日本共産党横浜市会議員
古谷やすひこ第一点は、新型コロナウイルス対策についてです。本来であれば早急に本予算を組み替えて対策予算を計上することが必要です。今予算案ではコロナ対策については一切計上されず予備費で対応している現状。これでは全く不十分です。先の見えない今の状況で、市民生活を守る立場で抜本的な対策をとるためには、不要不急の事業は後回ししてでも新型コロナウイルス対策を前面に打ち出して予算を組み替えるべきです。
まず医療検査体制の拡充です。医師が診察して、検査のオーダーを出して、出てきた検査結果をもとに診断を下す、これが通常の医療行為です。この新型コロナウイルスについては医師が判断しても検査を受けられないことで、市民不安も広がっています。症状がはっきり出て重症化するまで検査を受けられないというのは間違いです。18区にある福祉保健センターもフル活用してでも抜本的に検査体制を拡充させる、そのことで感染状況を明らかにすることは疫学的にも必要です。またこんな中、市中の民間医療機関は苦境に立たされています。マスクや衛生材料不足で困難をきたしているほか、感染を回避しようと通常必要な医療まで回避し外来患者数が顕著に減っており医療機関は苦境に立たされており対応が必要です。公衆衛生の要である保健所業務も激増しており早急な体制拡充が必要です。まもなく新病院に移転する市民病院については、旧病院の建物を今後の感染拡大のために活用することもすぐ検討するべきです。
この影響は、子どもたちへの大きな悪影響を及ぼしています。学校という子どもたちを守る居場所を奪ってしまった一律休校措置は解除される方向のようですがどうやって安全を確保できるのかの心配が出てきます。また茨城県つくば市では実施しているように昼食準備に困っている家庭の状況に配慮して本市も給食の提供を行うべきです。休校措置で受けられなかった授業についてその学習権を取り戻す対応を求めます。学童や保育園の現場に行って現場の声をよく聞き取り、現場の疲弊を解消する補助金給付にとどまらない対応を行っていただきたい。中止している母子福祉事業について、今だからこそ子どもたちを守るために思いつく限りのすべてのことをやっていただきたい。また虐待対応について、休校措置などで子どもが家に追いやられているときだからこそ、危険性が増している状況だと容易に推測できます。子どもたちを守る体制を強めていただきたい。
新型コロナウイルスの影響を受けて市内経済を守るためにありとあらゆる施策を打つべきです。市内中小企業向けの特別経営相談窓口の相談件数は2月中は一日多くても10数件。しかし3月に入ってから一日100件を超える相談が連日続いています。相談が寄せられた居酒屋さんでは「融資は結局借金でしかなく、先の見通せない中で借りれない。そもそも昨秋の消費税増税で大打撃を受けていた上にこれではやっていけない」と痛切な声が寄せられました。融資だけでなく抜本的な給付型支援を中小企業だけではなくフリーランスの方も含めて幅広く対応する施策を国任せにせずに市として打つべきです。また企業活動の縮小の中で、働く方々の権利が侵害されつつあると感じています。リーマンショック時に「年越し派遣村」が有名になり派遣切りで仕事だけでなく住むところまで無くなってしまった方が続出したことを思い出します。そんなことを繰り返してはなりません。国と連携して派遣切りや内定取り消しをとめる実効ある施策をつくることを求めます。
今指摘したのはやるべきことのほんの一端だと思います。こういう非常時こそ、公共の役割を発揮するときです。人員体制を増やし、改めて社会保障セーフティーネットの立て直したり、市民生活を防御する公共としてできうるすべての施策を実施するべきです。ましてや水道料金値上げなんてことは言語道断。国民健康保険料をはじめ少なくとも値上げはストップする。新たな劇場建設を検討している時期ではありません。白紙に戻すべきです。市民生活防御のためにありとあらゆる施策をいち早く打つことを求めます。
諸外国を見るまでもなく、国内の和歌山などでは疑わしいものについては検査をしています。
市内ではいま市衛生研究所がPCR検査を一手に行っていますが、それを民間検査会社にも協力を依頼しながら検査体制の拡充に踏み切るべきです。そして医師が必要だと判断すれば、PCR検査が受けられるような体制をつくることを求めます。
これからのIRカジノの導入スケジュールについて
今月から始まったIRカジノの市民説明会の運営についての改善を12月6日に、市のIR推進室に以下の通り、求めました。
1、一方的な市長の資料説明に大半の時間を使うのではなく、市民からの質問に市長が直接答える、直接対話する時間を多くする運営に変えること。その対話に必要な時間を確保するために閉会時間を延ばすなど柔軟な運営とすること。
2、司会者が必要以上にその場を仕切らないこと。
3、市長は、会場の市民からの質問について、質問の真意をくみ取り真摯に回答すること。
4、質問用紙で提出された質問には、その場で答えた質問も含めて、質問全てをホームページで回答すること。また、会場参加者の持参した質問も同様に取り扱い、回答すること。回答は説明会ごとに速やかに行うこと。
5、配布資料について、誤解を生む表現や根拠を示していない数字を示して市民に誤った認識を与える記述は訂正すること。
6、説明資料に市民から寄せられているカジノについてギャンブル依存症、街壊し、地域経済衰微など様々な不安、心配の声とそれに対する市の見解を記載すること。
7、会場に空きがあるのであれば、予約をしていない方でも入場を認めること。
8、会場入り口から市職員等が多数配置され、大層物々しく、市民が緊張して入場する事態であったので、市民が安心して参加できるよう対応すること。
その回答が以下の通り来ました。
様々な運営の改善はなされているのは認めますが、まだまだ全く足りません。
私からは、再度、①空いていれば事前申し込みなしで入れること。
②回収された質問事項に、いつまでに回答するのかを明らかにすること。
この二点を再度要望しました!!
本日の第四回定例議会の最終日に提案された教育委員の人事議案について以下の通り、賛成討論しました。
人事議案についての討論
日本共産党 横浜市会議員団
古谷やすひこ
教育委員の人事議案について討論します。私たちは、今回の議案については賛成します。そもそも教育委員の任命は、首長が自らの部下を任命する行為ではなく、かつての公選制に代わる地域住民の民意を反映するための任命です。国会でもこのことは、当時の下村文科大臣が「教育委員の任命に当たっては、多様な民意が反映されるよう配慮することが求められています。」と答弁しています。新たに教育委員として着任されるにあたって、改めて教育委員は、こうあるべきという姿を発言させていただきます。
教育委員会は、都道府県及び市町村等に置かれる合議制の執行機関であり、教育・生涯学習・文化・スポーツ等の幅広い施策を所管しており教育行政の最高意思決定機関です。文科省のホームページによれば、教育委員会には、3つの特性があります。一つは首長からの独立性。首長への権限の集中を防止し、中立的・専門的な行政運営を担保すること。もう一つは合議制。多様な属性を持った複数の委員の合議により、様々な意見や立場を集約した中立的な意思決定を行うこと。最後は、住民による意思決定。住民が専門的な行政官で構成される事務局を指揮監督する仕組み(レイマンコントロール)で広く地域住民の意向を反映した教育行政を実現すること。
教育委員会の3つの特性のうち、特にこのレイマンコントロールについてですが、これを実現するためには、教育委員の方々が、子どもや保護者、教職員、住民の悩みや願いを誠実に聞くことを積極的に行うことがどうしても必要になっていきます。そうした現場の実態から得た知見や感覚をもとに教育委員会事務局ともやり取りをしながら教育施策を豊かにしていくものだと思います。例えば、埼玉県の鶴ヶ島市では、条例をつくって住民参加で市の教育施策を策定していくことを目指しています。市の教育大綱を策定する際にも、子ども・教員・保護者らにアンケート調査を実施し、その結果に基づき保護者・住民・教職員と対話を重ね、子どもたちから直接ヒアリングも行い市の教育大綱をボトムアップで作り上げています。本市のような大都市で、現場の声を教育施策に反映させるのは困難があります。公立小中学校だけで600を超えます。現場の声を聞くといっても6人の教育委員で対応するのは不可能に近いです。この困難を解消するために、行政区単位に一定の権限を委譲するような区ごとの教育委員会を置くことなど工夫が必要ではないかと思います。そして自治体の教育施策を住民側からチェックし改善することが教育委員に課せられた大きな役割だと思います。そうした裏付けを教育委員一人一人がなければ、教育委員会は形骸化してしまいます。
今横浜市の教育行政の中では、真っ先に教員の働き方改革の問題、教科書採択のプロセスの改善について、教育委員会の中で論議いただきたいと思います。特に教科書採択について、来年度は中学校の教科書採択が行われます。横浜の公立中学校では、現場の評価が高くない育鵬社版の歴史公民教科書が使用されています。私たちは市教委の教科書採択の在り方について、これまでも繰り返し問題点を指摘し改善を求めてきました。最大の問題は、学校現場の意見を調査・集約しないことです。県内の多くで実施されている現場の教員と学校の意向を尊重する仕組みを横浜でもつくることを検討いただきたい。横浜市教育委員会のホームページでは「地域住民の多様な意見を反映」することが教育委員会の目的の一つとして設置されていると書かれていますから、それを文字通り実践するように望みます。教科書採択の公開性を高めるために、場所についても工夫していただきたい。今までは通常の教育委員会会議室で傍聴者が少数に限られる場所になっていますが、多くの市民の皆さんが望む開かれた教科書採択を実現していただきたい。このことも、教育委員会の在り方から考えれば当たり前のことです。来年の教科書採択は、新市庁舎で行われることになると思いますから、多くの市民のみなさんが高い関心をもつ事柄ですから、傍聴希望される方がすべて入れるような公開の場所で行われることを望みます。
また分校化された北綱島特別支援学校についても、元の本校に戻してもらいたいという声が現場から上がっています。新たな教育委員に着任されるにあたって、ぜひ現場の保護者の声を聞いていただきたい、子どもたちの様子を見ていただき、現行の方針についても再検討いただきたいと思います。
また県内で中学校給食の唯一実施されない自治体となってしまうことについて、子どもたちや保護者の声に真摯に耳を傾け、たとえその当事者の声が市長の意向に反していても、教育委員会は市長部局と一体の組織でもなければ、下請け機関でもなく、独立した組織ですから、ぜひ真剣に検討いただき教育委員としての役割を発揮していただきたい。
縷々述べましたが、教育長に置かれましても、あらためて教育委員会の役割や成り立ちを鑑みて、透明性ある、住民参加の教育行政運営に当たっていただきたいことを申し上げて、討論を終えます。
以上