日本共産党横浜市会議員
古谷やすひこ
古谷議員:
今回の市長選挙の中で、横浜市の原爆被災者の会等から、各市長候補に対してとったアンケート結果が公表され、その際、林市長はヒバクシャ国際署名について賛同もせず「国の動向を見て対応を判断してまいります」と全く主体性のない回答をされています。市長はもちろんご存知だと思いますが、ヒバクシャ署名とは「被爆者は、すみやかな核兵器廃絶を願い、核兵器を禁止し廃絶する条約を結ぶことをすべての国に求めます」というもので、市長はこの趣旨になぜ賛同できないのか、まず伺います。市長は、平和首長会議の一員であり、先月開催された平和首長会議でも「核兵器禁止条約への参加を全加盟都市から自国の政府に働きかけていく。特に、核保有国と核の傘の下にいる国々の政府には、強く働きかけていく」と決議されています。
また、広島市長・長崎市長の連名で、ヒバクシャ署名への協力の手紙が届いているにもかかわらず放置しています。市長はそもそも国連での核兵器禁止条約が議論された場を欠席した日本政府の態度を市長はどう感じたのか伺います。
核兵器をめぐる議論が大きく進み始めている今、平和首長会議の一員でもある本市はどういう立場に立つのかが問われます。平和首長会議で決議されたことに応えて、国に対しても核兵器禁止条約を批准するように求めるべきと思うが、どうか伺います。
林市長:
国際署名について質問いただきました。今年7月に国連で採択された核兵器禁止条約の発効をめぐる今後の動向を見守って参りたいと思います。今後も、横浜市はピースメッセンジャー都市として、核実験を行ったあらゆる国に抗議してまいりますし、国際平和をテーマとしたイベントや、核兵器廃絶に向けた市民活動の支援など取り組みを進めてまいります。
核兵器禁止条約をめぐる日本政府の態度への見解でございますが、条約については、核兵器保有国と非保有国との意見の違いも見られるなかで、国において判断されたものだと思っております。国に対しても、核兵器禁止条約を批准するように求めるべきと言うご意見でございますが、条約については、今後の動向を見守ってまいりますが、現時点で国に対して、求めることは考えておりません。
古谷議員:
今回の市長選挙では、林市長はカジノについて一切語りませんでした。間違いなく今回の市長選では、大きな争点となり、カジノについての世論調査も行われました。神奈川新聞社が投票日に出口調査をした結果、IRの誘致について、「誘致すべきでない」が61.5%、「誘致すべき」の16.3%を大きく上回りました。林市長に投票した方の中でさえ42.3%が誘致すべきでないと答え、誘致すべきの26.9%を大きく上回っています。そこで伺います。市長は、市民のカジノに対する民意についてどう受け止めたのか伺います。私たちは今までカジノについて様々な負のリスクはもちろんのこと、そもそも経済効果も明らかでなく、やめるべきであると主張してきました。
市長も先日の毎日新聞の三期目インタビューでIRについて「白紙状態。経済効果があるのか、まだ確認できていない。この段階で早急に判断することは危険」だとおっしゃっています。この言葉通りであれば、その立場を堅持して横浜へのカジノ誘致と誘致に関連する山下ふ頭の再開発の現行計画は、白紙に戻すべきと思いますが見解を伺います。
林市長:
選挙を通じたカジノに対する民意についての受け止めでございますが、IRにつては、様々なご意見がございます。ギャンブル依存症や地域環境の悪化があってはならないことございまして、選挙戦で、色々な市民の方のご意見を伺いました。大変心配されてる方にも、多くお目にかかりましたし、全く私も同じ思いでございます。IRについてでございますけれども、国において検討が進められているわけですけども、いまだ全体像が明らかになっていないと私は感じております。ですから、この状況の中で、まったくもって私自身は白紙でございます。以前も申し上げましたけども、横浜市民の皆様のため、それから横浜市民の経済成長とか、若者たちに将来を託していかなきゃいけないんですが、きちんと持続可能な都市でなくてはなりません。そういうところにとって、いろんな角度から必要であるかと言うこと、1つは、大きくは経済効果でございますけど、そこがまだ、私自身には、全く確認取れません。それから、また現実的には、賛成の方もいらっしゃるのも事実でございます。ただ、私の気持ちは、全く今は、白紙と言うことでございます。ですから、引き続きまして、これは国の選択を、採択していく、選んでいくということでもありますので、国の動向も見極めながら、市民のみなさまや、市会のみなさまと、さらに議論して、ご意見を踏まえ、検討してまいります。
それから、山下ふ頭再開発の現行計画でございますけれども、この計画は、成長エンジンとなる都心臨海部の新たな賑わい拠点としての、ハーバーリゾートの形成を目指しておりますので、引き続き、これにもとづき、事業は進めてまいります。
古谷議員:
カジノについて伺います。市長は、カジノは白紙だと言いながら、その一方で、その誘致が有力視されている山下ふ頭の再開発事業については、粛々と進めるということを答えられました。多くのカジノの誘致に反対する市民を騙してることになりませんか。見解伺います。
林市長:
山下ふ頭のお話でございましたけれども、先ほど申し上げましたハーバーリゾートの開発という点で、これはずっと続いている計画でございますので、決して市民の方に間違った言い方をしてるとは思っておりません。
古谷議員:
今回の市長選挙について、9月3日付の東京新聞によれば、市立中学校で使われる社会科教科書の採択について林市長と自民党市連が政策協定を結んで「保守色の強い教科書を」「採択目指し政策協定」との見出しの記事が掲載されました。もし、これが事実であれば、明確に教育への政治介入であり、教育の中立性が脅かされる重大な危機的事態です。林市長と自民党市連がそういった協定を結んでいたことを教育長が忖度してしまうことも十分考えられます。
文科省のホームページでは「個人の精神的な価値の形成を目指して行われる教育においては、その内容は、中立公正であることは極めて重要。このため、教育行政の執行に当たっても、個人的な価値判断や、特定の党派的影響力から中立性を確保することが必要」とされています。そこで伺います。教育へ政治が介入してはならないことについて、市長はどういう認識をお持ちなのか伺います。
林市長:
市長と教育委員会との関係についての認識でございますが、教育については、政治的中立性の確保が強く求められているものでございまして、市長から独立した教育委員会の、その権限と責任において、教育行政を担うものだと認識しておりまして、私は全くそのことを遵守してるつもりでございます。私自身も、本当に教育総合会議の責任者でもございますけれども、本当に、教育委員会は自主独立でしっかりと行っていただきたいと言う気持ちでございます。
2017年9月5日横浜市長 林 文子 様
日本共産党横浜市会議員団
団長 荒木 由美子
横浜ノース・ドックでの米軍と自衛隊による合同「軍事」訓練中止の申し入れ
8月25日、防衛省南関東防衛局から横浜市に対し、9月上旬に瑞穂ふ頭/横浜ノース・ドックにおいて陸上自衛隊と米陸軍との実動訓練(オリエント・シールド)の一部を実施すること、および訓練概要について情報提供がありました。これを受け、横浜市は南関東防衛局に対して、弾薬の搬入が行われないこと、施設の機能強化につながることのないことなど4項目の要請を行いました。
今年に入ってから横浜ノース・ドックでは3月に日米共同の防災訓練、6月にビッグレスキューあづまという防災訓練が行われています。昨年4月には、米軍が無通告でヘリコプターによるリフト訓練を実施しています。また、8月3日には、米軍のヘリコプターがベイブリッジ付近で低空飛行を行っています。横浜港を米軍が頻繁に使用することに、多くの市民が不安を抱いています。横浜ノース・ドックは、米軍に港湾施設として提供されているものですが、最近ではあたかも訓練施設であるかのような使用実態です。
今回の米陸軍と陸上自衛隊の実働訓練は、「陸上自衛隊と米陸軍の部隊が、それぞれの指揮系統に従い、共同して作戦を実施する場合における相互連携要領を実行動により演練し、相互運用性の向上をはかる」という目的に示されるように純然たる軍事訓練です。横浜ノース・ドックをなし崩し的に訓練施設とすることは、横浜港の軍港化にもつながり、到底容認できません。
以上の経過を踏まえれば、先に行った横浜市の国への要請は、不十分と云わざるを得ません。日本共産党横浜市会議員団は、横浜市の市是である市内米軍基地の早期全面返還という見地から、以下の点について横浜市が国に対して申し入れることを要請します。