日本共産党横浜市会議員
古谷やすひこ本日(8月1日)、横浜市教育委員会で来年度から中学校等で使われる道徳の教科書が「東京書籍」に決まったと発表しました。
私たちは、道徳を教科化して評価していくことそのものに反対しています。
しかし、この間、本市の教科書採択が公正かつ適正に行われるように、実際に教科書を使う現場の声がより反映されるように、7月19日付で以下の通り申し入れを行い、その回答が8月1日付けでありました。
1、教科書展示会で寄せられたアンケート用紙は事務局扱いに留めることなく、審議に活かされるよう教育委員全員に届けること。
2、審議に当たっては、委員が教科書名をあげて評価や意見を述べるよう改めること。
3、投票は記名投票とすること。
4、会場についても傍聴希望者全員が直接傍聴できる会場に変更すること。あわせて資料を配布すること。
5、学校現場の意見・集約は、調査員に留まることなく、緊急に学校の意向を把握する手立てを講じること。
6、教科書取扱審議会の答申は、答申時点で市民に公開すること。
回答は以下の通りです。
全体的にしぶい回答ですが、申し入れの1の教科書展示会のアンケートの扱いについては、「検討」するとのこと。
引き続き、横浜市の教科書採択がより開かれたものになるように改善を求めていきたいと思います。
本日の夕方、横浜市長あてに、「横浜市地球温暖化対策実行計画(改定素案)についての日本共産党からの修正の申し入れ」を行いました。
2018年7月25日
横浜市長 林 文子 様
日本共産党横浜市会議員団
団長 あらき由美子
横浜市地球温暖化対策実行計画の改定にあたってのパブリックコメントとして、大都市横浜が率先して全国自治体の先頭を立って温暖化対策を推進することを期待して、再生可能エネルギーに限定した日本共産党市議団の意見を述べます。改定素案への反映を要望するものです。
1、脱原子力発電、脱石炭を計画の基本に据えること。
日本の温暖化対策、エネルギー政策は3・11東日本大震災による東京電力福島第1原子力発電所事故によって大きな転換を強いられています。2014年3月策定の前計画はこの認識をもとに作成されています。前計画は、2011年3月に策定した計画の改定版ですが、計画作成の背景として「東日本大震災以降、我が国の温暖化対策やエネルギー政策をとりまく状況は大きく変化しており、再生可能エネルギーやコジェネレーション等を活用した自立分散型エネルギーシステムの導入による、災害に強く低炭素な地域づくりが国を挙げての課題となるとともに、原子力発電への依存を引き下げていくことが方針として打ち出されている」と説明しています。そして、第二章「計画の基本的事項」では、基本方針として「原子力発電や化石燃料に過度に依存しない、地域におけるエネルギーの創出と地産地消の推進」を掲げています。基本認識と方向性は、脱原子力発電、脱石炭という世界の趨勢に沿ったものでした。しかし、改定素案には、脱原子力発電、脱化石燃料という視点が全く欠落しています。人類にとって未完成の技術である原子力発電への依存からの脱却は今や世界の流れとなっています。再稼働をめざす国の政策はこの世界の流れに逆行するものです。国策への追随では、地方自治体の存在意義が問われます。横浜市の自主的判断で原発ゼロの旗を掲げることが必要です。
2、市内温室効果ガス排出削減の中長期目標の設定にあたっての電力の想定排出係数を見直すこと。
改定素案は、2013年度を基準年とした削減目標を2020年度は22%、30年度を30%としています。国の目標(30年度26%)より高く設定していることは評価できます。しかし、そもそも国の30年度目標は、国際的基準である1990年比に直すとわずか18%削減にすぎません。日本政府の対応の抜本的見直しが求められます。
また削減目標を設定するにあたって、電力の想定排出係数を、2020年度は原発事故前の2010年度の係数としています。排出係数は、電気の発電の際に燃料の燃焼に伴って排出されたCO2量を供給した電力量で除した数値です。東電の2010年度の排出係数は、0.375kg-co2/kwhですが、2016年度は0.486 kg-co2/kwhです。原発事故以降の石炭火力発電による大量のCO2排出の実態を示しています。2010年度の係数で20年度の排出量を測れば実際の排出量より低くなることは明らかです。その分削減量が増えるのは確かですが、それはあくまで机上の計算であり、環境負荷の実態を覆い隠すことにつながるだけです。2030年度の排出係数は、国の計画を踏まえた係数0.370 kg-co2/kwhとしています。そもそも国の計画は、2030年度の電源構成を原子力22~20%としており、原発に固執したものです。原発の再稼働・老朽原発の運転延長・既存原発の建て替え・新設を前提とした国の政策に同調することを市民は求めていません。国の枠内での取り組みに拘らない計画に見直すことを求めます。
3、前計画の到達点と総括を明らかにした上で、再生可能エネルギーの設備導入量目標を引き上げ、その目標を達成するための具体的対策を盛り込むこと。
前計画は、再生可能エネルギーに関して、短期・中期の目標とともに事業量目標を示し、目標達成のための取組方針と主な対策・施策を定めています。しかし、改定素案には、この取組みについての到達点も総括も明らかにされていません。前計画が掲げた、設備設置のための誘導策の検討、太陽光発電等設備への設置費助成、再生可能エネルギー導入検討報告制度の充実、地域密着の普及啓発、設置事業者に対する優遇措置などの施策ごとに到達点を把握し、課題を整理することなくして次の手立てを講じることは不可能ではないでしょうか。
改定素案は、横浜の将来像の各論の一つとして「再生可能エネルギーを主体として巧みに利用しているまち」を掲げ、基本方針として最大限の再エネ導入と水素社会の実現を謳っています。そして再生可能エネルギーの設備導入量目標を20年度43万KW、30年度59万KWとしています。目標は、前計画を踏襲したものであり、パリ協定の締結、猛暑・豪雨の多発など異常気象現象を踏まえた目標とは到底言えません。引き上げが必要です。
再生可能エネルギーの特性は、市民、地域主体が取り組むのに適したエネルギーであり、それが可能だということです。自治体政策として市民の取組を支援するソフト・ハード両面の支援策が奏功すれば、普及が急速に進むことは間違いありません。この視点からの再生可能エネルギー普及に関する対策・施策の抜本的拡充が求められます。改定素案のそれは、再生可能エネルギー導入検討報告制度の実施、市内の再生可能エネルギー・未利用エネルギーの導入・自家消費の促進、公共施設等における再生可能エネルギー等の導入拡大、ごみ焼却工場の長寿命化工事・建替等による発電能力の向上を掲げています。この記述は方針を示しているだけではないでしょうか。はたして実行計画と云えるでしょうか。これでは市民、企業は何をすればいいのかわかりません。
また、その内容も不十分です。これまでの庁内での検討を積み重ねてきた到達点と知見を踏まえた先進的で先駆的な施策に果敢に踏み出すことを求めるものです。この点では、2011年3月策定の横浜市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)は学ぶところが多いと受け止めています。同計画では、普及の事業主体をつくること、普及の仕組みとして規制的・経済的・事業的手法を駆使する、地域密着の普及啓発をはじめとした社会的手法を総合的に組み合させて再生可能エネルギーの飛躍的拡大をはかるとしています。これを踏まえた施策の拡充と具体化をはかるべきです。
4、再生可能エネルギー条例の制定検討を明記すること
地球温暖化の防止に関する取り組みについて横浜市は、「横浜市生活環境の保全等に関する条例」で規定しています。条例は、地球温暖化の防止に関する横浜市、市民、事業者の責務等を定めた上に、市長には排出抑制に関する指針を、事業者には地球温暖化対策計画の作成と市への提出等を求めています。しかし、再生可能エネルギーの導入・使用の促進についての規定は見当たりません。
2011年の福島原子力発電所の事故を受けて、29自治体(2016年4月現在 龍谷大学・櫻井あかね)が脱温暖化とエネルギー転換、安全なエネルギーの確保を目的に再生可能エネルギー導入の利用促進を掲げた再生可能エネルギー基本条例を制定しています。長野県飯田市の条例はその目的を市民が主体となって地域の自然資源を再生可能エネルギーとして利用することを「市民の権利」と謳い、その市民の権利を保障するために市の政策を定めると規定しています。全国的には条例制定によって、地域での事業計画の把握、地域住民と合意形成、庁内統制、住民による再エネ事業への支援が促進されています。全国最大の基礎自治体の横浜市での条例制定は、全国に波及します。条例制定を盛り込むことを求めます。
以上
記録的な猛暑が続く中、本日(7/25)、横浜市に対して「生活保護を利用している方等から熱中症患者や死亡者を出さないための緊急申し入れ」を行いました。申し入れた内容は以下の通りです。
2018年7月24日
横浜市長 林文子 様
日本共産党 横浜市会議員団 団長 あらき由美子
今年は特に例年以上に連日の記録的猛暑が続いています。
「総務省消防庁は24日午前、熱中症の症状で16~22日の1週間に救急搬送された人数が全国で2万2647人にのぼり、1週間分の集計を始めた2008年以降では最多となったと発表した。このうち65人が死亡し、1週間の死亡者数も08年以降で最多となった。(7月24日付の毎日新聞)」と報道されています。本市でも、7月19日までの速報値で、498人の方が熱中症で搬送されているという状況です。 横浜市もホームページで、7月19日付で「熱中症に注意しましょう」と題して市民啓発の記事が掲載されています。その中で、「水分・塩分の補給」「服装への注意」などと一緒に「部屋の温度調節 ~部屋の温度は28度を目安にしましょう」「扇風機やエアコンを使いましょう ⇒気温や湿度の高い日には、無理な節電はせず、適度に扇風機やエアコンを使いましょう」と呼びかけています。
そんな中、従来の生活保護利用者は、暖房は認められるようになったものの、いまだにエアコン設置は基本的には認められていません。しかしようやく、国の新しい通知が6月末に出され新規に生活保護申請される方から一定の条件付きでエアコンが家具什器費として認められるようになりました。
しかし、従来の生活保護利用者には適用されず、命にもかかわる熱中症対策からいって
もこのまま放置はできません。 至急以下の手立てが講じられるように、申し入れを行います。
①国が6月に出した新しい通知が間違いなく対象の方に伝わるように、「お知らせチラシ」を作って新規受給者にはもれなく手渡し説明をすること。
②新規の生活保護利用者だけをエアコン設置を認めるというのは、理屈に合いません。エアコンを普通の家具什器費として認め、すべての生活保護利用者がエアコン設置を認めるよう国に求めると同時に、市としても緊急事業として行うこと。また、福島県相馬市のように、65歳以上の生活保護利用者に準ずる住民税非課税世帯の方も対象にエアコン購入・設置費の補助を緊急に行うこと。
③2017年度版の生活保護手帳のP201の「暖房器具の購入に要する費用の範囲」とのQ&Aの中にこういう記述があります。
(問)局第7の2の(6)の「暖房器具の購入に要する費用」には、冷暖房器具の購入に要する費用を含むのか。
(答)「暖房器具の購入に要する費用」には、暖房用の器具として、暖房機能に加えて冷房機能を有する機器を購入する場合の購入費用を含む。ただし、その場合でも購入費用の上限額は、20000円となる。 |
上記のQ&Aを活用して、本市で従来生活保護を利用されている方々に対しても、エアコン未設置の方に設置が進むように市として取り計らうこと。
④当面、従来の生活保護利用者が県社協からの「生活資金貸付金」の借り入れによってエアコン設置ができ、収入認定にもしないことをすべての対象者に案内チラシを作成して手渡すこと。
⑤当面、県に対して県社協の「生活資金貸付金」を生活保護利用者がエアコン設置をする際での貸し付けがスムーズに進むように求めること。
⑥また、次の数値資料を提供すること。
今まで熱中症で亡くなった市内の生活保護利用者の過去五年の件数を明らかにすること。
本市の生活保護利用者のうち、エアコンが設置されていない世帯の件数を明らかにすること。
⑦生活保護利用者等の夏季のエアコン設置による電気代相当額を、市独自の法外援護として支援すること。
以上
この夏は、教科化された中学校の道徳について、どの教科書を使うのかを決める教科書採択が8月1日に行われます。
この教科書採択に当たって、公開性と透明性を高めるために緊急に教育長に対して以下の通り申し入れを行いました。
2018年7月19日
横浜市教育委員会教育長 鯉渕信也 様
日本共産党横浜市会議員団
団長 あらき由美子
中学校道徳教科書の採択にあたっての公開性・透明性を高めることを求める申し入れ
2019年度、2020年度に使用される中学校道徳教科書の採択が、8月1日(水)開催の横浜市教育委員会会議で行われる予定です。本年度の教科書採択は「平成30年度横浜市教科書採択の基本方針」にもとづいてすすめられています。
日本共産党は、民主主義社会の道徳教育は、すべての人に人間の尊厳があることを土台にし、子ども一人ひとりの選択による価値観形成を大切にする、市民道徳の教育として行われることが大切との考えに立っています。安倍政権は「道徳の教科化」によって、国が教科書検定などを通じて上から子ども、ひいては国民の道徳を管理しようとしています。このような国定道徳の押しつけに反対です。憲法や子どもの権利条約などの学習、いじめや人間関係のトラブルなどをみんなで解決していくクラス討論や学校行事などの自治活動、すべての授業や生活で子どもが人間として大切にされ体罰などがきびしく批判されること――そうした教育全体をとおして市民道徳の教育が行われるべきです。「道徳の時間」はそれらの一つとして位置づけてこそ有効なものになります。
そうしたことから市民がどの教科書が採択されるのかに特別の関心と注目を寄せるのは当然のことです。戦前の偏狭な愛国心教育の弊害を認識している市民にとっては尚更です。安倍首相の真珠湾での演説の掲載、伊勢神宮を「ご鎮座以来、国家の繁栄と国民の幸せを祈って」と描写、植民地台湾でのダム建設を指導した土木技師を紹介する教科書に対して、子どもの心を特定の方向に誘導するものではないか心配する声が集中しています。教科書会社8社のうち3社が、学習指導要領が示す22の徳目毎に数値で自己評価することを生徒に求めていることに対しても疑問や不安が多く寄せられています。
日本共産党市議団は、市教委の教科書採択の在り方について、これまでも、繰り返し問題点を指摘し、改善を求めてきました。横浜市の最大の問題点は、学校現場の意見を調査・集約しないことです。本年3月の予算特別委員会の教育委員会審査では、県内の多くで実施されている現場の教員と学校の意向を尊重する仕組みを横浜でもつくること、教科書展示会のアンケートに寄せられた市民意見を審議に活かすことなどを要望しています。
しかし、示されている採択の基本方針では、学校現場の声を聴取することを定めていません。党市議団が視察した中央図書館の教科書展示会のアンケートは、「今後の展示会運営の参考にさせていただきます」と、教科書についての意見は拒否するかのような記述となっていました。採択の会場は教育委員会会議室とこれまでと同じです。昨年の小学校の道徳教科書の採択時には、各委員から何を基準に自分は選ぶのか意見が表明されますが、教科書会社については一切言及がありません。そのうえに無記名投票です。「権限と責任」と云うならば、選択理由と教科書名を堂々と明らかにすべきです。
教科書の採択は、主権者・国民の教育権にかかわることであり、その方法は、教育に携わる教職員と市民への説明責任をはたし、納得が得られるものにすることこそ教育委員会の責務と考えます。採択まで実質的に二週間前という時点においてもその意志さえあれば改善できることが多くあると思います。以下改善点を提案しますので、実現に向けてご尽力されるよう申し入れるものです。
以上