日本共産党横浜市会議員
古谷やすひこ
古谷議員:
はじめに、中学校給食の実施について伺います。
市長は中学校給食を実施しない理由を「お金がない・敷地がない」といいますが、一方では1000億円以上もかけて新市庁舎を進めておいて、お金がないというのは横浜でも中学校給食を実施してほしいという多くの市民のみなさんの理解が得られるはずがありません。伺いますが、つまり市長は中学校給食は、本市事業の中で優先順位が低いということなのでしょうか。まず伺います。もしそうだとしたら、市長は完全に税金の使い方が間違っていると言わざるをえません。
子どもたちへのお金を出し惜しんだ結果、現場で何が起こってしまったのでしょうか。市長は現実を直視されていないのでしょうか。どんな家庭環境の子ども達でも、少なくとも義務教育の現場では、格差と貧困が持ち込まれるべきではありません。しかし実際は、本市では中学校の子どもたちの昼食時間には如実に「格差と貧困」が持ち込まれているじゃないですか。コンビニ弁当だったり、お弁当を持ってきていたとしても十分な栄養が足りていないものもあります。果ては何も持ってこれない子ども達までいる事態となっています。市長もご存じじゃないですか。こんなことは、小学校のような全員喫食の学校給食を実施していればありえない事態です。結局、横浜の子どもたちへの中学校給食の実施を、財政を主な理由で阻んできた結果、格差と貧困を学校現場の子どもたちのところにまで広げてしまった責任を市長はどう感じられていますか。伺います。
林市長:
学校給食についてご質問いただきました。中学校給食の優先順位についてですが、最重要な課題と考えております。様々な意見がある中で議論を重ねた結果として、給食実施は難しいと考え、ハマ弁を導入しています。選択制の中でハマ弁をより使いやすくすることで、中学校昼食を充実していきたいと考えています。子ども達の格差と貧困についてですが、給食実施には施設整備費に多くの費用がかかるだけでなく、全校展開を考えると給食室のスペースがなく、できるところから給食を実施すると公平性に欠けるため、栄養バランスの取れたハマ弁を導入しています。
古谷議員:
またハマ弁事業も、当初設定している喫食率を大幅に下回っています。価格を下げたり、メニューを刷新したり、おまけをつけたり、様々なテコ入れをされていますが、喫食率は低迷したままです。一月の最新の喫職率速報も前月を下回っています。ハマ弁の現状の生徒の喫食率についてどう評価されているのか伺います。また、ハマ弁の喫食率が低迷している最大の理由についてどう考えているのか、伺います。通常、市の施策や事業を継続したり拡大したりする場合には、それを行う根拠やデータを示すことを必要です。このハマ弁事業に照らしてみれば、本事業を継続する・事業拡大しようとする客観的な根拠は何か、伺います。
林市長:
昼食の用意が困難な生徒に対し、ハマ弁による支援を行っていますが、より多くの生徒に 支援が行き届くように、31年度より就学援助等を対象者を拡大いたします。生徒の喫食率に対する評価についてですが、教職員を含めた全体の喫食率と選べると、生徒だけの喫食率はやや低くなっておりますが、昨年3月と比べると2倍に増加をしています。学年が変わることに喫食率も増えており、1年生は3.0%となっていることから、新入生に向けてのPRを強化し喫食率向上にしっかりと取り組んでいきます。生徒の喫食率が低迷している最大の要因ですが、原則7日前に注文しなくてはならないことに加えまして、周りが食べていないので頼みにくいという声が多くあります。食べたくても利用しにくい雰囲気があると考えております。そのため、当日注文の全校展開、ハマ弁デーや新1年生へのPRなどを実施し、ハマ弁をより利用しやすい環境づくりに取り組んでまいります。
鯉渕教育長:
ハマ弁事業を継続拡大する根拠についてですが、1月に喫食率が若干下がりましたのは、インフルエンザの影響と考えております。ハマ弁ウィークなどで食べていただいた生徒の皆さんからは評判が良い状況にあります。今年度、当日注文試行しているモニター12校では、喫食率が6.3%になっております。その中で当日注文による喫食率が1.6%を占めておりまして、一定の効果があることから、31年度は全校で展開致します。また、ハマ弁による支援について、これまで保護者不在など個別の事情要件としてきたことから、申請が想定より大幅に少ない状況にありました。そこで31年度より就学援助等を対象者に拡大するものです。以上、ご答弁申し上げました。
古谷議員:
今議会でも民権フォーラムが、そして公明党が、中学校給食の実施について要望しています。つまり私どもも含めて自民党以外は、議会の多数は、中学校給食の実施について言及しているわけですから、ハマ弁が低迷している中、どういうやり方で横浜での中学校給食を実施するのがいいのか検討する時期に入ってきているのではないでしょうか。市長の見解を伺います。
林市長:
給食実施の検討時期に入っているとのことですが、ハマ弁は本市と事業者とで28年度から5年間の協定を締結しております。32年度で終了します。33年度以降については、選択性の良さを活かしながら様々な課題や意見等を踏まえ、より使いやすいハマ弁となるように検討を行ってまいります。
【第二質問】
古谷議員:
中学校給食について施策としては最重要だと考えておりますと答えられました。しかし、検討予算すらついていません。カジノには粛々と検討予算をつけておきながら、なぜ中学校給食に検討予算をつけないでしょうか。カジノの方が優先順位が高いということなのか、伺います。
林市長:
中学校給食は、大変重要なことなのに、なぜ予算を、調査等をですね、次回どうするかとか、そういう事の調査費をつけないかっていうことについてでございますが、今、私としては、現在の三つの選択肢ということは、やり遂げたい方向性と言うか、間違っていないという気持ちがございます。そういうことにおきまして、だからといって、様々な家庭においても保護者の皆様のご意見を聞かないということではございませんけれども、そういう意味で、例えばIRの1000万円の調査費とは同じにしてないということでございます。
古谷議員:
先ほど答弁いただいた来年度の予算での就学援助対象の方に、ハマ弁の無料提供範囲を広げるということを答えられました。格差と貧困を解消するための効果は、限定的だと思います。東京の町田市では現在選択肢のデリバリー給食実施しておりますが、本市と同じように申し出があった擁護世帯には、無償でデリバリー給食が提供されます。ある報道によれば、必要な子どもの半分しか利用していないということであります。デリバリー給食が嫌で昼食が食べられない子どもが一定数いたり、弁当を持ってこれない子が市全体で数100人いるという事態だそうです。こういう他都市で起こっていることを、横浜でも同じ失敗を繰り返すんでしょうか。伺います。
林市長:
格差是正になっていないのではないかというお話ですが、他都市の話をされていましたが、私は、申し訳ございませんが、その件については、他都市の動向について存じ上げておりませんでした。ここでお答えすることはできません。市としては、今の状況でしっかりやっているという認識でございます。
古谷議員:
関連して、一昨日の答弁の中で、中学校の昼食時間について、15分しか食事時間がないことについて、改善を求める質問に対して、ゆとりある昼食時間を確保することは大切だと、いくつかの学校で昼食時間を伸ばす検討が始まっていると、教育長は答弁されました。この問題は、2017年の市長選を終えて、すぐの第3回定例議会の本会議場で私が質問して改善を求めたものです。改善が図られようとして検討してることは歓迎です。また横浜で中学校給食が導入された際の条件づくりにもつながるものです。ゆとりある昼食時間の確保を一刻も早く全校に広げていくべきと思いますが、教育長に伺います。
鯉渕教育長:
中学校昼食に関係しまして、昼の昼食時間15分ということについてご質問いただきました。先日の答弁でもさせていただきましたが、私どもも食育の観点から昼食時間が短いのではないかと思っておりまして、現在全ての中学校と相談をしているところでございます。それから中学校給食の今後の在り方についての調査費のことですが、32年度までの契約となっておりますので、33年度以降の取り扱いにつきましては、特に調査費を用いることなく、しっかりと検討してまいります。それから、就学援助対象者に拡大することにつきましてですが、私も子どもの貧困対策は大変重要な対策だと思っております。まずは、就学援助の対象者に拡大させていただきまして、その状況を確認してもらいたいと思っております。
今日(1/17)は、党議員団として市の教育委員会に対して以下の申し入れを行いました。
2019年1月17日
横浜市教育長 鯉渕信也 様
日本共産党横浜市会議員団
団長 あらき由美子
横浜市立の小中学校で使用される教科書について新年度の2019年度は、小学校全教科と中学校(道徳除く教科)で採択が行われます。中学校は次期学習指導要領との関係で2020年度も採択が行われます。
採択に先立ち、教科書の展示会が開催されます。例年3月には文科省より教科書展示会に関する通知が各都道府県教育委員会に発出されます。展示会について文科省は「教育関係者の教科書研究の便宜を図り、一般公開を通じて、地域住民等の多くの方々に教科書に触れていただくための取組」(2018年3月30日教科書課長通知)と規定し、多くの市民、教育関係者が「より一層利用しやすい環境づくりを進めるための配慮と便宜を図」(2018年3月6日教科書課長通知)るよう求めています。
横浜市は、2018年度開催の展示会の実施か所は、教科書センターの法定会場5か所、臨時会場13か所の1行政区1会場の18か所でいずれも市立図書館となっています。一方で横浜市に配分される各教科の教科書見本の上限部数は文科省の定めにより教科書センター1か所当たり2部を含め総計21部であり、展示会として使われたのは10部と聞いています。このために18区同時に開催することはできず、各会場には1部しか配分されなくて、一つの教科書見本を手にするまで何人も順番待ちとなるという事態が生じています。
党市議団は、昨年6月4日、展示会開催の初日に会場の中央図書館を訪れ、調査しました。この調査を受けて、展示会の在り方についての改善を求める緊急申し入れを6月8日に教育長に行い、そのなかで「教科書の展示部数は工夫をこらして増やすことと国に上限部数の引き上げを求めること」を改善策の一つとして提案しています。また、7月3日には、文科省に出向き、実態を示しながら、配分部数を増やすよう改善を求めたところです。
文科省のヒアリングのなかでは、各都道府県が設置する教科書センターには教科書見本2部置くことになっており、教科書センター数が増えれば教科書見本の部数が増えることが確認できました。
教科書センターは、教員・住民の教科書研究のために設置されているもので、1956年の全国600か所から2018年4月には950か所と増えています。神奈川県で19、横浜市は中央、神奈川、保土ヶ谷、磯子、都筑の各図書館5か所です。ここでは教科書を蔵書し、自由に閲覧できます。ちなみに大阪市は「教科書に対する保護者や市民の関心に応えるため」として、市立図書館・区役所・区民センター・区役所出張所を教科書センターとし、その数は31か所です。
2018年3月30日教科書課長通知では、教科書センターについては新設、移転等があった場合には、その旨を文科省初等中等教育局教科書課に報告すると記しており、新設は都道府県の教育委員会の裁量としています。
以上の経過を踏まえ教科書見本部数を増やすために文科省の通知前に以下の措置を講じられるよう申し入れるものです。
記
1、横浜市内の教科書センター設置数を大幅に増やすことについて神奈川県教育委員会との協議を速 やかに行うこと。
市教委の担当者に要求して出てきた資料の中で、小学校の給食室を使って中学校に給食を提供する、いわゆる「親子方式」での中学校給食の実施が可能な学校が以下の通り明らかになりました!
エアコン設置を全校で実施した際も3年計画で実現しました。自校方式ではないにせよ現時点で「親子方式」が146校中、38校での実施が可能であれば、すぐに実施するべき。その能力を活用もしないで、人気のないハマ弁に固執するのはやめていただきたい!!