに考えております。 古谷議員:いじめの対策の面からも、理念だけではなく、しっかり体制としても少人数学級というのは有効であると思いますが、教育長の見解、もう一度伺います。 山田教育長:先ほど申し上げましたように、35人以下学級というのはいじめのためにやるものではございません。これは基本的にはきめ細かな教育の実現といったものでございますので、結果として子どもをみる機会が増えるといったことで様々な発見ができるといった認識はもっております。 古谷議員:教育の効果っていうのは非常に時間がかかると思いますので、すぐ数値で結果が出るというふうに私も思っていません。しかし、子どもたち一人ひとりが成長できる条件をしっかりと整えることが、これからの未来の横浜つくっていくというふうに確信しますので、ぜひ、改めて少人数学級の推進を要望して、次の質問に移ります。
学校司書について伺います。 県内で学校司書を配置している10の自治体があると教育委員会からの資料では伺っております。横浜のように資格要件を問わずに無資格の人を配置している自治体は、いくつあるか、教育長、伺います。 山田教育長:先生の方のお尋ねの趣旨は、司書といったような資格だろうと思いますけれども、県内でそういったものを要件にしていないといった、私どもいまの手持ちの資料でございますけども、3市あるというふうに理解をしております。 古谷議員:10市のうち3市ということなんですが、本市が学校司書を採用するにあたって、司書資格者を採用要件にしないのはなぜか、教育長に伺います。 山田教育長:学校司書の採用要件、これについては今後検討してまいりますけれども、司書などの有資格者を採用しないといったことではございません。司書などの資格のほか、学校図書館ボランティアの経験などを重視して採用していきたいというふうに考えているところでございます。 古谷議員:病院であれば、医師は医師免許を持って、看護師は看護師免許を持って、仕事に従事しています。学校の現場でも、教員免許を持って仕事をされているというふうに思うんですが、有資格者で限らないと、専門職はいらないというのが、教育長の見解なんでしょうか。 山田教育長:先ほど申し上げましたように、資格を必須の採用の要件にしているという考えはいまございませんけれども、それのほかに学校図書館のボランティアの経験などを、こういったことを考慮しながら、採用していく予定だといったことを申し上げた次第でございます。 古谷議員:資格者でなくてもあるいは資格者であってもいいという、いま方針だということなんですが、その方針案決められた際に、いま献身的に学校図書館でボランティアをされている方にどう意見を聞いてきたのか、教育長に伺います。 山田教育長:学校図書館の運営などについて、現在ボランティアの方いらっしゃるわけですけれども、学校を通していろんな声を把握をさせていただいているところでございます。 古谷議員:どんな声を聞いたのかと聞いたんですが、伺います。 山田教育長:たとえばですけども、図書の購入費を増やしてほしいとか、図書館の飾り付け等に使う消耗品費を増やしてほしとかなど、様々なご要望をいただいているのは認識をいたしております。 古谷議員:昨年の1月に行われたティーミーティングで、市長に直接、学校図書館ボランティア団体の方が司書有資格者を学校図書館においてほしいと市長に要望されたと聞いていますが、教育長の見解、伺います。 山田教育長:市長とのティーミーティングでの様々なご要望については承知をいたしております。先ほど申し上げました繰り返しになりますけども、学校司書には、司書資格の有無にかかわらず、子どもたちとのコミュニケーション能力などが重要であるというふうに考えております。 古谷議員:昨年の10月に、学校図書館ボランティアをされている団体の方から要望書が出されたと聞いていますが、どんな要望書が出されましたか。 山田教育長:昨年の10月に要望書の内容でございますけれども、1つは専門性を確保するために司書資格を持っている人を採用していただきたい、あるいは1校に1人専任で配置をしていただきたい、また、学校司書が力を発揮できる待遇・環境を整えるように努めていただいたい、そういったような趣旨だというふうに理解をしております。 古谷議員:その要望に対して、教育長の見解、伺います。 山田教育長:まずは専任で学校司書を配置していこうといったことで、現在対応しておるところでございます。従って、今後状況を見ながら、また判断をしていく場合があろうかというふうには思っております。 古谷議員:私もこの間、直接、学校図書館ボランティアをされている方にもお話を伺って参りました。私たちボランティアではもう限界であると。しっかりとした専門家を配置してほしいと、繰り返し訴えられております。学校図書館には教育の専門家としてのもちろん司書教諭、そして図書館の専門家としての学校司書が車の両輪のようにしっかり学校図書館を運営していくと、その上でサポートするボランティアさんがいるというのが、本来のあり方なんじゃないかと思いますが、教育長の見解、伺います。 山田教育長:学校司書が司書教諭の補佐として、もっぱら学校図書館の業務に携わると、そういったこととともに、学校図書館ボランティアのまとめ役といったふうになろうかと思います。司書教諭と学校司書が連携をすることで、学校図書館がより活性化されるといったことを期待しておるところでございます。 古谷議員:ですから、ぜひそこのところにしっかり司書としての専門家を配置してほしいと改めて要望します。 学校司書を今回全校に配置するという案に対しては、素晴らしい提案だということを、非常に評価をしています。しかし、その配置される司書に資格要件を問わないというのは問題だというふうに思っています。長年、献身的に本市の学校図書館ボランティアをされている方が「有資格者を入れてくれ」というふうに訴えているにもかかわらず、それを聞き入れないというのも問題だというふうに思っています。改めて、学校司書には有資格者を入れることを強く要望して、最後の質問に移ります。
最期に、夜間学級について伺います。 夜間学級がいま果たしている本市での役割は何か、教育長に伺います。 山田教育長:夜間学級でございますけれども、中学校を卒業していない、様々な理由で卒業されていない、学齢超過者、これに教育を改めて機会を設ける必要性から、夜間学級を設置をいたしております。また、中学校の卒業資格を与えると、こういったことによって進学、就職の可能性を広げる役割を担っているというふうにも考えております。 古谷議員:いま夜間学級のあり方が検討されているというふうに聞いていますが、公開の意見交換会などを含めて、市民意見を聞いたうえで方向性を出すべきだと思いますが、教育長の見解、伺います。 山田教育長:夜間学級のあり方については、現在、庁内そして関係の、現在夜間学級が配置をされております校長を中心とした教職員の意見を聞いたり、あるいはその庁内で検討会議を設けて、いまやっているところでございますんで、結果がでるまでいましばらくお待ちをいただきたいというふうに思います。 古谷議員:しっかり方向性が出してから報告するというだけではなく、広く市民意見を聞く場をぜひつくってほしいと要望して、質問を終えます。
(2013.3.8)
古谷議員:日本共産党を代表して質問します。
はじめに、本市の住宅施策全般について伺います。住のセーフティーネットという観点で、本市の施策が必要な人に必要な施策が届いているのかということをいくつか伺いたいと思います。
はじめに、住のセーフティーネットという観点で、建築局が果たすべき役割は何か、伺います。
坂和建築局長:住宅は市民にとって欠くことのできない生活の基盤だと思っています。横浜市ではその多くが民間の住宅市場を通じて供給され、その中から市民は生活に適した住宅を選択し、住生活を営んでいます。しかし、経済的理由などから住宅を確保することが困難な方、また所得、家族構成、身体の状況に適した住宅を確保できるよう、そういう方に対して様々な仕組みが準備されていく必要が考えています。
建築局は、市営住宅を始めとして多様な住宅を供給しており、重要な役割を担っていると認識しております。
古谷議員:2007年7月に施行された、いわゆる「住宅セーフティーネット法」で示されている「住宅確保要配慮者」とはどういう人をさすのか、伺います。
秋山住宅部長:「住宅確保要配慮者」とは、低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子どもを育成する家庭、その他住宅の確保に特に配慮を要する者をいいます。
古谷議員:その「住宅確保要配慮者」のうち、「低額所得者」に対する配慮を本市ではどう具体化されているのか、伺います。
坂和建築局長:市営住宅を供給する取り組みに加えまして、民間住宅を活用し、低所得の高齢者や子育て世帯向けに、家賃補助付きの賃貸住宅等の公的住宅を供給しています。また、民間賃貸住宅への入居支援や公的住宅に関する情報提供を行うなど、総合的に住宅セーフティーネットの政策を進めています。
古谷議員:局長、いまおっしゃられた施策全体はニーズに対して足りていると、認識ですか。
坂和建築局長:本格的な施策である市営住宅については、これまでも土地取得による新規供給や木造市営住宅の老朽化したものの建て替えなどを進めてまいりました。また、市が直接建設する手法だけでなく、民間賃貸住宅を借り上げる取り組みなども行っています。これらにより、市営住宅の戸数につきましては、市内の県営住宅約1万7000戸を含め、一定規模のストック数が供給されていると認識しております。
古谷議員:いまおっしゃられた市営住宅っていうのは、いま本市の中で果たす役割っていうのは何ですか。
坂和建築局長:ただいま申し上げましたとおり、住宅セーフティーネットの根幹的な施策であると考えております。
古谷議員:そしたら、市営住宅のいまの倍率についてどう評価されているか、伺います。
坂和建築局長:まず近年応募倍率は15倍から20倍の応募倍率で推移しております。市営住宅の市民のニーズの高さっていうのは、私は認識していると思います。引き続き、既存ストックの長寿命化を図りながら、合わせて適切な入居者管理等を進めることで住宅に困窮する方々に対応していきたいと考えております。
古谷議員:適切な入居者管理でいま必要とされているものに対してニーズが足りているという認識なんですか、伺います。
坂和建築局長:応募倍率は15倍20倍、また民間マンションでも倍率15倍、20倍っていうところもございますが、市営住宅というセーフティーネットの中で15倍20倍っていうことは、大変大きな課題だと考えております。先ほど申し上げましたように、県営住宅1万7000戸を加えまして一定の規模のストックは横浜市は保有しているものと考えております。
古谷議員:一定のストックを保有していて、この倍率というのは、どういうふうに解消しようと思ってますか。
坂和建築局長:先ほども申し上げましたが、引き続き既存ストックの長寿命化を図り、合わせて適切な入居者管理等を進めることで住宅に困窮する方々に対応していきたいと考えております。
古谷議員:市営住宅を整備しないというふうに決めたのは、何が一番の要因ですか、伺います。
坂和建築局長:市営住宅の建設は22年で、いま25年ですから3年前で、建設自体を終わっております、新規のもの、建て替えも含めて。その当時決めた要因なんですが、市営住宅の新規供給からストックの活用に転換したということですが、まずは一定規模の住宅ストック数が供給されたということ、2つ目が木造等の老朽化した住宅、これ建て替え倍率が相当高くて、建て替えることによって供給戸数がぐっと増えたものでございますが、計画されてたものの建て替えがすべて完了したと、それから財政状況等のものがあるということが要因です。
古谷議員:計画がされたものが終わったということですが、いまのニーズ、先ほどの倍率とくらべて足りているという認識ですか。
坂和建築局長:木造住宅については、あるいは老朽化した中古対策住宅、十日市場なんかありましたけれども、そういうものを、建て替え対象団地として計画してたものがすべて取り込むことによって、建て替えは終了したという意味で、足りてるかどうかという評価につきましては、一定規模の住宅ストックが確保されているものと認識しております。
古谷議員:住のセーフティーネットと、先ほど聞いたんですが、市営住宅整備ゼロという方針から、ぜひ転換するべきだというふうに要望しておきます。
本市の定めている住生活基本計画の中では、「バリアフリー化された誰もが住みやすい住宅が求められている」というふうに書かれています。これをどう具体化していくのか、伺います。特に、なかなか進んでいない5階以上のエレベーター未設置のところを速やかに進めるべきではないかと思いますが、局長の見解、伺います。
坂和建築局長:高齢化の進展や生活様式の多様化など社会環境が大きく変化する中で、いま先生言われたように、バリアフリー化された住宅が求められているという認識がございます。昨年12月には、横浜市福祉のまちづくり条例を改正し、新たに床面積2000平米以上の共同住宅を、バリアフリー化の義務化の対象といたしました。これ、条例を変更いたしました。合わせて、民間住宅へのバリアフリー化支援を行うなど、総合的に施策を進めることで、誰もが安心して住める住宅整備を誘導しています。
また、いま市営住宅についてもということで言われましたので、エレベーター設置等のバリアフリー化も合わせて推進しております。
古谷議員:市営住宅こそ、率先してバリアフリー化を進めるべきだと思いますが、いかがですか。
坂和建築局長:市営住宅入居者というのは一般の市民の方にくらべて、やはり高齢化が進んでいるということで、バリアフリー化っていうのは大きな課題だと考えています。その具体的な対応といたしまして、特に昭和40年代、ですからもう築50年位経ちますか、4・50年経つものについては、大規模団地を対象にエレベーター設置を優先して、いま進めております。25年度予算編成では、24年度予算の1.6倍で、480戸に対して48機のエレベーターを設置する計画としています。厳しい財政状況ですが、速やかに事業を進めていきたいと考えております。
古谷議員:いま、局長もおっしゃられたように、市営住宅入居者の高齢化が非常に進んでいると認識なので、早く対策をとっていただきたいというふうに要望しておきます。
続いて、若い世代に横浜で子育てして住み続けてもらうと、また若い子育て世代を横浜に呼び込むインセンティブとして、「子育て世帯向けの地域優良賃貸住宅事業」、これ大変重要な施策だと考えてます。しかしながら、いま中期計画で掲げられている目標の半分の100戸の供給を予定して、実際は80戸の供給。そして80戸に対して現在成約数は13戸。これ、なかなか進まないことについて、局長の認識、伺います。
坂和建築局長:制度が進まない原因といたしましては、民間住宅事業者から十分な数の住居の提供が得られなかったことが大きかったと思います。また、新規事業であるため、関係区局の協力を得ながら広報に取り組んでまいりましたが、結果をみると十分に周知されていなかったと、特に子育て世帯をターゲットにした周知が図られてなかったことが原因だと考えています。いま、先生おっしゃいましたけど、24年度は80戸を認定し、1月の入居募集では88世帯から応募があり、平均倍率は0.6倍という状況でございます。
古谷議員:先ほどは追及だったんですけど、ここはぜひ進めていただきたいということで質問します。
この事業を進めるために何が必要だと考えていますか。
坂和建築局長:先ほども申し上げましたが、制度を進めるためには民間住宅事業者の提案住戸を喚起して行くことに加え、子育て世帯を中心にさまざまな方法を用いて周知を図っていく必要があると考えております。
古谷議員:重ねて、この施策は本市の重要施策、横浜市の大きな売りになるものだというふうに認識しております。さらに拡充して、どんどん広報も進めていただきたいと要望しておきます。
次に、木造住宅耐震改修促進事業について、伺います。
本事業は、何を目標にして進めている事業なのか、伺います。
坂和建築局長:すいません、先ほどの子育て住宅で、1月の入居者募集で88世帯と私言ったということですけど、48世帯です。訂正お願いします。
木造住宅の耐震改修事業の件なんですが、住宅の耐震化につきましては、18年度に作成した耐震改修促進計画により、木造住宅とマンションを合わせまして、27年度までに耐震化率が90%になることを目標に、事業を進めております。
古谷議員:いま、東日本大震災をふまえて、ニーズが非常に高まっていると、新聞記事も出てました。来年度の計画はなぜ今年度予算プラス補正という実績ベースにとどめたのか、伺います。
坂和建築局長:実は本年度も、ちょうど2年前に東日本大震災がございまして、それを踏まえて、多くの応募がございました。これで、本年度も補正というかたちでやりました。それで、その実績をみて、それを踏まえて本年度予算ということで作成したものでございます。
古谷議員:なぜ、実績ベースでとどめたのかと伺ったんですが。
坂和建築局長:実績をみて、昨年度急激に増えましたので、その実績をみて、本年度も予算編成をいたしました。
古谷議員:先ほどたずねた住宅耐震改修促進計画と、いま本市で作成されております横浜市地震防災戦略概要で、住宅の耐震化率95%の指標が示されていますが、どちらがそれぞれの目標の中で高い目標なのか、あるいは優先される上位目標っていうのはどちらなのか、伺います。
坂和建築局長:耐震改修促進計画については、平成18年から27年度までの10年間で耐震化率90%を目標としております。また、いま言われました横浜市地震防災戦略は、東日本大震災を踏まえ、平成25年から34年、今年からですね、34年までの10年間を期間とし、住宅の耐震化率の95%を目標としています。目標の高さはどちらが高いのかというお話ですが、今後10年間の市民の方の危機意識の継続性だとか、住宅需要等を踏まえた建て替えや新築の進捗、さらには経済的な側面もありますので、単純に10年先の目標と2年先の目標を比較するのはできないという状況です。また、両目標の優先度ということですが、いずれも市民の命を守る減災防災の観点から需要な本市の計画でありますので、各々の計画目標の達成に向け取り組んでまいります。
古谷議員:市の地震防災戦略は、建築局として具体化する計画に当たらないということなのでしょうか。
坂和建築局長:市の防災戦略につきましては建築局だけじゃなくて、全市一丸となって取り組むべき課題だと考えております。
古谷議員:耐震化率のところは建築局に少なくとも関わるところだと思うんですが、いかがですか。
坂和建築局長:地震防災について、私ども大きな役割を担っておりまして、その耐震化率も私どもの役割だと思っております。
古谷議員:ぜひ、防災戦略で示されている目標を達成するために、建築局で具体化してもらいたいというふうに思います。
続けて、横浜市地震防災戦略概要で示されている住宅の耐震化率、34年度で95%と先ほど申したんですが、いまから10%上げる施策を具体化していかなければならないというわけですが、仮に来年度予算案で示されている耐震化施策を基本にした場合、耐震化率95%を達成するのは、いつごろだと想定されていますか、伺います。
坂和建築局長:10年間の計画でございますので、目標の34年までには達成していきたいと考えております。
古谷議員:倒壊の死者数については、できるだけ建築局としてはゼロに向かっていくという必要があるというふう思いますが、これからどう具体化していくのか、伺います。
坂和建築局長:地震による建物崩壊で亡くなる方を一人でもなくしていくということは、私どもの取り組むべき重点課題だと考えています。そのために、建物耐震化とともに、たとえ建物が仮に倒壊したとしても、命が守られるような防災ベッドや耐震シェルターの設置推進などを図っていくことが大変重要かと思っております。また、それに取り組んで参ります。
古谷議員:副市長、いま明らかに直下型地震が来た場合に、倒壊する可能性が高い住戸があるというふうにわかっているわけですが、対策のテンポ、上げる必要ないですか、伺います。
鈴木隆副市長:まさに、いま防災戦略の中で、そういった対策について議論をしているところでございますし、我々もこれから力を入れて全力で取り組んでまいります。
古谷議員:ぜひ本事業を積極的に推進していただきたいと重ねて要望しておきます。
最後に、震災ガレキが発生した際のアスベスト対策について、伺います。
新聞報道などで、阪神淡路大震災でボランティアをされた方が、いまじん肺を発症して苦しんでいる方もいらっしゃると聞いています。首都圏直下型地震が発生した場合、多くの建物が倒壊して、多くのアスベストが飛散する可能性があります。それによって健康被害の影響を少しでも低減させるための対策、検討する必要があると思いますが、どうか伺います。
坂和建築局長:平時より日頃から建築物のアスベストの使用実態を十分把握し、吹付けアスベストの除去などの対策を着実に進めることが、まずは重要だと考えています。また、建設関係業界においては、建築物の解体時におけるアスベスト対策に取り組んでおられますが、震災時にもこうした取り組みが確実に行われるよう、関係局とも連携し、業界団体への要請や情報提供に努めてまいりたいと考えております。
古谷議員:ぜひ、この問題は予想される被害だということですから、ぜひ対策を具体的に検討していただきたいと要望して、質問を終えます。
(2013.3.6)
白井議員: 日本共産党を代表して質問します。
まず、国民健康保険料算定方法の変更による影響についてです。内容を少し角度を変えて、質問をいたします。
国民健康保険条例の改正で、保険料の所得割額の算定方法が変更になることによって、世帯の3分の1が負担増となり、金額で言えば、昨年11月の運営協議会で示された資料によれば、所得200万の夫婦と子ども1人のモデルケースで、23万9000円が28万円になります。そして、所得200万の子ども2人の4人世帯では、25万円が32万3000円になりまして、本当に大きな問題です。
この影響を抑えるとして、賦課割合の変更や2年の経過措置、経過措置の一部に市費繰り入れの対策を講じることは、なんとか負担増を抑えようという方向は見えるんですけれども、3年後4年後を考えるとこの対策では極めて不十分だと思うんです。
それで局長にまず伺うんですけれども、まず賦課割合についてなんですが、新たに所得割額の負担が生じる非課税世帯など低所得世帯の負担を軽減するために、所得割が60対均等割40にします。川崎市、鎌倉市、秦野市は応能負担と応益割が65対35、逗子市は70対30です。本市もこの選択肢もあったはずですなんですけれども、60対40は不十分だと思うんです。もっと低所得の世帯に配慮すべきですが、どうか伺いたいと思います。
岡田健康福祉局長:賦課割合の変更については、今回大幅に保険料が上がるという方への配慮のために、賦課割合の変更をするものでございますが、その賦課割合を変えることによって全体への影響がやはりございます。その中で、どのくらいの賦課割合の変更にしたときにどういうような世帯の方がそれぞれ影響があるのか、このへんのところは自治体のそれぞれの市民のみなさんの収入状況であるとかそういったものによってずいぶん変わってきますので、そのへんのところは横浜市の中でいろいろな角度からシミュレーションをして、その上で今回横浜市は60対40というものにしたものでございます。
白井議員:続いても局長に伺いたいんですけれども、経過措置として、保険料の計算の基になる所得が減額されますけれども、実施の期間は2013年度、14年度の2年間となっています。川崎市や藤沢市は15年度までやります。葉山町は17年度まで5年間やります。なぜ本市は14年度まででとどめるのか、伺います。
岡田健康福祉局長:経過措置の対象でございますが、新たに所得割保険料が生じる市民税非課税者の方と、もうひとつは保険料負担が大幅に増加する所得控除額の大きいものの方、こういう方を対象として経過措置を行うわけですが、この経過措置の実施によりまして、賦課割合を変更してもなお急激に増加する保険料負担を段階的に抑制をするという効果がこの経過措置にはございます。
また、課題としては経過措置に要する費用を保険料に求めるために、経過措置対象外の世帯では保険料負担が増加するというようなこともありますので、これはやはり2年間で終わらせるということを考えました。
白井議員:ここでも、低所得世帯への配慮が必要だと思います。
経過措置の対象です。いまお話あったんですけれども、新たに所得割額の負担が生じる非課税世帯や、所得割額が大幅に増加する世帯としているんですけれども、川崎市や小田原市では、障害者控除や寡婦控除を受けている世帯も対象としています。本市はそれをなぜしないのか、伺います。
岡田健康福祉局長:今回の経過措置の対象とする方は、いままでの算定方式と今回の算定方式の中で、大きく差が生じる方を対象とするというような方式をとっておりますので、個々のそれぞれの世帯の、たとえば寡婦控除があるとかそういう個別の案件に着目してとるという方法ではなくて、その差があくまで大きい方のための経過措置ということで、制度的には設計をしたものでございます。
白井議員:低所得者で障害のある方の世帯、そしてひとり親世帯は本当に大変な生活で、これまであったものがなくなるっていうことは大きな変化なんですね。本当に大変だということ、ちょっと認識をいただきたいと思います。
そこで、行政側の都合で負担増の世帯が出るわけなんですけれども、周知をしっかりとすることが必要だと思うんですが、どのようにするのか伺います。
本田生活福祉部長:被保険者のみなさまへの周知方法でございますが、既存の広報媒体の活用や被保険者への個別の通知等をお出しをして、広く周知をする必要があると考えております。そのために、広報よこはまでありますとか、市のホームページ、あるいはポスター等を掲示して、十分な広報の実施をしたいというのが一点でございます。二点目は、被保険者の各世帯に個別でダイレクトメールを送付をさせていただきまして、今回の制度改正の趣旨あるいは軽減措置等について内容を記したものを個別通知を実施をしたいと思っております。また、文章で分からない部分があろうかと思いますので、このためにコールセンターをこの問い合わせ専用ダイアルを設置をして、対応していきたいと考えております。以上でございます。
白井議員:部長に伺います。金額がわかるようになっているのでしょうか。
本田生活福祉部長:保険料額がわかる保険料額通知は税が確定して、それを基に算定する6月に入っての通知になりますけれども、まずはその前に5月中に制度の改正でありますとか軽減措置の内容、その制度についてのご説明をまずさせていただきたいと思っております。
白井議員:それではその6月の通知の際に、経過措置をとるので13年度はこうなる、14年度はこうなる、その額に抑えられるだと。その後は措置がなくなってこれだけ上がるということを示さなければ不親切だと思うんですね。この点については局長に伺いたいと思います。
岡田健康福祉局長:個別の額については事前での通知ということはまだできませんので、そこでは制度のないようについて十分ご理解いただけるような内容をもってご連絡の方を差し上げたいと。実際の額の通知については、これは計算後ということに当然なるわけですけれども、それにあたってもいろいろとお問い合わせに十分対応できるようにしっかりと取り組んでいきたいというふうに思います。
白井議員:経過措置として行われる、保険料の基になる所得の減額のための費用が、加入者同志のやりくりだけでなくって、その費用の一部に15億6000万円の市費の繰入が行われます。これは大きな効果があると思います。しかし、これでも最大で2割増額になる世帯が出る可能性があります。障害などハンディーのある世帯、大変ですから、減免制度を誰でも申請できるように使いがってよく拡充する必要があると思うんですが、そういうお考えはないか、局長に伺いたいと思います。
岡田健康福祉局長:最初からやはり減免制度ということで制度をつくるということではなく、これはそれぞれのご家庭の事情であるとかそういったお支払いがなかなか困難であるという事情に着目してご相談に応じ、その結果として減免制度などを適応できるということであれば、そのようなお話をさせていただくわけですので、いまの時点で減免制度を拡充するということは考えてはおりません。
白井議員:経過措置があるといっても、2年経ったら元の木阿弥です。そうならないように、2年にとどまらず、恒久的な措置として同様の市費の繰入を講ずるべきですが、なぜしないのか伺いたいと思います。この部分については副市長に伺いたいと思います。
鈴木隆副市長:算定方式の変更は一部の加入世帯に大幅な保険料の増加をもたらすことから、この継続的な賦課割合の変更と合わせて、経過措置を実施するという考えでございます。ただ、経過措置につきましては、経過措置対象外の方にも継続的に保険料負担を求めることから、加入者の理解を得ることが大変長く続けるということは大変難しいことや、市費繰入についても本市の厳しい財政状況から難しい課題と考えておりまして、現時点では2年間の経過措置というふうに理解していただければと思っております。
白井議員:3年後4年後大変になりますので、その部分しっかりと検討をお願いいたしたいと思います。
続いて、生活保護事業についてです。
経済的困窮で保護費を必要としていても、申請を躊躇する方が増えているのではないかと思うんです。
私のところへの相談者は、今度中学生になるお子さんのいるシングルマザーで、25年間、大型車の運転で働いてきました。メンタルクリニックへ通院始めて、アルバイト雇用になって、体調不良で数か月はもう出勤できないと。預金も底をついたということで、お母さんおられますけれども頼れないということで、区役所へ保護の申請に行こうかと何度も考えたんだそうですけれども、申請しても窓口で厳しく言われて認められないのではないかとか、認められても常に負い目や申し訳なさを感じ続けることになるのではないかと、もう本当に心配されて、ギリギリまで我慢して躊躇していると、それでも頑張ろうと思っておられるんです。
そこで、区役所窓口に申請の相談に来る方の数はどのような傾向なのか、要因をどう分析しておられるのか、伺います。
本田生活福祉部長:来庁者の傾向でございますが、生活保護の相談窓口の来庁者数は平成20年9月のリーマン・ショック以降急増いたしましたが、最近ではやや減少傾向でございます。生活保護の動向は景気・雇用情勢の影響を大きく受けてまいりますので、最近の相談者数の減少傾向にも主に景気・雇用情勢の改善によるものがあるとみております。
白井議員:私のところへの相談では、運転中に毎日ラジオから聞こえてくる生活保護バッシングの報道によって、受けることに負い目を感じているということなんですね。 申請のハードルが高くなっていることによると思われるんですけれども、少なくなっているのは。局長はどういう認識でおられるか、伺います。
岡田健康福祉局長:区からいろいろと話しを聞いておりますが、いっとき芸能人の方が生活保護の関連でいろいろ話題になったことがありましたが、その直後には自分を生活保護を受けられるのではないかというような相談が増えたというような報告がございました。その後は特段その影響も感じられないということで、特に何か相談のハードルが高くなっているということはないというふうに思っております。
白井議員:それでは、別の点なんですけれども、経済的困窮があって、窓口にきても保護に至らない方がおられるわけで、そういう現状をどう認識してどう対応するのか、伺います。
岡田健康福祉局長:生活保護制度の概要とか相談窓口については暮らしのガイドや本市ホームページなどに掲載をして、生活保護制度をしっかりと周知するようにしております。また、生活にお困りになったらというチラシを作成をしまして、区役所の関係各課の窓口に置くとともに、民生委員の方や水道局あるいは東京電力とか東京ガスの営業所などを通じて必要な方への配布をお願いをしております。こういったチラシの配布については、今年度も孤立予防の取り組みでも事業者へ再度協力をお願いするなど強化して行っております。
白井議員:何か新たな事業が始まるときいておりますけれども、その点についても説明お願いできますでしょうか。
岡田健康福祉局長:国では、生活保護に至る前の段階にある生活困窮者の方に対する新たな支援策をいままだ検討しているという状況ではございますが、この施策において、生活困窮者の方のための相談窓口を設置して、その方に合った支援プランを作成し、就労支援などのメニューを適応するとともに、専門の職員が継続的な支援を行って生活困窮状態からの脱却を目指すと、こういうようなことを考えられております。これを受けて、本市では国の考え方に基づきまして、これは10月からということになりますが、中区で本事業についてモデル実施をしていく予定でございます。生活保護に至らなかった相談者の方に対して早期に何らかの支援を行えるものというふうに考えております。
白井議員:専門の職員配置ということですから、ここは正規でしっかり配置していただいて、丁寧な対応ができるように要望をして、終わりたいと思います。
不十分な障害者の外出支援施策見直しは再度見直しを
古谷議員:続いて、障害者の外出支援施策見直しの一つ、ガイドボランティアについて伺います。
今回の奨励金の引き下げについては、視覚障害者の方から私自身にもたくさんの異議が寄せられていますので、その思いをのせて、順次質問してまいります。
このガイドボランティアの見直しに関して、関係当事者の意見をどう反映させてきたのか、伺います。
岡田健康福祉局長:今回の見直しでは、全体でガイドボランティア等の見直し等は、約6割の方が理解できるというふうに回答しております。また、ガイドボランティア利用者の自由意見は86件ありましたが、それを分析しますと、77%の方が反対の意向ということで、そのうちの大多数はこの時点で一律500円とした奨励金の引き下げによって、ボランティアを頼みにくくなるとか、担い手が減ってしまうのではないか、こういうご心配に基づく内容でした。
私としましてはこのことを重く受け止めておりまして、今回の予算案ということの中では、市全体の合意をいただいて、基本は500円としつつも、交通費などが発生する場合は1000円というような見直しを行うなど、今回のいろいろな意見の中で、たくさん取り入れていけたというふうに思っております。
古谷議員:今までこの事業を献身的に支えてこられたボランティア組織の方いらっしゃると思うんですが、その方からどういう意見が出ているというふうに把握されてますか。
岡田健康福祉局長:今回のボランティア団体の方たちについては、やはりガイドボランティアの人たちをなかなか確保することができないというようなことで、人数がなかなか思うようではないというようなご意見をいただいております。
古谷議員:現在のガイドボランティアの数っていうのは、視覚障害者のニーズに対して足りていると認識されているかどうか、伺います。
岡田健康福祉局長:ボランティアの数でございますが、24年度の12月末の段階で1088人登録をされております。この数については、まだ実際利用したいという方がすべての方にボランティアが十分利用できるという状況にはなっておりませんので、そういう点ではさらに拡充をしていく必要があるというふうに思っております。
古谷議員:この見直しで、ボランティアの数はどうなると推計されていますか。
岡田健康福祉局長:私どもではこれからボランティアの育成を非常に重視して、その対策に力を入れていきたいというふうに思っております。従いまして、この数字については24年末の人数をお話しましたけれども、20年度末から考えても毎年ほぼ増員というか数が増えている状況にございますので、今後さらに力を入れていくことによってさらに増やしていきたいというふうに思っております。
古谷議員:「身近なところで」ガイドボランティアを養成すると言われますが、この4月からどう具体的にボランティアを養成するのか、伺います。
岡田健康福祉局長:25年度からは区社会福祉協議会に依頼をしまして、区社協のボランティアセンターが実施するボランティアの講座の企画にガイドボランティア登録促進につながるような内容を盛り込んでもらうようにしております。さらに移動情報センター実施区では、より地域に密着したかたちで地域のボランティアとしてのガイドボランティアを発掘・育成していただくように事業計画に盛り込み、実施をしていくというふうに考えております。
古谷議員:今回の見直しは、「身近なところで」といわれているんですが、現在、交通費を使わないでボランティアをされている方はどのくらいいると推計されていますか。
岡田健康福祉局長:23年度ということになりますけれども、通学通所ということでのボランティアさんについては、38%位ということですので、それを逆に読みますとだいたい6割位の方が。これは交通費ありの方が、いまいった約4割ですので、交通費なしの方は6割位というふうにみております。
古谷議員:いま聞いたのは、だいたい実態がつかまれてないというふうに私は指摘をしたいと思ってます。
移動支援センターも全市ではいま6つしかありません。ガイドボランティアを扱っている団体もいま全市で4つしかありません。そんな中で、身近なところで育成するんだという体制にそもそもなっていないというふうに思いますが、局長の見解、伺います。
岡田健康福祉局長:これまでのガイドボランティア数自体は年々増えておりますが、今後は、先ほどもお話をさせていただきましたように、区社協の方に依頼をして、ガイドボランティアの登録促進につながるような講座を開いたり、移動情報センターでの対応等など、ガイドボランティアの方がたくさん登録していただけるような環境をつくって、そういうような登録者数の増ということを見込んでいきたいというふうに思っております。
古谷議員:今回の提案、財政的には本当に大きな影響がある問題ではないというふうに思っています。ボランティアの実態もいまあまり把握されていないということがよくわかりました。制度設計もなかなかこの4月からというところではできていないという中で、なぜ金額だけを下げたのかというのは、私はどうしても理解ができません。これでは、視覚障害者の方がこの制度設計で納得できると考えますか。局長の見解を伺います。
岡田健康福祉局長:今回の見直しの考え方としては、公的な福祉サービスであるガイドヘルプを通学通所にも使えるようにするとともに、地域の住民活動であるガイドボランティアの利用範囲、対象者の拡大を行い、より使いやすい支援の仕組みをつくるような制度設計をしたものであります。こうしたことから、当初は地域に根ざした身近なボランティアを想定をし、奨励金もそれに合わせて謝礼を500円として設計したものでございますが、いろいろと当事者またはご家族の方などの市民意見募集などをする中で、それを見直し、今回は適正な額というふうにさせていただいたというふうに思っています。
古谷議員:この事業が対象にしている視覚障害者の方にとって、今回の見直しは、多少拡充部分はあるにしても、見直しとは言えず、改悪だと考えます。また他方で、外出支援施策全体の見直しの中では、知的障害者の方にとっては拡充部分があります。しかし、大きな見直しをするからといって、知的障害者の方の制度を拡充するから、視覚障害者の方の制度は多少悪くなっても我慢してくれということを今回の見直しでは言っているように感じますが、この点、局長、いかがですか。
岡田健康福祉局長:今回の移動支援施策全体の見直しでは、かねてより視覚障害者の団体からの要望が多かった余暇利用にもボランティアの利用範囲を拡大するとともに、回数制限を撤廃をし、必要な回数の支援を受けることができるように拡大策を盛り込んでおります。個別の障害者の状況はいろいろございますが、制度見直して、先生ご指摘のような状況ということにはなったというふうには思ってはおりません。
古谷議員:そうすると、視覚障害者の方は納得されるというふうに考えますか。
岡田健康福祉局長:いまもお話をしましたように、障害者を持った方の状況はいろいろございますので、それぞれの個々の方のお気持ちはいろいろあろうかと思いますが、今回は多くの方にご理解いただけるよう、私ども説明をし、そして今回の制度が進んだものというふうに思っております。
古谷議員:この不十分な提案というふうにあえて言わせてもらいますが、この際再度見直しをすべきというふうに要求して、質問を終えます。