日本共産党横浜市会議員
古谷やすひこ公立保育園を増やし、保育士の処遇改善を行うことこそ待機児童ゼロへの道
古谷議員:
次に、保育園の待機児童対策について伺います。
今、保留児童数は、2013年から右肩上がりで増え続けています。つまり希望通りの保育所に利用できていない児童が増え続けているということですが、これは保護者の保育ニーズに真正面から向き合っていないからこうなるのではないと考えますが、市長の見解を伺います。
林市長:
保護者のニーズに真正面に取り組んでないということはございません。これは、私は責任を持って真正面に取組んでいます。私自身もそうであるし、職員も懸命に取組んでいると思います。ただしですね、これは私どもが場を提供させていただいている保護者の皆様、働きたい女性たちに対して、そういう思いでございます。そうやっているつもりです。反対側から見たらそうじゃないというご意見も多いのではないかと思います。
ただ、実際はですね、本当に私も忸怩たる思いがございますが、ここに入りたいという方のご希望に全て答えられないのが、事実でございます。しかし、このことは、働く女性たちのため、その期待に応えるため、それから、少子高齢化がもう進んでいるこの中においてですね、女性が働くことが非常に大事で、それは、本当に男性たちの負担、過去の日本の経済界の文化の中で、男の人は働き女性は中へというそういうものを、本当に壊していかなくていけない、男の人でさえも助けていけないという観点から、これはやり続けなくてはいけないことですから、理想としてはですね、本当に保護者の方々に、本当に保護者の方々に完全にご満足いただけるようにやりたいと思いますが、現状はこういう状態でございます。それは申し上げたいと思います。
平成28年4月の保留児童数年齢別に見ますと、低年齢児が全体の約90%でございます。特に一歳児が突出して高いということでございますね。保育所の整備へ対応するには、年齢構成など課題があるので、認可保育所の整備に加えて、低年齢児に特化した小規模保育事業の整備も進めております。引き続きニーズを見極めて、多様な方法で頑張っておりますので、先生には少しちょっと時間おいて見ていただいて、ご理解たまわりたいと思います。
古谷議員:
1歳児の保留児が多いというのは、これは大体、経験則としては、多分、予測されているんだと思います。今の保留児童の数というのは、市としては想定外なんでしょうか、市長、伺います。
林市長:
想定外ということはございません。もうすでに、この事業始めて相当経っております。考えられております。しかし、それに対して完璧に今の状況で、場所の問題もありますし、人の問題もありますし、財政の問題もあります。ですから、精一杯できることはギリギリまで詰めてやっておりますので、そこは、何度もご理解いただきたいというのは恥ずかしいお話でございますけど、本当に懸命に取組んでおります。ですから、コンシェルジュをおかせていただいというのも、1人ひとりのご意見を聞きたい、つまり100%応えられなくても、懸命に、そのご理解たまわるようにお話していくプロセスの中で、やはり保護者の方にあるご理解をたまわって決断して、じゃあここでということでご理解たまわれると、そういうふうにしないと、ほとんどマッチングできないというのが現状です。これは必ずしもいいことではないかも知れませんけど、できるだけ頑張っております。でもし補足のことがあったら、こども青年局長の田中さんからご答弁いただけますか。今の状況どうですか。付け足すことがあったら。よろしいですか。あ、結構だといわれてしまいました。
古谷議員:
市長、本当に切実な保護者の保育園のニーズに市長は真正面からぜひ答えていただきたいと思います。要望の多い、特に認可園設置、さらに加速していただきたいと思います。
次に、保育士確保について伺いますが、施策の打ち方が、私はちょっとズレていると思っています。つまり、保育士の養成や確保をいくら進めても定着しないことが問題だと思います。現に、神奈川県全体で、現在87,000人が保育士として登録されており、そのうち26,000人しか働いていなません。つまり県全体では61,000人の潜在保育士さんがいます。だから保育士さんはある意味沢山いるんだと思います。いても働いていないことが問題だと思います。なぜ働いていないのか。2013年に厚生労働省の潜在保育士のアンケートを行っています。それによれば、保育士として働かない理由47%の方が、賃金が希望と合わないからとしています。その一方では、本市でも保育士の応募が殺到している園があります。そこで伺います。今年度の本市の採用試験での保育士の応募状況について伺います。
田中こども青少年局長:
平成28年度は、本市の採用の仕組みですが、申し込み数が、423人、一次試験合格者数は319人、最終合格者数は、71人で倍率としては4.5倍でございました。
古谷議員:
完全に公立保育園は買い手市場になっているんです。その一方で、民間保育園は、先ほど述べた通り、本当に保育士確保に四苦八苦しています。その原因は、市長、何だと思いますか
林市長:
市立保育所については、採用試験が年1回で、募集人数が多いことで受験者が集まっていると考えておりまして、民間園の採用試験ですけれども、運営事業者ごとに実施しておりまして、年数回実施している所や園の規模によって、年によって採用が行わない面もあるなどと聞いております。
一つ根本的な問題は、ちょっと質問がずれますかしらね、やはり待遇の問題ですね。ここは本当に私は大きいと思います。これには私自身も、国に対して、厚生労働省に対しても折にふれてお話しもしておりますけど、ここが一番の問題で、保育士さんも介護士さんも、本当に著しくですね、他の業界との賃金のギャップがありすぎるということが基本的な課題であると考えております。
古谷議員:
保育士が不足する理由が処遇にあることは、はっきりしていると思います。市長、この際、横浜も公立園の民間移管はやめて、逆に公立園を増やしていく道にこそ、保育士の処遇改善を抜本的にすすめる道にこそ、待機児童対策打開のカギはあると指摘をしておきます。
ハマ弁ではなく、中学校給食の実施を
古谷議員:
次に中学校給食の実施について伺います。
本市がはじめたハマ弁について、その喫食率の低さについて想定外だったのかどうか、伺います。
岡田教育長:
年度途中の開始になったこともありまして、私としては数%程度というにふうに思っていましたけれども、実際には1%あるいは1%弱といった月が続いております。家庭弁当がしっかりと定着している中で、新しい選択肢としてのハマ弁に対して、保護者の方がまだまだ様子見なのかなというふうに感じております。
古谷議員:
結局ですね、私が考えるに、他都市で失敗している注文式の業者弁当と同じ失敗をやっぱり繰り返したんだと思います。昨年の3月の教育委員会の局別審査で私は、大阪では給食ですら選択式のデリバリー式では、喫食数が少なく食べ残しも多く改善を図っても効果が上がらなかったため、選択式から全員喫食の学校給食として、さらにデリバリーから学校調理方式へと転換がはかられようとしています。横須賀でも注文式のスクールランチの注文率が低調で、保護者の多くが小学生と同じような給食を望んでいるとのアンケート結果に応えて、中学校給食の実施に踏み切りました。他都市と同じ失敗を繰返しませんかと教育長に尋ねたところ、他の都市にはない特徴があるので、同じ轍は踏まないと答えられました。教育長、今の結果を見て感想を伺います。
岡田教育長:
本年1月から全校実施となり、まだ評価できる段階ではないと考えております。今後も多くの方にご利用いただけるようハマ弁の良さをいろいろな場面で周知をしていきたいと思いますし、ホームページなど活用して、一層の周知に努めてまいります。
古谷議員:
このハマ弁について、教育長、2015年に、このハマ弁で昼食を食べられないで我慢する生徒はなくなりますかと質問したところ「なくなるように対応していきます」と答弁されております。その後どうなったか、伺います。
岡田教育長:
生活環境により昼食の用意が困難な生徒に対する支援制度の運用を、1月から開始をしております。子どもたちが昼食を食べられないことがないように、福祉とも連携してしっかりと対応してまいります。
古谷議員:
その後どうなったのかという結果について伺っているのですが。
岡田教育長:
支援につきましては、学校からの相談に応じて対応しておりますが、学校からの相談に対しては、すべて対応しております。
古谷議員:
これ、調査もしてないんですよ。市長にも伺いますが、2015年の決算総合審査で市長が「昼食を食べられないお子さんをなくすということは重要なことだ」とおっしゃっています。先ほどの教育長の答弁していますが、今もなお私はできていないと感じております。見解を伺います。
林市長:
もうそんなお子さんがですね、昼食が食べられないという状況は、本当に無くさなければいけないという思い・決意は、変わっておりません。状況が今、分からないことについては、大変申し訳ないのですが、お調べしてご連絡申し上げたいと思いますけど、今後そういうことが本当にないようにしっかり取組んでまいります。
古谷議員:
やはり、ハマ弁のように給食とも位置付けない、今の中途半端なような状況では、さらに喫食率は下がることが懸念されます。このままでは本当にハマ弁は壮大な無駄づかいとなってしまいます。失敗された時は、責任は誰がとるのでしょうか。
20ある政令市の中で、中学校給食を実施(計画)していない唯一の自治体となった横浜市です。その取り残された状況を、至急、舵を切り替えて中学校給食の実施を行うことを改めて求めます。
原発いじめ再発防止は、学校現場に心を寄せられない市教委の姿勢にこそメスを
古谷議員:
次に、原発いじめの問題について伺います。
まず教育長、教育長の150万円はいじめと断定できないという発言で、苦情が殺到しました。今まで何件苦情が来たのか、またそのことへの教育長の所感を伺います。
岡田教育長:
1月20日の常任委員会で、金品の授受の部分だけを取り出していじめと認定するのは難しいと、答弁をさせていただきました。それから2月13日に金銭授受もいじめの一部と認識するというコメントを出すまでの間に399件のお電話をいただきました。
主な内容は「金銭授受をいじめと認めるべき」というものと、教育長は謝罪すべきというものでした。多くの方々からいただいた厳しいご意見を真摯に受け止め、市民の皆様にご心配おかけしましたことを改めてお詫び申し上げます。
古谷議員:
教育長の発言は重いものだということを改めて自覚していただきたいと思います。
市長、横浜市民だけでなくて、全国から苦情が市教委に殺到したわけです。市長は任命権者として重大な責任を負っていると思います。岡田教育長は、現時点で、市民から信頼を得ている状況だと思いますか、市長の見解を伺います。
林市長:
先生の今のお話ですが、当時、第三者委員会からの答申を受けて、教育長としても大変悩んでいた時期だったと思いますけれども、これは私の類推でございます。
当該のお子様や保護者の方に大変つらい思いをさせてですね、多くのみなさまにご心配をおかけいたしました。教育長も深く反省しておりますし、私も注意を教育長に促しましたし、私自身も自身も、やはり市長として足りないことがあったと反省しております。今はですね、ただもう市民の方、当然ながら当該のお子様や保護者の方、全国で同じ思い出でお子様を育てていらっしゃる方々に対してですね、横浜市の教育委員会がしっかりと信頼を取り戻せるように、これからは二度とこいうことを起こさないということを誓って、今、対策等対処方法を進めているところでございます。
そういうことで、全国のみなさまに対するお詫びとメッセージとさせていただきたいと思います。私自身は、強い使命感を持って教育に取組んでおります。
古谷議員:
若干ずれているのですが。
全国から苦情がきた教育長が主導してまとめられた今回の再発防止策を、市長、追認するだけでは、教育長に向けられた不信感が今度は市長に向けられることになります。来週の総合教育会議に臨む市長の構えと、今回の防止策の市長の評価を伺います。
林市長:
今回の総合教育会議でございますけども、再発防止策の案について、第三者委員会からのご指摘や学校現場の状況を十分に踏まえて、いじめの未然防止、早期発見、早期対応を実現するという内容がまとめられていると私は考えておりますけども、この案を元に、総合教育会議で教育委員の皆さんや教育長としっかり議論含めて、再発防止に向けて一緒に取組んでいくということ、今、そういった気持ちで、この会議に臨もうとしております。
古谷議員:
やっぱり学校現場の一番改善が大事だと思っています。児童への対応にしても、今後いじめの研修をするということであれば、体制の強化も併せて提案しなければ、今でさえ、先ほど述べたとおり多忙化が問題になっています。さらにやることが増えるだけの提案ではダメだと思います。学校現場の体制強化も併せて実現するべきと思いますが、市長の見解を伺います。
林市長:
古谷議員の今のご指摘の通りだと私も思います。再発防止策の案でございますけども、児童支援専任教員の体制強化、学校への専門家派遣、教育委員会の緊急対応チームによる支援など、学校現場を支援する内容が盛り込まれております。新年度からこれらの支援体制を確実に機能させることとあわせまして、教員のみなさんと子ども達がしっかり向き合う時間を確保できるように取り組んでまいります。
古谷議員:
このいじめの問題にせよ、先ほど述べた教員の多忙化の問題にせよ、学校現場の大変さになかなか心を寄せられていない市教委の姿勢に問題があると思います。そこに改善のメスを、市長ぜひ入れていただきたいと要望しておきます。