医療・福祉

安心した高齢期を過ごせるように「市の責任で介護サービスの質低下をきたさぬように」 ~横浜市会本会議(9/9)で林市長に私が求めたこと  その二

市の責任で介護サービスの質低下をきたさぬように

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古谷議員:
次に、大きく変わりつつある介護保険制度について、市民生活を守る立場で伺ってまいります。
今、政権与党によって、安心して高齢期を地域では暮らし続けられなくなるような介護保険の改悪メニューが進められようとしております。例えば、要支援1・2だけではなく要介護1・2まで介護保険の対象から外す、ベッドや車いすなどの福祉用具の貸与サービスを原則自己負担化、現在1割負担の介護サービス利用料を2割にすることなどです。
このまま、国の介護保険制度の改悪につき従うだけで市民の高齢期の安心が本当に守れるのでしょうか。少なくとも、これ以上のサービスの低下することのないように、市として責任を持つべきと思いますが、どうか伺います。
介護予防・常生活支援総合事業のうち、ホームヘルパーの資格がない人が講習を受けた上で掃除や洗濯等のサービスを行う緩和型の訪問型サービスが、10月1日から横浜市で始まります。このサービスの質を保障するのは横浜市の責任ですが、市は講習用のテキストをつくったのみで、人材育成はすべて事業所任せで、サービス報酬も従来の9割になります。市長は介護人材のすそ野を広げるためだと言いますが、私はこのやり方ではサービスの質を保つことは困難であり、またサービスを提供する事業所も疲弊してくるのは必至だと考えます。
そもそも緩和型の訪問型サービスを導入したのは事業所アンケートだけという非常に薄い根拠にすぎません。全国には、訪問介護の専門性をかんがみて、緩和型の訪問型サービスの導入を見送り、ホームヘルパーによるサービスを維持している自治体もあります。横浜市でも、通所型サービスについては緩和型導入を見送っています。
今からでも遅くはありません。これ以上、介護の質、切り下げないよう、緩和型の訪問型サービス導入を撤回することを求めますが、どうか伺います。
介護人材不足は非常に深刻です。現在、介護福祉士を養成する学校では定員の5割を切っている所もあったり、市内に今年オープンした定員100床のある特別養護老人ホームは、開所前には370人が待っていたにも関わらず、オープン時には30人しか入所できていません。それも人材不足が大きな要因です。
市の第6期横浜市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画に従って、介護人材育成にもっと市として本気になって取り組むべきです。また、県が導入を検討している「介護助手」では介護の専門性は保てません。横浜市として、介護従事者の専門性、認識をして、介護人材不足を解決する施策、積極的に進めるとともに、県に介護助手の導入は行わないよう求めるべきだと思いますが、市長の見解、伺います。

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林市長:
介護保険制度について、ご質問いただきました。
介護サービスが低下しないよう、市として責任をもつべきとのことですが、現在、国で行われている制度改正に向けた議論は、介護保険を持続可能な制度としていくためのものと認識をしています。議論にあたっては、介護保険が果たしている役割をしっかりと考慮してもらいたいと思います。
本市としては、保険者として必要な方に必要なサービスを提供するとともに、改正により被保険者の方の生活に混乱を来さないよう、国へも働きかけてまいります。
ちょっと言い直しをいたしますね。横浜市としては、保険者として必要な方に必要なサービスを提供するとともに、改正により被保険者の方の生活に混乱を来さないよう、国へ働きかけてまいります。
人員基準を緩和した訪問介護の導入についてですが、本年10月から実施する、いわゆる訪問介護の緩和型は必ずしも専門的なサービスを必要とされない方に対し、一定の研修を受講した人が掃除、洗濯、買い物などの生活援助を行えるようにするものでございます。介護職員が不足する中、緩和型の導入により介護人材の裾野を広げることで、将来の人材不足に対応して、必要な方に必要なサービスを提供することにつながると考えておりまして、古谷議員のご質問の際には、これは必要がないと、専門的なということをおっしゃっておりますけれども、私としては裾野を広げるという意味で必要であるというふうに考えております。
専門性を持った介護人材の確保ですが、介護職員の処遇改善については、来年度に向け、国で新たな改善策を検討していますので、ぜひ実現していただきたいと思います。また、横浜市においては、中高年を対象に資格所得から就労までを一体的に支援する事業などを実施しており、引き続き人材の確保に努めてまいります。
なお、介護助手については、神奈川県がモデル事業の実施を今年度予定している段階でございまして、その動向を見守ってまいりたいと思います。


2016-09-12 | ブログ医療・福祉

やまゆり園の事件を受けて、今横浜市がやるべきこと!「障害者施設の職員増や処遇改善に、本気になって取り組め」  ~横浜市会本会議(9/9)で林市長に私が求めたこと  その一

障害者施設の職員増や処遇改善に、本気になって取り組め

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古谷議員:
まず、相模原・障害者施設の殺傷事件を受けて、障害者施策の充実について伺いてまいります。
7月26日未明、相模原市の障害者施設で入所者19人が殺害され、職員を含む27人が負傷するという痛ましい事件が起きました。この事件は、戦後最悪規模の凶悪犯罪であり、重度障害者がターゲットにされたことや容疑者が元施設職員であったことなどから、全国の障害者や関係者に大きな衝撃を与えています。あらためて、犠牲になられた方々に哀悼の意、表するとともに、被害にあわれた方々の一刻も早い回復をお祈りいたします。
市長は記者会見でこの事件について「あってはならないこと」だとの感想を述べられておりますが、再発防止策としては防犯対策の再確認を求める通知を出したのみでありました。不安な思いを抱く障害者や親身になって支えている関係者のみなさんにしっかりと心をよせて、それらのみなさんを守り、励まし、応援する施策、進めていただきたいというふうに思います。
私は事件後、障害者の方や施設で働く職員さんの思いを聞いてまいりました。市長、しっかり受け止めていただいて、ご自分の思いで答弁していただきたいと思います。
事件後、市内の障害者施設では「障害者はいなくなればいい」等の怪文書が流れたり、様々な不安の声が障害者やその家族から寄せられ、職員さんたちはその対応に追われているとのことです。
障害者福祉分野での人材不足は本当に深刻な状況です。慢性的な人手不足の中で、「現場には常に疲弊感が漂っている」と、ある施設長さんがおっしゃっていました。なぜ、こうなってしまったのか。今から10年前、多くの障害者の反対を押し切って、障害者自立支援法が成立し、障害者が福祉サービスを受けるには原則自己負担が必要となり、サービスを利用する頻度が高い重度の障害者ほど負担が重くなる仕組みとなりました。また、多くの障害者施設は「措置施設」から「利用施設」へと変わり、社会福祉法上の位置付けも格下げされ、公的財源も引き下げられ、職員配置体制も弱められました。
障害者福祉の分野にまで自己負担の考え方や効率性、採算性を持ち込んだことが、障害者をじゃま者扱いするかのような一部の風潮に拍車をかけていると考えます。そんな中で、障害者を支える現場の労働条件が極めて悪くなっています。津久井やまゆり園が出した求人票によりますと、夜勤専門の生活支援員の給与は最低賃金でした。そうしたことが、専門性の劣化や慢性的な職員不足・人間関係の希薄さにつながり、障害者施設の現場の疲弊感にもつながっているのではないでしょうか。祉の分野にまで自己負担の考え方や効率性・採算性、持ち込むことについて、市長の考え、伺います。

津久井やまゆり園で、36年間勤務されていた元職員さんからもお話を伺いにいってまいりました。県が進めてきた経費削減で園のあり方が以前と変わったそうです。2005年に職員らの反対を押し切り、園の運営を民間法人に委ねる指定管理者制度を導入したことで、職員の入れ替わりが多くなり、パートなど一部職員の給与が下がって最低賃金すれすれとなり、調理が外部委託されて、食材などを地元調達する約束などが反故にされ、地元地域とのつながりが希薄になったということです。施設運営が経費削減を至上命題とする中で、人件費にしわよせがいき、地元との交流が弱くなって、利用者さんへのサービスが実質的に後退したのではないでしょうか。市内の障害者入所施設でも同じような状況、あるのではないでしょうか。
障害者施設での抜本的な安全対策強化としてやらなければならないのは、単なる防犯対策の強化ではなく、ギリギリの人員体制、低い賃金水準で働かざるを得ない民間任せの状況を改めることです。地震や火事などの災害が起こった際も、当直が1人しかいないグループホームでは十分な対応ができません。障害者施設の職員の増員や処遇改善に本市が本気になって取り組むべきだと思いますが、市長の考え、伺います。

障害者の入居施設が足りないと、どこの障害者施設の職員さんもおっしゃっています。「入居施設が足りない。千葉や群馬まで電話を問い合わせをしてやっと見つけている」という声や、「80歳のおかあさんが50代の息子さんをもうみれない。これ以上待てない。私が死なないと息子を入れてもらえないのかと言われた」など、入居施設不足は本当に深刻です。しかし、横浜市は障害者の入居施設へのニーズは把握しないまま、年間200床程度のグループホームの建設に補助金を出しています。
現在、市内のグループホーム675施設は、80%が知的障害、14%精神障害、3%が身体障害、1%が知的身体の複合障害向けで、非常にアンバランスな整備状況です。現に、精神障害者団体からは精神障害者向けのグループホーム、増やしてほしいという要望が毎年あがっています。
グループホームの設置や運営は今すべて民間まかせです。一方、グループホーム建設の際、近隣の理解が得られず、なかなか苦労しているということも聞きています。
本市の障害者プランが本当に当事者のニーズをとらえた計画になっているでしょうか。市として、単に補助金を出すだけではなく、障害種別に入居に関するニーズを調査し、どのような種別のホームが、どこに、どの位必要なのか考慮して、グループホームの建設、促進すべきだと思いますが、どうか伺います。

やまゆり園の元職員さんには、行政に一番今求めたい再発防止策は何かと聞いたところ、「行政の執行は、福祉の心、すなわち効率第一の人間観・社会観ではなく、共に生きる共生社会・人間観を踏まえて行われるべきです。あわせて、生存権を定めた憲法25条を遵守して行政を執行することです」、さらに「教育現場において、福祉の心の教育、徹底することです」と述べられておりました。
今回の事件を受けて、福祉に関する教育や啓発、さらに進めるべきと思いますが、元職員さんの意見への所感も含めて、所見を伺います。

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林市長:
古谷議員のご質問にお答え申し上げます。
障害者施策の充実について、ご質問いただきました。
自己負担についてですが、法令の基づき、市民税が課税されている障害者の方には、応能負担の原則に則って自己負担をしていただいています。また、非課税の方には負担が生じないようにしており、サービス給付を受けている方のうち約9割の方が該当しています。
また、効率性や採算性についてですが、これらを重視するあまり、サービスの質がないがしろにされることのないようにすることが重要ですが、一方で、障害者を支える仕組みを持続可能なものとするため、効率的に事業を進めることも大切であると考えています。
障害者施設等の職員の人員体制や処遇改善についてですが、障害者施設等における人材確保については重要な課題だと認識しています。このため、障害者施設等については、人員体制の充実に向けて、障害者総合支援法における給付費に上乗せするかたちで、本市単独加算を支給しています。
施設入所のニーズ調査についてですが、現行の第3期障害者プランを策定するにあたり、24年度に市内事業所および区役所に対して障害福祉施設実態調査を行いました。次期障害者プランを策定する際にもニーズの把握に努めていきたいと考えております。
障害者グループホーム設置への援助についてですが、現行の第3期障害者プランでは、29年度までの期間中、障害者グループホームについて、毎年度新規に200人分の定員を確保することとしております。障害者グループホームの設置にあたっては、法人に対して、設置費、補助金など、開設に必要な資金面での支援を行うとともに、立地条件や建物の設備に関する序言を行っています。引き続き、障害者グループホームの設置が円滑に進むよう、必要な支援を行っていきたいと考えています。
事件を受けて、啓発や教育を進めるべきとのことですが、障害のあるなしに関わらず、すべての市民のみなさまが共に暮らせる共生社会を構築することは大変重要なことだと考えています。引き続き、職員の意識を高めていくことはもちろんのこと、関係する区局が連携して、市民のみなさまへの啓発や学校での福祉教育の推進など様々な機会をとらえて、障害者の方への理解が進むよう、よりいっそう努めてまいります。

第2質問

古谷議員:
市長、グループホームの先ほどのニーズ調査をしているという話だったんですが、私は担当課と何度やり取りをしても、まったく数字は出て来ませんでした。今の認識で200床で建設をされているグループホーム、これで足りるという認識なんでしょうか。一つ、伺います。

それと、障害者施策の充実の中で、処遇の実態をぜひ、私、調べるべきだというふうに思ってます。加算はされているというのは認識しております。でも、実際には、受け取っている側のところの認識であるとか、そういうのがまったく足りてないというふうに現場では伺っています。そういう実態調査をぜひすべきだと思います。

林市長:
古谷議員のご質問にお答え申し上げます。
先ほど最初は、施設入所のニーズ調査、数字が出てないというお話でございますが、これは24年度に調査したものを後ほど、申し訳ございません、きちっとご報告を申し上げたいと思います。
今、200床を横浜市としては用意をしている、足りないという認識ですね。年間これは40ほどのグループホームをつくっているというのが、今の現状でございまして、これは担当局としてはそうとう努力している結果でございますが、足りないというご認識は、私としてはごもっともではないかと。ただ、まあ、努力をしているということで、ちょっとお答えをさせていただければというふうに思います。
それから、処遇の実態を見るべきということでございますが、横浜市としては、国の単価の引き上げを求め続けておりますし、そうとう市費の上では努力をして上乗せをしているところでございます。
私の認識としては、決していいものではない、まったく保育士さんの処遇については、介護士さんもそうですけどね、このままではならないという意識は持っていますので、国にも要請しておりますし、市としても努力をしていこうということは変わらない姿勢でございます。


2016-09-12 | ブログ医療・福祉

横浜市が検討「子どもの医療費 窓口負担一回500円に!?」 ~タウンニュース鶴見区版2016年8月25日号に掲載されました

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2016-08-25 | ブログ医療・福祉 |

対象年齢引き上げ要請 子ども医療費助成 横浜市に党市議団 ~本日(8/6)付けのしんぶん赤旗の首都圏版に記事が掲載されました

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2016-08-06 | ブログ医療・福祉 |

[緊急申し入れ] 「小児医療費助成制度に一部負担金を導入しないことについての申し入れ」を林市長に申し入れしました!!

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2016年8月4日

横浜市長 林 文子 様

日本共産党横浜市会議員団

団 長 大 貫 憲 夫

 

小児医療費助成制度に一部負担金を導入しないことについての申し入れ

 

小児医療費助成制度は、経済的な心配をせずに子どもを医療機関に受診させることができる、子育て支援として最も有効な施策のひとつです。横浜市では、昨年10月からようやく小学3年生まで対象年齢(通院)が引き上げられ、今年度予算ではさらに引き上げるための検討予算が計上されており、子育て世帯はその実施を待ち望んでいます。

ご存知のとおり、県内では医療費助成の対象年齢を小学6年生までとしている自治体が15市町、中学3年生までが14市町村で、小学6年生以上が約9割を占めています。これらのうち12市町村では所得制限がありません。

一方、横浜市は助成制度に一部負担金の導入を検討しており、1回500円と200円の一部負担金を導入した場合の削減額を試算しています。500円は、0歳から小学3年生までの利用実績の1回当たり医療費の約1割相当額、200円は、4歳から未就学児に導入している県の一部負担金額です。市の試算によれば、4歳から小学3年生までの削減額は、負担金500円の場合11.6億円、200円の場合4.6億円です。仮に4歳から負担金を導入すると、現在は窓口負担ゼロの約13万人の子どもがそれらの金額を負担することになり、受診抑制が大いに懸念されます。

大阪府保険医協会が府内の全公立小中高校を対象に行った調査では、2014年学校検診で受診が必要と診断された児童・生徒のうち、小学生の50.4%、中学生の69.0%、高校生の86.9%がその後受診していません(7月25日付しんぶん赤旗より)。年齢が高くなると医療費助成対象でなくなる自治体が多いことから、受診抑制には貧困が大きく関わっていると考えられます。

今、子どもの6人に1人が貧困状態にあるといわれ、横浜市でも今年3月に子どもの貧困対策に関する計画を策定し、対策を進めています。一部負担金の導入は貧困対策にも反するものです。

一部負担金の導入は約13万人もに影響を与えかねない重大な条例変更であるにもかかわらず、市民意見募集もせず、子育て世代からの意見もきかずに、議会に条例改定案を提出するのは、あまりにも乱暴なやり方です。学校PTAや幼稚園・保育園の保護者などを中心に市民に変更案を示し、広く意見を求めるべきではないでしょうか。

県内で一部負担金を導入している自治体はなく、導入を強行すればその影響は全県に及ぶことになります。

以上により、小児医療費助成制度について、次のように申し入れます。

1.対象年齢を、来年度は小学6年生までに、将来的に中学3年生まで引き上げ、所得制限を撤廃すること。

2.一部負担金を導入しないこと。

以上

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2016-08-04 | ブログ医療・福祉

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