日本共産党横浜市会議員
古谷やすひこ2019年8月6日
横浜市長 林 文子 様
日本共産党横浜市会議員団
団長 荒木由美子
ノース・ドックにおける自衛隊による米軍との施設警護共同訓練中止の申し入れ
8月1日、政策局の松村岳利基地担当理事より、市会議員に対し、防衛省から8月22日~23日にノース・ドックにおいて陸上自衛隊が米軍と共同で訓練を実施する旨の連絡があったことが報告されました。
訓練内容は、「米軍基地内の巡察・車両検索及び不測事態対処等の機能別訓練」を陸上自衛隊40名程度で行うというもので、米軍の参加人員は公表されていません。この訓練は昨年も同じ期日に実施されています。
当局見解は、この訓練は自衛隊法81条が規定する警護出動命令に備える訓練であり、なんの問題もないというものです。しかし、私たち議員団は、首肯できません。
近年、横浜港をめぐる情勢に危険な動きが現出していることを大変危惧しています。ノース・ドックでは、昨年4月オスプレイの陸揚げと横田基地への飛行として使用され、同年夏には、日米軍事訓練(オリエント・シールド)に使用する武器類の搬出入の共同訓練も実施されています。さらに本年4月~5月には横須賀基地に配備されている米艦船の定期修理が民間造船所で行われています。米艦船の国内初の民間修理の場に横浜港が使用されたものです。
いま国政では、安保法制化以降、軍事力増強と日米共同訓練の強化が図られています。この具体的な現れとして市内と横浜港で起きている事態をとらえることが住民のいのちと暮らしを守る地方自治体として必要と考えます。
ノース・ドックの港湾施設から軍事訓練施設への基地機能強化のどんな動きに対しても、見過ごすことなく、ノーの意思を示し続けることが市是とする早期返還のためには不可欠です。そこで横浜市国際平和推進条例を遵守する立場から下記のことを国に申し入れることを要望するものです。
記
2017年12月21日
国際園芸博覧会の基本構想(素案)の見直しを求める日本共産党の見解
日本共産党横浜市会議員団 団長 荒木由美子
横浜市は、2026年に旧上瀬谷通信施設での国際園芸博覧会(花博)開催を目指しています。上瀬谷通信施設跡地は242ha(国有地45%、私有地45%、市有地10%=道路)の広大で平坦な首都圏に残された貴重な土地です。この土地利用について、市は郊外部の再生に資する新たな活性化拠点の形成を目指すとしています。そのため、都市基盤整備の促進、国内外の先導的なまちづくりに寄与する、花博の招致検討を進めています。花博基本構想(素案)についての市民意見の募集にあたり、党市議団の見解を述べるものです。
そもそも国際園芸博覧会は、オランダのハーグ市にある国際園芸家協会(AIPH)が決定し、パリに本部を置く博覧会国際事務局(BIE)が承認する博覧会です。もともと、園芸博は、花や野菜の品評会、見本市という欧州の伝統的なイベントであり、生産者の利益を図り、技術の向上をはかるというAIPHの展開策です。振り返れば、国際博覧会は、1851年のロンドン万博以来、国威発揚の場でした。しかし、近年では、人類共通の課題解決にむけて、先端技術など世界の英知を集め、新たなアイデアを創造・発信する場、多様な文化や価値観を共有し、相互理解を促進する場へと総じて進化しています。横浜市が「花博」誘致希望であれば、その原点に立ち、歴史を踏まえることが必要です。
1) イメージできないメインテーマは見直すこと
メインテーマを「Scenery of Happiness ~幸せを導く風景~豊かさを深める社会への契機・進化に向けて」としていますが、ここからは横浜カラーの花博のイメージが見えてきません。1990年開催の大阪の花博は「自然と人間との共生」、2016年開催のトルコ・アンタルヤの花博は「花と子供達~将来世代のための緑豊かな暮らしを拓く」をメインテーマにしています。これを見ても横浜はあまりにも抽象的すぎます。しかも英語表記が前面です。市民がイメージしやすいよう、日本語で自然、環境、緑の重要性を訴えるものに見直すことが必要です。
2)花博を再開発の手段としないこと
「開催意義と効果」のうち、日本での「視点」としている「国内外の来訪者により観光立国や首都圏の観光MICE(マイス)の推進に貢献」「高水準の情報通信等による次世代の社会環境や第4次・第5次産業革命を先導」は、国策への追随そのものです。上瀬谷の「視点」として「上瀬谷の拠点整備により郊外部の活性化モデルとして圏域振興を牽引」と、「事業展開の考え方」での「郊外部の活性化拠点として上瀬谷の整備と合わせて、存在感のある選ばれる・住み続けられる都市づくり」等は、花博自体の意義にはつながらず、花博そのものから得られる効果とも言えません。花博後の土地利用として都市基盤整備を円滑にすすめるためとの意図が露骨に示されています。花博を再開発の手段とすることに国際的理解は得られません。横浜市が主導するわけですから、国際的イベントであっても、開催費用の一部を負担する373万市民にとって、どういう意義があるかを前面に打ち出すことを求めます。
3)1500万入場者数を既成事実化しないこと
入場者規模は1500万人以上を想定、会場規模は80ha~100ha(国有地)、開催経費として運営・建設費を510億円から600億円と見込んでいます。大阪花博は1990年、大阪市鶴見緑地(105ha)で日本初の国際園芸博覧会として開かれました。入場者数は2300万人。建設・運営費892億円。主な財源は入場料492億円、国費66億円、自治体負担100億円、公営ギャンブル団体寄付100億円、企業寄付88億円です。建設運営費の他に特別会計300億円で諸事業を展開し、その財源に40億円の宝くじ収益金を充当しています。公営ギャンブルと民間資本に大きく依存していることが分かります。
このように大阪花博は、バブル期の開催の恩恵をフルに享受したと云えます。横浜の場合は、2026年開催であり、経済状況は全く読めません。事業企画内容についても市民ニーズ、時代に適合したものになる保証はありません。郊外部の開催であり、交通アクセスは、地下鉄駅が会場内という大阪花博と比べて、悪いのは明白です。しかも、大阪市が、横浜の前年2025年開催の万博誘致には躍起になっています。連続開催によるデメリットも考慮しなければなりません。2009年開催の横浜開国博Y150の有料入場者数実績は目標500万人に対し124万人という悲惨な結果でした。苦い経験を想起すべきです。1500万人を既成事実化して、建設運営費予算を立てることは、Y150の教訓を踏まえないことになり、やってはいけないことです。
4)会場外の関連公共事業は、巨大化を避け、身の丈に合ったものに
大阪花博では、関連公共事業として地下鉄1000億円、道路347億円、公園170億円、下水道162億円など総額1853億円の巨費を要したと聞いています。大阪市財政に多大な影響を及ぼしています。横浜の会場予定地は、相鉄瀬谷駅から約2㎞、環状4号線が貫通しているものの交通アクセスは脆弱です。6か月の開催期間で1500万人の入場数は、一日平均8万2千人となります。この受け入れをスムーズにするには、道路整備、輸送手段の確保、下水道整備など関連公共事業が求められます。市財政への負担は避けられません。市は国費を入れて、関連公共事業の推進を図ろうとしていますが、国費投入の実現性は、国の財政状況から見て極めて不透明と云わざるを得ません。市会会派から導入を求められているLRTは、宇都宮市の事業計画では1キロ当たりの事業費は30億円です。花博用には有効だとしても、公園を中心とした「跡地利用指針」からみると、採算上過大投資と云わざるを得ません。
5)土地利用とまちづくりは市民合意で
花博誘致にあたっては、返還跡地活用のための基盤整備促進の国費呼び込みを露骨に打ち出した基本構想を改め、これまで瀬谷区役所をはじめ地域連合会や地権者で策定された「米軍施設返還跡地利用指針」等で示されている「広域の防災拠点」「緑を享受する自然リクレーション空間」「都市型農業の振興」と整合性のとれた構想にすべきです。同時に、首都圏に残された貴重な土地の跡地利用やまちづくりについては十分な時間をかけ、地権者をはじめ市民との合意形成を丁寧におこなうことが重要です。
市民にとって意義のある花博開催となるよう、以上の提案・見解を踏まえた素案の見直しを求めるものです。
古谷議員:
今回の市長選挙の中で、横浜市の原爆被災者の会等から、各市長候補に対してとったアンケート結果が公表され、その際、林市長はヒバクシャ国際署名について賛同もせず「国の動向を見て対応を判断してまいります」と全く主体性のない回答をされています。市長はもちろんご存知だと思いますが、ヒバクシャ署名とは「被爆者は、すみやかな核兵器廃絶を願い、核兵器を禁止し廃絶する条約を結ぶことをすべての国に求めます」というもので、市長はこの趣旨になぜ賛同できないのか、まず伺います。市長は、平和首長会議の一員であり、先月開催された平和首長会議でも「核兵器禁止条約への参加を全加盟都市から自国の政府に働きかけていく。特に、核保有国と核の傘の下にいる国々の政府には、強く働きかけていく」と決議されています。
また、広島市長・長崎市長の連名で、ヒバクシャ署名への協力の手紙が届いているにもかかわらず放置しています。市長はそもそも国連での核兵器禁止条約が議論された場を欠席した日本政府の態度を市長はどう感じたのか伺います。
核兵器をめぐる議論が大きく進み始めている今、平和首長会議の一員でもある本市はどういう立場に立つのかが問われます。平和首長会議で決議されたことに応えて、国に対しても核兵器禁止条約を批准するように求めるべきと思うが、どうか伺います。
林市長:
国際署名について質問いただきました。今年7月に国連で採択された核兵器禁止条約の発効をめぐる今後の動向を見守って参りたいと思います。今後も、横浜市はピースメッセンジャー都市として、核実験を行ったあらゆる国に抗議してまいりますし、国際平和をテーマとしたイベントや、核兵器廃絶に向けた市民活動の支援など取り組みを進めてまいります。
核兵器禁止条約をめぐる日本政府の態度への見解でございますが、条約については、核兵器保有国と非保有国との意見の違いも見られるなかで、国において判断されたものだと思っております。国に対しても、核兵器禁止条約を批准するように求めるべきと言うご意見でございますが、条約については、今後の動向を見守ってまいりますが、現時点で国に対して、求めることは考えておりません。
2017年9月5日横浜市長 林 文子 様
日本共産党横浜市会議員団
団長 荒木 由美子
横浜ノース・ドックでの米軍と自衛隊による合同「軍事」訓練中止の申し入れ
8月25日、防衛省南関東防衛局から横浜市に対し、9月上旬に瑞穂ふ頭/横浜ノース・ドックにおいて陸上自衛隊と米陸軍との実動訓練(オリエント・シールド)の一部を実施すること、および訓練概要について情報提供がありました。これを受け、横浜市は南関東防衛局に対して、弾薬の搬入が行われないこと、施設の機能強化につながることのないことなど4項目の要請を行いました。
今年に入ってから横浜ノース・ドックでは3月に日米共同の防災訓練、6月にビッグレスキューあづまという防災訓練が行われています。昨年4月には、米軍が無通告でヘリコプターによるリフト訓練を実施しています。また、8月3日には、米軍のヘリコプターがベイブリッジ付近で低空飛行を行っています。横浜港を米軍が頻繁に使用することに、多くの市民が不安を抱いています。横浜ノース・ドックは、米軍に港湾施設として提供されているものですが、最近ではあたかも訓練施設であるかのような使用実態です。
今回の米陸軍と陸上自衛隊の実働訓練は、「陸上自衛隊と米陸軍の部隊が、それぞれの指揮系統に従い、共同して作戦を実施する場合における相互連携要領を実行動により演練し、相互運用性の向上をはかる」という目的に示されるように純然たる軍事訓練です。横浜ノース・ドックをなし崩し的に訓練施設とすることは、横浜港の軍港化にもつながり、到底容認できません。
以上の経過を踏まえれば、先に行った横浜市の国への要請は、不十分と云わざるを得ません。日本共産党横浜市会議員団は、横浜市の市是である市内米軍基地の早期全面返還という見地から、以下の点について横浜市が国に対して申し入れることを要請します。
2017年6月14日
横浜市長 林 文子様
日本共産党横浜市会議員団
団長 荒木由美子
陸上自衛隊東部方面隊災害対処演習について、
横浜ノース・ドックでの訓練内容の全容公表など必要な対応を求める申し入れ
先週、防衛省から本市に対し、横浜ノース・ドックの一部土地において、陸上自衛隊東部方面隊災害対処演習(「ビッグレスキューあづま2017」)の一部を実施するために、米軍・豪軍との共同使用する旨の連絡が入りました。
今回のノース・ドックの共同使用は、日米合同委員会の承認を得たもので、その内容は、陸上自衛隊が約3万5千平方メートルの土地を使い、米軍との実働訓練(離島災害対処訓練)を6月20日~30日まで実施するというものです。
陸上自衛隊は、「ビッグレスキューあづま2017」の概要を公表し、その目的は、自治体、防災関係機関及び米軍等と協力して南海トラフ地震対処計画の実効性を検証するとともに方面隊の災害対処能力の向上を図るとしています。そして東部方面区及び同周辺海・空域において、南海トラフ地震及びこれに伴う大規模津波に対処する演習を実施します。参加部隊は、自衛隊が人員2千人・車両250両・航空機7機、米軍が人員40名・揚陸艇1隻・車両4両、豪軍が人員3名(オブザーバー参加)と、11都県9市町村27機関です。
私たちは、自衛隊の防災訓練を否定するものではありません。しかし、在日米軍の参加は賛同できません。それは米軍の災害支援が、極めて不確実であり、米軍参加を前提とした訓練は、実際に災害が発生した場合にあたっての対応としては、適切でないからです。また、ノース・ドックの使用は、米陸軍物資の揚陸の場という本来の位置づけを変えて、日米合同の実働訓練の演習場へと機能強化につながるものです。横浜港の安全のためにも、ノース・ドックの撤去が求められています。
そもそも、災害時の対応は、県や市町村が設置する災害対策本部の指揮下の下に統一的に行われるのが原則です。今回の訓練は、本市に対しては、通知のみで事前説明や市民への理解を求めないまま実施されようとしています。このような地方自治体軽視の姿勢は看過できません。
とくに、今回の訓練は、横浜港の中心に位置するノース・ドックを使用するにもかかわらず、その中身・全体像が市民、港湾関係者には知らされていません。
よって、以下の点について市としてただちに取り組むことを求めるものです。
記